Sun Cluster Geographic Edition Oracle Data Guard 向けデータ複製ガイド

Oracle Data Guard データ複製の実行時状態の検査

複製リソースグループの状態から、Oracle Data Guard ソフトウェアの実行時状態の詳細だけでなく、全体的な複製の状態を得ることができます。この節では、実行時状態を検査する方法について説明します。

Oracle Data Guard 実行時状態概要の表示

各 Oracle Data Guard データ複製リソースの状態は、特定の Oracle Data Guard Broker 構成における複製の状態を示します。保護グループ内のすべてのリソースの状態は、複製状態としてまとめられます。

複製の全体的な状態を確認するには、次の手順で説明している方法で保護グループの状態を表示します。

Procedure複製の全体的な実行時状態を検査する方法

  1. 保護グループが定義されているクラスタのノードの 1 つにログインします。

    この手順を完了するには、ユーザーに、Basic Solaris User RBAC 権利プロファイルが割り当てられている必要があります。 RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. 複製の実行時状態を検査します。


    phys-paris-1# geoadm status
    

    複製情報の出力の保護グループセクションを参照してください。このコマンドの出力には、次の情報が含まれます。

    • ローカルクラスタがパートナーシップに参加できるように有効になっているかどうか

    • ローカルクラスタがパートナーシップに参加しているかどうか

    • ハートビート構成の状態

    • 定義されている保護グループの状態

    • 現在進行しているトランザクションの状態

  3. Oracle Data Guard 保護グループごとに、データ複製の実行時状態を検査します。


    phys-paris-1 clresource status -v ODGConfigurationName-odg-rep-rs
    

    検査する Oracle Data Guard Broker 構成データ複製の Status フィールドと StatusMessage フィールドを参照してください。これらのフィールドの詳細は、表 2–1を参照してください。

詳細な Oracle Data Guard 実行時状態の表示

複製リソースグループは、保護グループごとに存在します。複製リソースグループの名前の書式は次のとおりです。


ODGprotectiongroupname-odg-rep-rg

Oracle Data Guard Broker 構成を保護グループに追加すると、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアによってその構成に従ったリソースが作成されます。このリソースは Oracle Data Guard Broker 構成の複製の状態を監視し、表示します。各リソースの名前の書式は次のとおりです。


ODGConfigurationName-odg-rep-rs

複製リソースの状態を監視することにより、複製の全体的な状態を確認できます。Oracle Data Guard Broker 構成の複製の状態に対する State および Status Message の値を取得するには、次のように clresource status コマンドを使用します。


phys-node-n# clresource status -v ODGConfigurationName-odg-rep-rs

リソースがオンラインになっていれば、StateOnline です。

Oracle Data Guard 複製リソースグループの StateOnline のときに clresource status コマンドを実行すると、次の表に示す Status 値と Status Message 値が得られます。

表 2–1 Oracle Data Guard 複製リソースグループがオンラインになっているときの状態と状態メッセージ

状態 

状態メッセージ 

考えられる理由 

Faulted

プログラム program-name によってゼロ以外の終了コードが返されました。

 

Faulted

ローカルデータベース database に指定されている保護モード「replication-mode」が構成されている値「replication-mode」と一致しません。

Oracle Data Guard Broker 構成は Oracle Data Guard コマンド行インタフェース (dgmgrl) によって変更され、Sun Cluster Geographic Edition では更新されませんでした。

Faulted

データベース database は構成された Oracle Data Guard データベースリスト「List-of-databases 」には存在しません。

Oracle Data Guard コマンド行インタフェース (dgmgrl) を使用して、データベースが Oracle Data Guard Broker 構成から削除されました。

Faulted

connect-string」を使用して接続しているときに、Oracle エラー「List-of-ORA-xxxxx-errors」が Oracle Data Guard Broker (dgmgrl) の出力に見つかりました。

 

Faulted

データベース database に指定された役割「role」が Oracle Data Guard に対して構成されている役割「role」と一致しません。

データベースがフィジカルスタンバイからロジカルスタンバイに変更されたか、またはその逆に変更された可能性があります。 

Unknown

予期しないエラー - unexpected-error

 

Unknown

Oracle Data Guard broker (dgmgrl connect-string) が「command-string」コマンドに「number」秒以内に応答を完了しなくて、タイムアウトしました。

Oracle Data Guard コマンド行インタフェース (dgmgrl) が指定した時間以内に show configuration コマンドに応答しなかったか、この間 Oracle Data Guard Broker が健全性検査のためにビジー状態でした。

Unknown

リモートクラスタに対するパスワードまたは接続名 (connect-string) が正しくありません。

sysdba_usernamesysdba_password local_db_service_name または remote_db_service_name パラメータが Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアによって維持されている情報と一致しません。

Unknown

ファイル filename が存在しません。

Oracle Data Guard モジュールによって使用されている一時的な内部ファイルが、読み取られる前に削除されました。 

Degraded

プログラム program-name によって、CCR (Cluster Configuration Repository) を読み取ることができませんでした。

CCR からの情報の読み取りに使用するプログラムの 1 つでエラーが発生しました。 

Degraded

保護グループ ODGprotectiongroupname 内の Oracle Data Guard 構成 ODGConfigurationNamesysdba ユーザー名に対するパスワードを取得できませんでした。

sysdba_password フィールドが CCR (Cluster Configuration Repository) から見つからなかったか、長すぎました。

Degraded

ローカルクラスタ cluster-name は Oracle Data Guard 構成 ODGConfigurationName の主クラスタではありません。

Oracle Data Guard コマンド行インタフェース ( dgmgrl) を使用して、Oracle Data Guard Broker でスイッチオーバーまたはフェイルオーバーが実行され、Sun Cluster Geographic Edition 構成は更新されませんでした。

Degraded

見つかった Oracle Data Guard 構成名 ODGConfigurationName ODGConfigurationName と一致しません。

 

Degraded

データベース database-name は無効な状態です。

Oracle Data Guard コマンド行インタフェース ( dgmgrl) でコマンドを使用して、Oracle Data Guard Broker でデータベースが無効化され、Sun Cluster Geographic Edition 構成は更新されませんでした。

Degraded

Oracle Data Guard 構成 ODGConfigurationName は、クラスタ cluster-name 上で無効です。

Oracle Data Guard コマンド行インタフェース (dgmgrl) でコマンドを使用して、Oracle Data Guard Broker 構成のスタンバイデータベースが無効化され、Sun Cluster Geographic Edition 構成は更新されませんでした。

Degraded

Oracle Data Guard 構成 ODGConfigurationName は無効です。

Oracle Data Guard コマンド行インタフェース (dgmgrl) でコマンドを使用して、Oracle Data Guard Broker 構成が無効化され、Sun Cluster Geographic Edition 構成は更新されませんでした。

Online

オンラインまたは replication-mode モードで複製中です。

 

clresource コマンドの詳細は、clresource(1CL)のマニュアルページを参照してください。