SPARC システムの ttya または ttyb ポートを使用して別のサンのワークステーションに接続することができます。このように 2 つのシステムを接続することにより、サンのワークステーションのシェルウィンドウを SPARC システムの端末として使用できます。(リモートホストへの端末接続についての詳細は、tip(1) のマニュアルページを参照してください。
この TIP を用いる方法は、起動 PROM を使用する際にウィンドウ機能やオペレーティングシステムの機能を利用できるのでお勧めできます。通信プログラムやその他サン以外のコンピュータも、PROM の tty ポートで使用される出力ボーレートにプログラムを合わせることができれば同様に使用できます。
これ以降、「SPARC システム」とは使用するシステム、「サンのワークステーション」とは使用するシステムに接続するシステムのことを指します。
次の手順に従って、TIP 接続を設定します。
シリアル接続ケーブルを使用して、サンのワークステーションの ttyb シリアルポートを SPARC システムの ttya シリアルポートに接続します。3 芯のヌルモデムケーブルを使用し、3-2、2-3、7-7 のワイヤ接続を行ってください。(ヌルモデムケーブルの仕様については、システムインストールマニュアルを参照してください。)
サンのワークステーションから、etc/remote ファイルに次に示すような行を追加します。
2.0 バージョンより前の Solaris 環境を実行する場合は、次のように入力します。
hardwire:¥ :dv=/dev/ttyb:br#9600:el=^C^S^Q^U^D:ie=%$:oe=^D: |
バージョン 2.x の Solaris 環境を実行する場合は、次のように入力します。
hardwire:¥ :dv=/dev/term/b:br#9600:el=^C^S^Q^U^D:ie=%$:oe=^D: |
サンのワークステーションのシェルツールウィンドウから次のように入力します。
hostname% tip hardwire connected |
これで、シェルツールウィンドウはサンのワークステーションの ttyb からの TIP ウィンドウになりました。
コマンドツールでなくシェルツールを使用してください。コマンドツールウィンドウでは、一部の TIP コマンドが正しく動作しない場合があります。
SPARC システムで Forth モニターを起動して、ok プロンプトを表示させます。
SPARC システムにビディオモニターを接続してない場合は、SPARC システムの ttya をサンのワークステーションの ttyb に接続し、SPARC システムに電源を投入します。数秒待ってから、Stop-A を押して電源投入処理を中断し、Forth モニターを起動します。システムが完全に動作不可でさえなければ、Forth モニターは使用可能になり、この手順の次の手順に進むことができます。
標準入出力先を ttya に変更するには、次のように入力します。
ok ttya io |
画面には応答がエコーされません。
サンのワークステーションのキーボードで Return キーを押します。ok プロンプトが TIP ウィンドウに表示されます。
TIP ウィンドウに ‾# と入力するのは、SPARC システムで Stop-A と入力するのと同じです。
SPARC システムの TIP ウィンドウとして使用しているサンのワークステーションからは Stop-A を入力しないでください。入力すると、ワークステーションのオペレーティングシステムが強制終了されてしまいます。(誤って Stop-A と入力した場合は、ok プロンプトで go を入力して、正常状態を回復してください。)
TIP ウィンドウの使用が終わったら、TIP セッションを終了して TIP ウィンドウを終了します。
必要な場合は次のように入力して、入出力先をそれぞれキーボードと画面に変更します。
ok screen output keyboard input |
TIP ウィンドウに ‾ (チルド) コマンドを入力するときは、‾ はその行の最初の入力文字でなければなりません。文字の入力位置を確実に新しい行の先頭するには、まず Return キーを押すことです。
この節では、2.0 より前の Solaris オペレーティング環境で発生する tip の障害の解決方法について説明します。
TIP にかかわる障害は、次のような場合に発生することがあります。
ロックディレクトリがなくなっているか、誤っている。
/usr/spool/uucp という名前のディレクトリが必要です。所有者は uucp で、モードは drwxr-sr-x です。
ttyb がログイン用に有効になっている。
/etc/ttytab 内の ttyb (または使用しているシリアルポート) のステータスフィールドを off に設定してなければなりません。このエントリを変更する必要がある場合は、必ず root になって kill -HUP 1 を実行してください (init(8)の マニュアルページを参照)。
/dev/ttyb がアクセスできない。
ときどき、プログラムが /dev/ttyb (使用するシリアルポート) のモードを変更してしまい、アクセスできなくなることがあります。/dev/ttyb のモードが crw-rw-rw- に設定されていることを確認してください。
シリアルラインがタンデムモードになっている。
TIP 接続がタンデムモードの場合は、オペレーティングシステムはときどき (特に他のウィンドウのプログラムが大量に出力しているときに) XON (^S) 文字を送出することがあります。XON 文字は Forth の key? ワードによって検出され、混乱を生じることがあります。この解決方法は、‾s !tandem TIP コマンドでタンデムモードをオフにすることです。
.cshrc ファイルがテキストを生成する。
TIP が cat を実行するためにサブシェルを開くため、読み込まれたファイルの先頭にテキストを付け加えてしまいます。dl を使用して予期されない出力を調べる場合は .cshrc ファイルを調べてください。