Sun Cluster Geographic Edition Oracle Data Guard 向けデータ複製ガイド

Oracle Data Guard Broker 構成の管理

次の手順では、Oracle Data Guard 保護グループの Oracle Data Guard Broker データ複製構成の管理方法を示します。

Oracle Data Guard 保護グループの構成については、「Oracle Data Guard 保護グループを作成して構成する方法」を参照してください。

ProcedureOracle Data Guard Broker 構成を Oracle Data Guard 保護グループに追加する方法

始める前に

保護グループは、アプリケーションリソースグループのコンテナであり、災害から保護されるサービスのデータを格納します。Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは、主クラスタからスタンバイクラスタへデータを複製することにより、データを保護します。Oracle Data Guard Broker 構成を保護グループに追加すると、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアによって Oracle Data Guard Broker 構成に属する Oracle RAC データベースの複製の状態が監視されます。

Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアには、保護グループの起動、停止、スイッチオーバー、テイクオーバーなどの操作中に、Oracle Data Guard Broker 構成の役割と状態を制御する働きもあります。

保護グループに Oracle Data Guard Broker 構成を追加する前に、次の条件が満たされていることを確認してください。

  1. クラスタノードの 1 つにログインします。

    この手順を完了するには、ユーザーに Geo Management RBAC 権利プロファイルが割り当てられている必要があります。 RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. Oracle Data Guard Broker 構成を保護グループに追加する。

    このコマンドを実行すると、ローカルクラスタ上の保護グループに構成を追加します。そして、パートナークラスタに同じ名前の保護グループが含まれている場合、その新しい構成をパートナークラスタに伝達します。


    phys-node-n# geopg add-replication-component -p property [-p...] ODGConfigurationName protectiongroupname
    
    -p property

    Oracle Data Guard Broker 構成、Oracle RAC サーバープロキシリソースグループ、または Oracle データベースのユーザー名と関連付けられたパスワードのいずれかのプロパティーを指定します。

    次のプロパティーを指定できます。

    • local_database_name – Oracle Data Guard Broker 構成のローカルデータベース名

    • local_db_service_name – ローカルデータベースの Oracle ネットサービス名

    • local_rac_proxy_svr_rg_name – Oracle Data Guard Broker 構成のローカルデータベースを管理するローカル Oracle RAC サーバープロキシリソースグループ 名

    • remote_database_name – Oracle Data Guard Broker 構成のリモートデータベース名

    • remote_db_service_name – リモートデータベースの Oracle ネットサービス名

    • remote_rac_proxy_svr_rg_name – Oracle Data Guard Broker 構成のリモートデータベースを管理するパートナークラスタ上の Oracle RAC サーバープロキシリソースグループ 名

    • replication_mode – Oracle Data Guard Broker 構成のデータベースの複製モード

    • standby_type – Oracle Data Guard Broker 構成のデータベースのスタンバイの種類

    • sysdba_password – Oracle SYSDBA 特権データベースユーザーのパスワード コマンド行で実際のパスワードを指定しないでください。-p sysdba_password= のみ指定する場合、geopg コマンドによって実際のパスワードを入力するよう求められますが、入力中には表示されません。

    • sysdba_username – Oracle Data Guard Broker スイッチオーバーおよびテイクオーバー操作を実行できる Oracle SYSDBA 特権データベースユーザー名

    設定できるプロパティーについては、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 A「Sun Cluster Geographic Edition の標準プロパティー」を参照してください。

    ODGConfigurationName

    新しい Oracle Data Guard Broker 構成の名前を指定します。

    protectiongroupname

    新しい Oracle Data Guard Broker 構成を含む保護グループの名前を指定します。

    Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでサポートされている名前と値については、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 B「Sun Cluster Geographic Edition エンティティーに使用できる名前と値」を参照してください。

    geopg コマンドの詳細は、geopg(1M)のマニュアルページを参照してください。


例 2–7 Oracle Data Guard Broker 構成を Oracle Data Guard 保護グループに追加する

この例では Oracle Data Guard Broker 構成を sales-pg 保護グループに追加する方法を示します。

次のコマンドを正常に実行するには、ローカルおよびリモートのデータベースサービスにすでに接続できる状態になっている必要があります。


phys-paris-1# geopg add-replication-component  \
               -p local_database_name=sales \
               -p remote_database_name=salesdr \
               -p local_db_service_name=sales-svc \
               -p remote_db_service_name=salesdr-svc \
               -p standby_type=physical \
               -p replication_mode=MaxPerformance \
               -p sysdba_username=sys \
               -p sysdba_password= \
               -p local_rac_proxy_svr_rg_name=sales-rac-proxy-svr-rg \
               -p remote_rac_proxy_svr_rg_name=salesdr-rac-proxy-svr-rg \
               mysales.com sales-pg

データ複製サブシステムを使用して Oracle Data Guard Broker 構成を検証する

Oracle Data Guard Broker 構成を保護グループに追加する場合、データ複製層によって Oracle Data Guard Broker 構成が存在していることが検証されます。

geopg add-replication-component コマンドを実行するとき、構成がまだ存在しない場合、Oracle シャドウ RAC サーバープロキシリソースグループ および Oracle Data Guard Broker 構成グループの複製リソースグループが作成されます。 さらに、構成は正常に検証されます。

Oracle シャドウ RAC サーバープロキシリソースグループ には、Sun Cluster リソースが含まれます。 このリソースは SUNW.gds リソースタイプ汎用データサービスに基づいています。Oracle Data Guard Broker 構成の Oracle RAC データベースを管理し、監視する実際の Oracle RAC サーバープロキシリソース のシャドウが、Oracle シャドウ RAC サーバープロキシリソース によって作成されます。

シャドウ RAC サーバープロキシリソースグループ の詳細は、「Oracle Data Guard シャドウリソースグループ」を参照してください。

複製リソースグループには、汎用データベースサービス SUNW.gds リソースタイプに基づいた Sun Cluster が含まれます。複製リソースはデータベースの複製の状態を監視し、Oracle Data Guard Broker によってレポートされるます。

複製リソースの詳細は、「Oracle Data Guard 複製リソースグループ」を参照してください。

検証を正常に実行するには、次の条件が満たされていることを確認します。


注意 – 注意 –

Sun Cluster のコマンドを使用して、これらのリソースまたはリソースグループを変更したり、除去したり、オフラインにしたりしないでください。シャドウ RAC サーバープロキシリソースグループ の複製リソースグループおよび Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアで管理される内部エンティティーであるリソースの管理には、Sun Cluster Geographic Edition コマンドだけを使用してください。これらのエンティティーの構成または状態を Sun Cluster コマンドで直接変更すると、回復不能な障害が発生する可能性があります。


ProcedureOracle Data Guard Broker 構成を変更する方法

  1. クラスタノードの 1 つにログインします。

    この手順を完了するには、ユーザーに Geo Management RBAC 権利プロファイルが割り当てられている必要があります。 RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. Oracle Data Guard Broker 構成を変更します。

    このコマンドを実行すると、ローカルクラスタ上の保護グループに存在する Oracle Data Guard Broker 構成のプロパティーを変更します。その後、このコマンドを実行すると、パートナークラスタに同じ名前の保護グループが含まれている場合、新しい構成をパートナークラスタに伝達します。


    phys-node-n# geopg modify-replication-component -p property \
    [-p…] ODGConfigurationName protectiongroupname
    
    -p property

    データ複製 Oracle Data Guard Broker 構成のプロパティーを指定します。

    設定できるプロパティーについては、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の付録 A「Sun Cluster Geographic Edition の標準プロパティー」を参照してください。

    ODGConfigurationName

    Oracle Data Guard Broker 構成の名前を指定します。

    protectiongroupname

    Oracle Data Guard Broker 構成を含む保護グループの名前を指定します。

ProcedureOracle Data Guard 保護グループから Oracle Data Guard Broker 構成を削除します。

始める前に

保護グループから Oracle Data Guard Broker 構成を削除する前に、次の条件が満たされていることを確認します。

保護グループの削除については、「Oracle Data Guard 保護グループを削除する方法」を参照してください。

  1. クラスタノードの 1 つにログインします。

    この手順を完了するには、ユーザーに Geo Management RBAC 権利プロファイルが割り当てられている必要があります。 RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. Oracle Data Guard Broker 構成を削除します。

    このコマンドを実行すると、ローカルクラスタ上の保護グループから Oracle Data Guard Broker 構成を削除します。その後、このコマンドを実行すると、パートナークラスタに同じ名前の保護グループが含まれている場合、新しい構成をパートナークラスタに伝達します。

    このコマンドを実行すると、保護グループから Oracle Data Guard Broker 構成を削除します。また、このコマンドを実行すると、Oracle シャドウ RAC サーバープロキシリソースグループ およびこの Oracle Data Guard Broker 構成の複製リソースグループを削除します。


    phys-node-n# geopg remove-replication-component ODGConfigurationName protectiongroupname
    
    ODGConfigurationName

    Oracle Data Guard Broker 構成の名前を指定します。

    protectiongroupname

    保護グループの名前を指定します。


例 2–8 Oracle Data Guard Broker 構成を Oracle Data Guard 保護グループから削除する

この例では、Oracle Data Guard 保護グループから Oracle Data Guard Broker 構成を削除する方法を示します。


phys-paris-1# geopg remove-replication-component mysales.com sales-pg