アプリケーションの可用性を高めるために、アプリケーションリソースグループ内のリソースとして、アプリケーションが管理されるようにする必要があります。その他のデータ複製モジュールと違い、Oracle RAC サーバープロキシリソースグループ は保護グループに追加されません。代わりに、このリソースグループを示すために シャドウ RAC サーバープロキシリソースグループ が追加されます。
いつでも、Oracle シャドウ RAC サーバープロキシリソースグループ を保護グループに追加したり、保護グループから削除したりできます。Oracle Data Guard データ複製に影響することはありません。この状況でも、その他の非 RAC サーバープロキシリソースグループ を必要に応じて保護グループに追加できます。ただし、この種類の保護グループでは Oracle Data Guard のみサポートされているため、これらのアプリケーションでは、スタンバイクラスタへの複製に必要などのようなデータも使用できません。
スタンバイクラスタ上で、主クラスタのアプリケーションリソースグループ用に構成するすべてのエンティティーを複製する必要があります。複製が必要なエンティティーの例には、アプリケーションデータリソース、構成ファイル、およびリソースグループがあります。また、リソースグループ名は両方のクラスタで一致する必要があります。さらに、アプリケーションリソースによって使用されるデータは、スタンバイクラスタ上で複製される必要があります。
この節では、次の手順の実行方法について示します。
Oracle RAC サーバープロキシリソース を含んだ Oracle RAC サーバープロキシリソースグループ 以外の既存のリソースグループを、保護グループのアプリケーションリソースグループのリストに追加できます。Oracle RAC サーバープロキシリソースグループ を追加しようとすると、geopg コマンドによってエラーが返されます。
保護グループに、その他のあらゆる種類のアプリケーションリソースグループを追加する前に、次の条件が満たされていることを確認してください。
保護グループが定義されている。
アプリケーションリソースグループには、どのようなデータ複製も必要でない。そのようなリソースグループの追加ができるが、Oracle Data Guard モジュールによってその他の種類のデータ複製のスイッチオーバーが調整されていない。
追加するリソースグループがすでに両方のクラスタで存在しており、適切な状態である。
リソースグループの Auto_start_on_new_cluster プロパティーが False に設定されている。clresourcegroup show コマンドを使用して、このプロパティーの設定を決定できます。
phys-node-n# clresourcegroup show -p auto_start_on_new_cluster apprg |
次のように、Auto_start_on_new_cluster プロパティーを False に設定します。
phys-node-n# clresourcegroup set -p Auto_start_on_new_cluster=False apprg1 |
Auto_start_on_new_cluster プロパティーを False に設定することにより、Sun Cluster リソースグループマネージャーが保護グループで自動的にリソースグループを起動するのを防ぐことができます。
保護グループが有効な場合、主クラスタ上でのみアプリケーションリソースグループがオンラインになっている必要があります。
External_Dependency_Allowed 保護グループのプロパティーが TRUE に設定されていない場合、アプリケーションリソースグループには、この保護グループ外のリソースグループおよびリソースに対して依存関係はありません。External_Dependency_Allowed 保護グループのプロパティーが FALSE に設定されているときに、依存関係を共有するいくつかのリソースグループを追加するには、1 回の操作で、依存関係を共有するすべてのアプリケーションリソースグループを保護グループに追加する必要があります。アプリケーションリソースグループを個別に追加した場合、その処理は失敗します。
保護グループは有効でも無効でもかまいません。また、リソースグループは Online または Unmanaged のどちらでもかまいません。
保護グループの構成が変更されたあと、リソースグループが Unmanged で保護グループが有効状態の場合、保護グループのローカル状態は Error になります。
追加するリソースグループが Online で保護グループが無効である場合、要求は拒否されます。オンラインのリソースグループを追加する前に、保護グループを有効にする必要があります。
クラスタノードの 1 つにログインします。
この手順を完了するには、ユーザーに Geo Management RBAC 権利プロファイルが割り当てられている必要があります。 RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
保護グループにアプリケーションリソースグループを追加します。
phys-node-n# geopg add-resource-group resourcegrouplist protectiongroup |
アプリケーションリソースグループの名前を指定します。リソースグループは、コンマで区切って複数指定できます。
保護グループの名前を指定します。
このコマンドは、ローカルクラスタ上の保護グループにアプリケーションリソースグループを追加します。パートナークラスタに同じ名前の保護グループが含まれている場合、コマンドによって新しい構成情報がパートナークラスタに伝達されます。
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでサポートされている名前と値については、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 B「Sun Cluster Geographic Edition エンティティーに使用できる名前と値」を参照してください。
ローカルクラスタで追加操作が失敗した場合、保護グループの構成は変更されません。成功した場合、Configuration は追加され、ローカルクラスタで OK に設定されます。
ローカルクラスタで Configuration 状態が OK に設定されているものの、パートナーサーバーでの追加操作に失敗する場合は、Configuration はパートナークラスタで追加され、構成の状態はパートナークラスタで Error に設定されます。
保護グループに追加されたアプリケーションリソースグループは、保護グループのエンティティーとして管理されます。この結果、このアプリケーションリソースグループは、保護グループの起動、停止、スイッチオーバー、テイクオーバーなどの操作の影響を受けます。
この例では、2 つのアプリケーションリソースグループ apprg1 および apprg2 を sales-pg に追加する方法を示します。
phys-paris-1# geopg add-resource-group apprg1,apprg2 sales-pg |
保護グループからのアプリケーションリソースグループの除去は、アプリケーションリソースグループの状態や内容を変更せずに実行できます。いつでも、Oracle シャドウ RAC サーバープロキシリソースグループ を削除できます。この機能が示す Oracle RAC サーバープロキシリソースグループ または Oracle RAC データベースに影響することはありません。シャドウ RAC サーバープロキシリソースグループ は実際の Oracle RAC サーバープロキシリソースグループ の状態を反映するだけで、Oracle RAC データベースを制御しないため、これらのリソースグループを除去できます。
次の条件が満たされているか確認します。
保護グループがローカルクラスタで定義されている。
除去するリソースグループが保護グループのアプリケーションリソースグループの一部である。たとえば、データ複製管理エンティティーに属するリソースグループは除去できません。
クラスタノードの 1 つにログインします。
この手順を完了するには、ユーザーに Geo Management RBAC 権利プロファイルが割り当てられている必要があります。 RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
保護グループからアプリケーションリソースグループを除去します。
phys-node-n# geopg remove-resource-group resourcegrouplist protectiongroup |
アプリケーションリソースグループの名前を指定します。
リソースグループは、コンマで区切って複数指定できます。
保護グループの名前を指定します。
このコマンドは、ローカルクラスタ上の保護グループからアプリケーションリソースグループを除去します。パートナークラスタに同じ名前の保護グループがある場合、パートナークラスタの保護グループからもアプリケーションリソースグループが除去されます。
除去中のリソースグループが、保護グループのその他のリソースグループと依存関係を共有していて、External_Dependency_Allowed 保護グループのプロパティーが FALSE に設定されている場合、除去中のリソースグループと依存関係を共有しているその他のリソースグループもすべて除去する必要があります。
ローカルクラスタ上で削除操作に失敗した場合、保護グループの構成は変更されません。成功した場合、Configuration は削除され、ローカルクラスタで OK に設定されます。
ローカルクラスタで Configuration 状態が OK に設定されていても、パートナークラスタ上で削除操作に失敗した場合、Configuration はパートナークラスタから削除され、パートナークラスタ上の構成の状態は Error に設定されます。
この例では、apprg1 と apprg2 の 2 つのアプリケーションリソースグループを sales-pg から除去する方法を示します。
phys-paris-1# geopg remove-resource-group apprg1,apprg2 sales-pg |