Solaris 共通デスクトップ環境への移行

テキストとオブジェクトの移動

CDE では、クリップボード機能、ドラッグ&ドロップ機能、およびコピー機能を使用できます。

クリップボード

CDE のクリップボードは、テキストとグラフィックスを同時に処理できます。ほとんどの CDE アプリケーションの「編集」メニューには、クリップボードの標準項目 (カット、コピー、ペースト) が用意されています。表 1-2 のように、キーの組み合わせを使用して、カット、コピー、およびペーストを実行することもできます。

表 1-2 クリップボードのキー割り当て
 タスクまたは機能 OpenWindows CDE
 カットMeta-X または CutAlt-XControl-Delete、または Cut
 コピーMeta-C または CopyAlt-CControl-Insert、または Copy
 ペーストMeta-V または PasteAlt-VShift-Insert、または Paste

ドラッグ&ドロップ

OpenWindows と同様に、CDE でも選択したオブジェクトまたはテキストを、アプリケーション内のある場所から別の場所にドラッグできます。1 つのアプリケーションから別のアプリケーションにドラッグすることもできます。CDE では OpenWindows とは異なり、アイコン化されたプログラムのアイコンにはオブジェクトをドロップできません。代わりに、オブジェクトやテキストをフロントパネルにドロップできます。

表 1-3 ドラッグ&ドロップの動作
 タスクまたは機能 OpenWindows CDE
 ワークスペースにアイコンをドロップ アプリケーションが起動される ワークスペース上にアイコンが表示される。元の項目はファイルマネージャ上に残る
 テキストまたはファイルをメールプログラムのメッセージ領域にドロップ メッセージの本文に挿入される 「新規メッセージ」ウィンドウの場合だけサポートされる。テキストあるいはファイルの内容が挿入された位置に表示される
 テキストまたはファイルをメールプログラムの添付領域にドロップ メッセージが添付される

作成中のメッセージにファイルが添付される。 

ドロップされたテキストがテキストファイルとして添付される 

 テキストウィンドウにテキストをドロップ ドロップした場所にテキストが表示される テキストが挿入された場所に表示される。「ファイル」メニューから「取込み」を選択した場合と同じ
 アイコン化されているアプリケーションにファイルをドロップ ドロップされたファイルのファイルタイプが適切ならば、アプリケーションはデフォルトのアクション (ファイルを開く、ファイルを印刷するなど) を実行する サポートされていない

詳細は、『Solaris 共通デスクトップ環境 ユーザーズ・ガイド』の第 1 章「基本スキル」を参照してください。

転送ボタン

OpenWindows では、マウスボタン 2 はアジャストボタンと呼ばれ、マウスボタン 1 で選択した位置の右側のテキストを強調表示するために使用します。CDE では、マウスボタン 2 を転送ボタンとして使用し、選択されたテキストを転送 (コピーを作成) します。

転送はコピー&ペーストやドラッグ&ドロップよりもすばやく実行できるため、長いファイルのパスをファイルマネージャにコピーする場合や、端末エミュレータウィンドウにコマンドをコピーする場合などに便利です。転送を実行しても、クリップボードの内容は変更されません。

選択したテキストを転送するには
  1. マウスボタン 1 を押しながらドラッグして、転送するテキストを選択します。

  2. マウスボタン 1 を離します。

  3. テキストを転送する位置にマウスを置いて、マウスボタン 2 をクリックします。

    新しい位置にテキストがコピーされます。元の位置のテキストは削除されません。

  4. (省略可能) 別の位置にテキストを転送するには、手順 3 を繰り返します。