OpenBoot 3.x コマンド・リファレンスマニュアル

付録 A TIP 接続の設定

SPARC システムの ttya または ttyb ポートを使用して別のサンのワークステーションに接続することができます。このように 2 つのシステムを接続することにより、サンのワークステーションのシェルウィンドウを SPARC システムの端末として使用できます。(リモートホストへの端末接続についての詳細は、tip(1) のマニュアルページを参照してください。

この TIP を用いる方法は、起動 PROM を使用する際にウィンドウ機能やオペレーティングシステムの機能を利用できるのでお勧めできます。通信プログラムやその他サン以外のコンピュータも、PROM の tty ポートで使用される出力ボーレートにプログラムを合わせることができれば同様に使用できます。


注 -

これ以降、「SPARC システム」とは使用するシステム、「サンのワークステーション」とは使用するシステムに接続するシステムのことを指します。


次の手順に従って、TIP 接続を設定します。

  1. シリアル接続ケーブルを使用して、サンのワークステーションの ttyb シリアルポートを SPARC システムの ttya シリアルポートに接続します。3 芯のヌルモデムケーブルを使用し、3-2、2-3、7-7 のワイヤ接続を行ってください。(ヌルモデムケーブルの仕様については、システムインストールマニュアルを参照してください。)

  2. サンのワークステーションから、etc/remote ファイルに次に示すような行を追加します。

    2.0 バージョンより前の Solaris 環境を実行する場合は、次のように入力します。


    hardwire:¥   
    	:dv=/dev/ttyb:br#9600:el=^C^S^Q^U^D:ie=%$:oe=^D:

    バージョン 2.x の Solaris 環境を実行する場合は、次のように入力します。


    hardwire:¥   
    	:dv=/dev/term/b:br#9600:el=^C^S^Q^U^D:ie=%$:oe=^D:

  3. サンのワークステーションのシェルツールウィンドウから次のように入力します。


    hostname% tip hardwire 
    connected 

    これで、シェルツールウィンドウはサンのワークステーションの ttyb からの TIP ウィンドウになりました。


    注 -

    コマンドツールでなくシェルツールを使用してください。コマンドツールウィンドウでは、一部の TIP コマンドが正しく動作しない場合があります。


  4. SPARC システムで Forth モニターを起動して、ok プロンプトを表示させます。


    注 -

    SPARC システムにビディオモニターを接続してない場合は、SPARC システムの ttya をサンのワークステーションの ttyb に接続し、SPARC システムに電源を投入します。数秒待ってから、Stop-A を押して電源投入処理を中断し、Forth モニターを起動します。システムが完全に動作不可でさえなければ、Forth モニターは使用可能になり、この手順の次の手順に進むことができます。


  5. 標準入出力先を ttya に変更するには、次のように入力します。


    ok ttya io
    

    画面には応答がエコーされません。

  6. サンのワークステーションのキーボードで Return キーを押します。ok プロンプトが TIP ウィンドウに表示されます。

    TIP ウィンドウに ‾# と入力するのは、SPARC システムで Stop-A と入力するのと同じです。


    注 -

    SPARC システムの TIP ウィンドウとして使用しているサンのワークステーションからは Stop-A を入力しないでください。入力すると、ワークステーションのオペレーティングシステムが強制終了されてしまいます。(誤って Stop-A と入力した場合は、ok プロンプトで go を入力して、正常状態を回復してください。)


  7. TIP ウィンドウの使用が終わったら、TIP セッションを終了して TIP ウィンドウを終了します。

  8. 必要な場合は次のように入力して、入出力先をそれぞれキーボードと画面に変更します。


    ok screen output keyboard input
    


    注 -

    TIP ウィンドウに (チルド) コマンドを入力するときは、‾ はその行の最初の入力文字でなければなりません。文字の入力位置を確実に新しい行の先頭するには、まず Return キーを押すことです。


TIP に関する一般的問題

この節では、2.0 より前の Solaris オペレーティング環境で発生する tip の障害の解決方法について説明します。

TIP にかかわる障害は、次のような場合に発生することがあります。