Sun Cluster Geographic Edition Oracle Data Guard 向けデータ複製ガイド

Oracle Data Guard を使用するサービスをスイッチオーバーで移行する

パートナークラスタにサービスを順番に移行する場合は、Oracle Data Guard 保護グループのスイッチオーバーを実行します。スイッチオーバーでは、次の処理が実行されます。

この節では、次の内容について説明します。

ProcedureOracle Data Guard 保護グループを主クラスタからスタンバイクラスタにスイッチオーバーする方法

始める前に

スイッチオーバーを行うには、主クラスタとスタンバイクラスタ間のデー タ複製が有効になっている必要があります。つまり、Oracle Data Guard Broker 構成が有効な状態です。さらに Oracle Data Guard Broker show configuration コマンドによって、SUCCESS 状態が示される必要があります。この状態は、Oracle Data Guard Broker 構成の Sun Cluster Geographic Edition 複製リソースの状態に反映され、構成によって online 状態が示されるはずです。

主クラスタからスタンバイクラスタへ保護グループのスイッチオーバーを行うには、次の条件が満たされている必要があります。

  1. クラスタノードの 1 つにログインします。

    この手順を完了するには、ユーザーに Geo Management RBAC 権利プロファイルが割り当てられている必要があります。 RBAC の詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. スイッチオーバーを開始します。

    スイッチオーバーでは、保護グループに属するアプリケーションリソースグループの停止と起動が行われます。


    phys-node-n# geopg switchover [-f] -m newprimarycluster protectiongroupname
    
    -f

    ユーザーに確認することなく、強制的にコマンドを実行します。

    -m newprimarycluster

    保護グループの主クラスタにするクラスタの名前を指定します。

    protectiongroupname

    保護グループの名前を指定します。


例 3–1 主クラスタからスタンバイクラスタへの強制的なスイッチオーバー

この例では、スタンバイクラスタへのスイッチオーバーを行う方法について説明します。


phys-paris-1# geopg switchover -f -m cluster-newyork sales-pg

スイッチオーバー中に Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアが実行する処理

geopg switchover コマンドを実行すると、ソフトウェアにより、主クラスタがプライマリデータベースを保持していることが確認されます。このコマンドによって、リモートデータベースが Oracle Data Guard Broker 構成内で enabled 状態であることが確認されます。また、このコマンドによって構成が健全であることも確認されます。このコマンドでは、Oracle Data Guard コマンド行インタフェース (dgmgrl) show configuration コマンドを実行して、SUCCESS 状態が返されることを確認します。このコマンドからの出力に、Oracle Data Guard Broker が自身の健全性検査のためビジー状態であることが示される場合、Oracle Data Guard コマンド行インタフェースは、SUCCESS 応答を受信するまで、または 2 分経過するまでこのコマンドを再試行します。このコマンド行インタフェースが SUCCESS 応答を受け取れない場合、コマンドの実行は失敗します。構成が健全な場合、ソフトウェアにより、元の主クラスタに対して次の処理が実行されます。

元のスタンバイクラスタでは、同じコマンドによって次の処理が行われます。

コマンドが正常に実行された場合、スタンバイクラスタ cluster-newyork が保護グループの新しい主クラスタになります。元の主クラスタ cluster-paris は新しいスタンバイクラスタになります。ローカルクラスタ上の保護グループの役割に従って、保護グループの Oracle Data Guard Broker 構成と関連付けられているデータベースの役割が逆転します。Oracle シャドウ RAC サーバープロキシリソースグループ とその他すべてのアプリケーションリソースグループは、新しい主クラスタ上でオンラインになります。 新しい主クラスタから新しいスタンバイクラスタへのデータ複製が開始されます。

このコマンドは、それまでの操作のうち 1 つでも失敗したものがあると、エラーを返します。個々のコンポーネントの状態を表示するには、geoadm status コマンドを実行します。失敗の原因によっては、保護グループの Configuration の状態が Error に設定されることがあります。保護グループは、有効になっている場合と無効になっている場合があります。

保護グループの Configuration の状態が Error に設定されている場合は、「Oracle Data Guard 保護グループを検証する方法」の手順に従って、保護グループを再検証します。

個々のパートナークラスタ上で保護グループの構成が一致していない場合は、「Oracle Data Guard 保護グループを再同期する方法」の手順に従って、構成を再同期させる必要があります。