Sun Cluster Geographic Edition 3.2 ご使用にあたって

既知の問題点とバグ

次に示す既知の問題とバグは、Sun Cluster Geographic Edition 3.2 リリースの処理に影響を与えます。

Sun Cluster Manager が RBAC をサポートしない (6226493)

問題の概要:Sun Cluster Manager が RBAC の役割をサポートしません。

対処方法:ローカルクラスタ上でスーパーユーザーとして Sun Cluster Manager を起動します。

パートナークラスタ上で同じ root パスワードを使用することを Sun Cluster Manager が要求する (6260505)

問題の概要:Sun Cluster Manager のグラフィカルユーザーインタフェース (graphical user interface、GUI) を使用するには、Sun Cluster Geographic Edition 配備内の両方のクラスタのすべてのノードで root パスワードを同じにする必要があります。

対処方法:Sun Cluster Manager を使用してクラスタを構成する場合は、両方のクラスタのすべてのノードで root パスワードが同じであることを確認します。すべてのノードで同一の root パスワードを設定しない場合は、コマンド行インタフェースを使用してクラスタを構成してください。

パートナーシップにカスタムハートビートを取り入れるには、あらかじめリモートクラスタとローカルクラスタの両方にそのハートビートが存在していなければならない (6263692)

問題の概要:カスタムハートビートを使用してリモートクラスタ上にパートナーシップを作成する場合、そのハートビートをパートナーシップに参加させるには同じ名前のハートビートがローカルクラスタ上に存在していなければなりません。ハートビートは GUI を使用して作成することはできないため、「Join Partnership」ページの選択肢として適切なハートビートが表示されることはありません。

対処方法:コマンド行インタフェース (command-line interface、CLI) を使用してカスタムハートビートを作成し、CLI または Sun Cluster Manager のいずれかを使用してパートナーシップに参加させます。

保護グループの状態の変化を Sun Cluster Manager が再描画しない場合がある (6302217)

問題の概要:Sun Cluster Manager に表示されるページ上の構成要素の構成と状態に変化があった場合は、本来自動的にそのページの再描画が行われるべきです。時折、この再描画がなされないことがあります。

対処方法:ナビゲーションツリーを使用していったん別のページに移動し、元のページに戻ります。再読み込みがなされてページが更新されます。

クラスタ起動時に tcp_udp_pluginNo_Response を報告する (6412025)

問題の概要:クラスタの再起動時、ハートビートは Degraded 状態、プラグイン tcp_udp_pluginNo_Response 状態です。またパートナークラスタ上にプロセス tcp_udp_resp がありません。

対処方法:パートナークラスタ上で pkill -9 tcp_udp_resp を実行して、パートナークラスタ上で tcp_udp_resp プロセスを再起動します。

Sun Cluster Geographic Edition リソースが STOP_FAILED 状態の場合、geoadm start 関数と geoadm stop 関数の両方が正しく機能しない (6446765)

問題の概要:ある例外的な構成エラーにより、クラスタが、Sun Cluster Geographic Edition フレームワークの起動 (geoadm start) や正常な停止 (geoadm stop) ができない状態になっている可能性があります。

対処方法:おそらく、Sun Cluster Geographic Edition インフラストラクチャーリソースが STOP_FAILED 状態にあります。STOP_FAILED 状態を解除するには、次の手順に従います。

  1. scstat -g コマンドを使用して、影響を受けているリソースとリソースグループを判定します。

  2. STOP_FAILED 状態にあるすべてのリソースとリソースグループの STOP_FAILED フラグを解除するため、それぞれに対して次のコマンドを使用します。


    # scswitch -c -j resource -h nodename -f STOP_FAILED
    
  3. 停止できなかったアプリケーションを手動で停止します。

    たとえば、ora lsnr を停止できなかった場合は、これを完全に停止します。影響を受けたリソースが Sun Cluster Geographic Edition インフラストラクチャーだけの場合は、この手順を無視してください。

  4. 必要であれば、リソースグループを停止します。

    リソースグループの停止中にリソースを停止できなかった場合は、リソースグループが STOP_FAILED 状態のままになるため、次のコマンドを使用して停止してください。


    # scswitch -F -g resourcegroup
    

    リソースの再起動中またはリソースを無効にしている最中にリソースを停止できなかった場合は、この手順を無視してください。

  5. geoadm stop コマンドを再試行します。

データ複製に EMC Symmetrix を使用すると、geopg switchover コマンドを実行できない (6456435)

問題の概要:EMC SRDF では、ドミノ効果がオンの場合、役割を変更できません。適応型コピー/書き込み保留モードとドミノモードが設定されている場合は、次の例のような障害メッセージが表示されます。


# geopg switchover -f -m no-1 srdfpg
Processing operation... The timeout period for this operation on each cluster is 3600 seconds 
(3600000 milliseconds)...

Resource groups "fo-rg,scal-rg" is unmanaged.
Failed to perform the protection group role change for device group  testdg.

# Aug  2 11:05:14 pbrew2 symrdf[29990]: 'Suspend' for device group testdg - Cannot proceed in the 
current RDF state except if the Symmetrix force flag is used. Note that the Symmetrix force flag is 
not allowed to be used by default in RDF control operations

Aug  2 11:05:17 pbrew2 symrdf[11]: 'Swap Personality' for device group testdg - The device is not 
in a valid RDF state for this operation

対処方法:スイッチオーバーの代わりにフェイルオーバーを使用します。

ソフトウェアを削除して再インストールすると、geoadm start の実行中に、gchb_resd がコアダンプを行う (6473292)

問題の概要:pkgrm を使用して Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアを削除すると、gchb_resd プロセスが実行状態のままになる場合があります。この場合、再インストールすると、プロセスで障害が発生します。

対処方法:不要です。gchb_resd プロセスは自動的に再起動されます。

Sun Cluster 3.2 にアップグレードしたクラスタにインストールできない (6474269)

問題の概要:Sun Cluster 3.2 ソフトウェアにアップグレードしたクラスタ上には、インストーラは Sun Cluster Geographic Edition 3.2 ソフトウェアをインストールできません。Sun Cluster ソフトウェアは installer プログラムではアップグレードされないので、installer プログラムは、必要な Sun Cluster 3.2 ソフトウェアがクラスタ上で動作していることを認識できません。

対処方法:各ノードで次の手順を実行します。

  1. 製品レジストリファイルの名前を変更します。


    # mv /var/sadm/install/productregistry /var/sadm/install/productregistry_$date
    
  2. JavaTM Enterprise System のインストールパッケージとアンインストールパッケージを削除します。


    # pkgrm SUNWentsys5 SUNWentsys5i SUNWentsys4 SUNWentsys4i
    
  3. installer プログラムを再実行して、Sun Cluster Geographic Edition 3.2 ソフトウェアをインストールします。

アンインストールおよび再インストールを実行できない (6489051)

問題の概要:Sun Cluster Geographic Edition をアンインストールして再インストールした場合に、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアを有効にできません。次のようなメッセージが表示されます。


# geoadm start
... checking for management agent ...
... management agent check done ....
... starting product infrastructure ... please wait ...
Nov  1 14:35:16 phys-obsidian-1 Cluster.GCHB_resd: GCHB system error: pmfadm failed - 
could not start agent /usr/cluster/lib/geo/lib/tcp_udp_resp
Nov  1 14:36:54 phys-obsidian-1 SC[SUNW.scmasa,geo-infrastructure,geo-failovercontrol,scmasa_svc_start]: 
Failed to start /usr/cluster/lib/rgm/rt/hamasa/cmas_service_ctrl_start geo-infrastructure.
Nov  1 14:36:54 phys-obsidian-1 Cluster.RGM.rgmd: Method <scmasa_svc_start> failed on resource 
<geo-failovercontrol> in resource group <geo-infrastructure> [exit code <50>, 
time used: 21% of timeout <600 seconds>] 
Nov  1 14:37:22 phys-obsidian-1 Cluster.PMF.pmfd: chdir: No such file or directory

対処方法:Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアを再インストールしたあとで、共通エージェントコンテナを再起動します。


# /usr/sbin/cacaoadm restart