この章では、Solaris 環境においてコマンド行から PCMCIA メモリーカードをフォーマットして使用するために必要な作業について説明します。
この章で説明する手順は次のとおりです。
作業 |
説明 |
手順の説明 |
---|---|---|
フォーマットされていない PCMCIA メモリーカードのロード |
IPCMCIA メモリーカードをドライブに挿入し、volcheck コマンドを実行する。 | |
PCMCIA メモリーカードのフォーマット |
PCMCIA メモリーカードを、UFS 用にフォーマットする。 | |
|
PCMCIA メモリーカードを、DOS 用にフォーマットする。 | |
UFS ファイルシステムの作成 |
UFS の場合のみ。省略可能。PCMCIA メモリーカードをファイルの保存に使用する場合は、UFS ファイルシステムを作成する。文字の保存に使用する場合には、この手順は不要。 | |
PCMCIA メモリーカードの取り出し |
PCMCIA メモリーカードのフォーマットを終了したら、すぐに使用する場合でも、必ずそれを取り出す。 |
PCMCIA メモリーカードを操作する場合は、名前、または次の表 17-2 に示す代替名によってそれらを識別できます。説明を簡単にするために、このマニュアル中の説明では pcmem0 を使用しますが、実際の作業では PCMCIA メモリーカード名または別の代替名も使用できます。
表 17-2 PCMCIA メモリーカードを識別する方法
PCMCIA カード |
代替名 |
---|---|
最初の PCMCIA ドライブ |
pcmem0 |
2 番目の PCMCIA ドライブ |
pcmem1 |
3 番目の PCMCIA ドライブ |
pcmem2 |
名前の付いていない (つまり「ラベル」がない) PCATA ドライブには、noname というデフォルト名が割り当てられます。
Solaris システムは、Solaris システム用と DOS システム用に PCMCIA メモリーカードをフォーマットできます。ただし、ハードウェアプラットフォームにいくつかの制限があります。次の表はこの制限を要約したものです。
プラットフォームの種類 |
PCMCIA メモリーカードのフォーマット仕様 |
---|---|
SPARC システム |
UFS 用 |
|
MS-DOS または NEC-DOS (PCFS) 用 |
IA システム |
UFS 用 |
|
MS-DOS または NEC-DOS (PCFS) 用 |
UFS 用にフォーマットされた PCMCIA メモリーカードは、それらがフォーマットされたハードウェアプラットフォームに制限されます。つまり、SPARC システムでフォーマットされた UFS PCMCIA メモリーカードは、IA システム上の UFS には使用できません。IA システム上でフォーマットされた PCMCIA メモリーカードの場合も同様です。これは、SPARC と IA とでは UFS フォーマットが異なるためです。
UFS ファイルシステム用の完全な形式は、基本的な「ビット」形式と、UFS ファイルシステムをサポートする構造からなります。DOS ファイルシステム用の完全な形式は、基本的な「ビット」形式と、MS-DOS または NEC-DOS のいずれかのファイルシステムをサポートする構造からなります。PCMCIA メモリーカードを準備するために必要な手順はファイルシステムによって異なります。したがって、PCMCIA メモリーカードをフォーマットする前には、どの作業が必要かを決めてください。「PCMCIA メモリーカードのフォーマット」 を参照してください。
fdformat コマンドのオプションについては、fdformat(1) を参照するかまたは fdformat -z と入力してください。この -z オプションを使用すると、fdformat コマンドのすべてのオプションが表示されます。
最初の説明にあるように、SPARC システムでフォーマットされた UFS PCMCIA メモリーカードは、SPARC システムでしか使用できません。また、IA システムでフォーマットされた UFS PCMCIA メモリーカードは、Intel 版 Solaris を実行する IA システムでしか使用できません。
PCMCIA メモリーカードをフォーマットすると、既存の内容はすべて消去されます。
ファイルマネージャを終了します。
ファイルマネージャは、フォーマットされていない PCMCIA メモリーカードを挿入すると、フォーマット用ウィンドウを自動的に表示します。このウィンドウが表示されないようにするために、ファイルマネージャを終了してください。ファイルマネージャを開いておきたい場合は、フォーマットウィンドウが表示されたときに、そのフォーマットウィンドウを終了してください。
PCMCIA メモリーカードが書き込み可能になっていることを確認します。
書き込み保護は、PCMCIA メモリーカードの端にある小さいスライドスイッチによって設定します。
PCMCIA メモリーカードを挿入します。
PCMCIA メモリーカードが完全に挿入されたことを確認してください。
フォーマットを実行します。
$ fdformat -v -U [convenience-options] |
-v |
PCMCIA メモリーカードが正しくフォーマットされたかどうかを確認する。 |
|
-U |
PCMCIA メモリーカードがマウントされている場合は、それを解除する。 |
|
convenience-options |
|
|
|
-e |
フォーマットが終了すると、PCMCIA メモリーカードを取り出す。 |
|
-f |
フォーマットの前に確認を要求しない。 |
|
-b label |
PCMCIA メモリーカードに名前を付ける。名前は、8 文字以下にする。大文字と小文字は区別されない。 |
|
-z |
fdformat コマンドのすべてのオプションを一覧表示するが、PCMCIA メモリーカードはフォーマットしない。 |
fdformat コマンドの -f オプションを使用していなければ、実行されるフォーマットのタイプと確認メッセージが表示されます。
Formatting in /vol/dev/aliases/pcmem0 Press return to start formatting pcmem0. |
目的に応じて、以下のいずれかのキーを使用します。
目的 |
使用するキー |
---|---|
フォーマットのタイプの確認 |
Return キー (前の手順で -f オプションを使用していない場合。使用した場合は、確認は不要。) |
フォーマットの取り消し |
Ctrl-c キー |
フォーマットの進行中は、ドットが連続して表示されます。検査の進行中は、ドットの後に V が連続して表示されます。表示が停止すると、フォーマットは完了です。
これで PCMCIA メモリーカードを、tar や cpio などの raw データ操作に使用できます。
次に、UFS フォーマットの例を示します。
$ fdformat -v -U Formatting in /vol/dev/aliases/unformatted Press return to start formatting pcmem0. [ Return キー ] ......................................................... vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv |
次の例では、同じジョブを実行していますが、PCMCIA メモリーカードに myfiles という名前を割り当てています。
$ fdformat -v -U -b myfiles Formatting in /vol/dev/aliases/unformatted Press return to start formatting pcmem0. [ Return キー ] ......................................................... vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv |
UFS ファイルシステムを作成する手順は、IA システムおよび SPARC システムのどちらでフォーマットされた UFS PCMCIA メモリーカードでも同じですが、SPARC システムでフォーマットされた UFS PCMCIA メモリーカードは、SPARC システムでしか使用できません。また、IA システムでフォーマットされた UFS PCMCIA メモリーカードは、Solaris を実行する IA システムでしか使用できません。
UFS ファイルシステム用に PCMCIA メモリーカードをフォーマットします。
「UFS PCMCIA メモリーカードをフォーマットする方法」で説明した手順に従ってください。
newfs コマンドと、ボリューム管理ディレクトリへの絶対パス名を使用して、PCMCIA メモリーカード上に UFS ファイルシステムを作成します。
$ /usr/sbin/newfs -v /vol/dev/aliases/pcmem0 |
-v |
状態メッセージを出力する。 |
/vol/dev/aliases/pcmem0 |
PCMCIA メモリーカードの位置を示す。 |
newfs コマンドは、ファイルシステムの作成を確認するメッセージを表示します。
ファイルシステムの作成を確認します。
newfs: construct a new file system ¥ /vol/dev/aliases/pcmem0:(y/n)? y |
状態メッセージが表示されて、ファイルシステムと PCMCIA メモリーカードのフォーマットの詳細を示します。
mkfs -F ufs /vol/dev/aliases/pcmem0 2848 8 2 8192 1024 16 ¥ 10 60 2048 t 0 -1 8 -1 /vol/dev/aliases/pcmem0: 2848 sectors in 128 cylinders of ¥ 2 tracks, 8 sectors 1.0MB in 8 cyl groups (16 c/g, 0.12MB/g, 64 i/g) super-block backups (for fsck -F ufs -o b=#) at: 32, 304, 544, 816, 1056, 1328, 1568, 1840 |
これで、PCMCIA メモリーカードを SPARC システムで使用できます。ただし、ボリューム管理が PCMCIA メモリーカードを認識する前に、次の手順で説明するように、volrmmount コマンドを使用する必要があります。
メモリーカードが挿入されたことをボリューム管理に通知するために、-i オプションを指定して volrmmount コマンドを使用します。
$ volrmmount -i pcmem0 |
PCMCIA メモリーカードは、これで /pcmem/pcmem0 にマウントされます。
UFS ファイルシステムが PCMCIA メモリーカード上に作成されたかどうかを確認するには、/pcmem ディレクトリで ls コマンドを使用します。
pcmem0 サブディレクトリが表示されれば、UFS ファイルシステムが PCMCIA メモリーカードに作成され、正しくマウントされたことになります。
$ ls /pcmem pcmem0 |
$ volcheck -v media was found $ /usr/sbin/newfs -v /vol/dev/aliases/pcmem0 newfs: construct a new file system ¥ /vol/dev/aliases/pcmem0:(y/n)? y mkfs -F ufs /vol/dev/aliases/pcmem0 ... $ volrmmount -i pcmem0 media was found |
SPARC システムおよび IA システムのどちらでも、DOS PCMCIA メモリーカードをフォーマットできます。両者の手順は同じですが、SPARC の場合は PCMCIA メモリーカード上に SunOS ファイルシステムが作成されるのに対して、IA の場合はファイルシステム上に DOS ファイルシステム (MS-DOS または NEC-DOS) が作成されます。
PCMCIA メモリーカードをフォーマットすると、既存の内容はすべて消去されます。
ファイルマネージャを終了します。
ファイルマネージャは、フォーマットされていない PCMCIA メモリーカードを挿入すると、フォーマットウィンドウを自動的に表示します。このウィンドウが表示されないようにするために、ファイルマネージャを終了してください。ファイルマネージャを開いたままにしておきたい場合は、フォーマットウィンドウが表示されてから、そのフォーマットウィンドウを終了してください。
PCMCIA メモリーカードが書き込み保護されていないことを確認します。
書き込み保護は、PCMCIA メモリーカードの端にある小さいスライドスイッチによって設定します。
PCMCIA メモリーカードを挿入します。
PCMCIA メモリーカードが完全に挿入されたことを確認してください。
フォーマットを実行します。
$ fdformat -v -U [density-options convenience-options] |
-v |
PCMCIA メモリーカードが正しくフォーマットされたかどうかを確認する。 |
|
-U |
PCMCIA メモリーカードがマウントされている場合は、それを解除する。 |
|
density-options |
ドライブ密度が 1.44M バイトの場合、density-options は次のとおり。 |
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|
-d |
MS-DOS 用にフォーマットする。 |
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-t nec -M |
1.2M バイトで NEC-DOS 用にフォーマットする。 |
|
|
密度オプションについては、fdformat(1) のマニュアルページを参照。 |
convenience-options |
|
|
|
-e |
フォーマットが終了すると、PCMCIA メモリーカードを取り出す。 |
|
-f |
フォーマットの前に確認を要求しない。 |
|
-b label |
PCMCIA メモリーカードに名前を付ける。名前は、8 文字以下にする。大文字と小文字は区別されない。 |
|
-z |
fdformat コマンドのすべてのオプションを一覧表示するが、PCMCIA メモリーカードはフォーマットしない。 |
720K バイト (DD) のフロッピーディスクを 1.44M バイト用にフォーマットしようとしたときに、-v オプションが指定されていない場合は fdformat の処理は中止されません。-v オプションが指定されている場合には、fdformat はフロッピーディスクをフォーマットしますが、検査でエラーが検出されて次のメッセージ出力されます。fdformat: check diskette density, I/O error
実行されるフォーマットのタイプと、確認メッセージが表示されます。
Formatting 1.44 M in /vol/dev/rdiskette0/unformatted Press return to start formatting floppy. |
目的に応じて、以下のいずれかのキーを使用します。
目的 |
使用するキー |
---|---|
フォーマットのタイプの確認 |
Return キー (前の手順で -f オプションを使用していない場合。使用した場合は、確認は不要。) |
フォーマットの取り消し |
Ctrl-c キー |
フォーマット処理中には、ドットが連続して表示されます。検査処理中には、ドットの下に V が連続して表示されます。表示が停止すると、フォーマットは完了したことになり、DOS システム用に使用することができます。
メモリーカードが挿入されたことをボリューム管理に通知するために、-i オプションを指定して volrmmount コマンドを使用します。
$ volrmmount -i pcmem0 |
ボリューム管理は、PCMCIA メモリーカードを /pcmem/pcmem0 の下にマウントします。
作業 |
説明 |
手順の説明 |
---|---|---|
PCMCIA メモリーカードのロード |
PCMCIA メモリーカードをドライブに挿入して、volcheck コマンドを実行する。 | |
PCMCIA メモリーカードの内容の確認 |
省略可能。PCMCIA メモリーカードの内容を調べるには、/PCMCIAmemorycard の下にある適切なディレクトリを調べる。 | |
ファイルの交換 |
省略可能。PCMCIA メモリーカードとファイルシステムの間でファイルまたはディレクトリをコピーする。 |
「PCMCIA メモリーカードから情報をコピーまたは移動する方法」
|
PCMCIA メモリーカードが使用中かどうかの確認 |
省略可能。PCMCIA メモリーカードを取り出す前に、PCMCIA メモリーカードが使用中であるかどうかを調べる。 | |
PCMCIA メモリーカードの取り出し |
終了したら、PCMCIA メモリーカードを取り出す。 |
PCMCIA メモリーカードがフォーマットされていることを確認します。
フォーマットされているかどうかが不確かな場合は、PCMCIA メモリーカードを挿入して、以下の「PCMCIA メモリーカードの使用方法」 で説明されているように、コンソールの状態メッセージをチェックしてください。PCMCIA メモリーカードをフォーマットする必要がある場合は、「UFS PCMCIA メモリーカードをフォーマットする方法」、または 「DOS PCMCIA メモリーカードをフォーマットする方法」を参照してください。
PCMCIA メモリーカードを挿入します。
PCMCIA メモリーカードがドライブに完全に挿入されたことを確認してください。ドライブにふたがある場合は、それを閉じてください。
ボリューム管理に通知します。
$ volcheck -v media was found |
次の 2 つの状態メッセージのいずれかが表示されます。
media was found |
ボリューム管理が PCMCIA メモリーカードを検出して、それを /pcmem ディレクトリにマウントしようとする。
PCMCIA メモリーカードが正しくフォーマットされていると、エラーメッセージはコンソールに表示されない。
PCMCIA メモリーカードがフォーマットされていない場合でも、「media was found」メッセージは表示されるが、次のエラーメッセージがコンソールに表示される。 fd0: unformatted diskette or no diskette in the drive fd0: read failed (40 1 0) fd0: bad format PCMCIA メモリーカードをフォーマットしてからでないと、ボリューム管理はそれをマウントできない。フォーマットの方法は、「UFS PCMCIA メモリーカードをフォーマットする方法」 (UFS 用) と 「DOS PCMCIA メモリーカードをフォーマットする方法」 (DOS 用) を参照。 |
no media was found |
ボリューム管理は、PCMCIA メモリーカードを検出しなかった。PCMCIA メモリーカードが正しく挿入されていることを確認して、volcheck をもう一度実行する。うまくいかない場合は、PCMCIA メモリーカードをチェックする。損傷の可能性がある。PCMCIA メモリーカードを手作業でマウントしてみることもできる。 |
内容をリスト表示して、PCMCIA メモリーカードがマウントされていることを確認します。
$ ls /pcmem/pcmem0 pcmem0 myfiles |
前述したように、pcmem0 は PCMCIA メモリーカードの実際の名前へのシンボリックリンクです。この場合は myfiles が実際の名前です。PCMCIA メモリーカードに名前はないけれども正しくフォーマットされている場合は、 unnamed_floppy と示されます。
/pcmem ディレクトリに何も表示されない場合は、PCMCIA メモリーカードがマウントされていないか、または正しくフォーマットされていないかのいずれかです。これを調べるには、mount コマンドを実行して、/pcmem で始まる行を探してください (通常は、リストの最後にあります)。
/pcmem/name on /vol/dev/diskette0/name ...
という行が表示されない場合、PCMCIA メモリーカードはマウントされていません。コンソールのエラーメッセージを確認してください。
/pcmem の下にあるディレクトリの一部がシンボリックリンクであるため、ls コマンドに -L オプションを付けて使用してください。
$ ls -L [-l] pcmem0 |
-L |
出力にシンボリックリンクを含む。 |
-l |
長形式。アクセス権と所有権を出力に含む。 |
次の例では、pcmem0 で識別される最初のフロッピードライブの PCMCIA メモリーカードの内容を一覧表示しています。
$ ls -L -l /pcmem/pcmem0 -rwxrwxrwx 1 smith staff 362284 Nov 16 20:54 text.doc -rwxrwxrwx 1 smith staff 24562 Nov 16 12:20 art.gif |
PCMCIA メモリーカードを挿入すると、他のファイルシステムの場合と同様に、そのファイルおよびディレクトリにアクセスできます。ただし、所有権とアクセス権については注意が必要です。たとえば、PCMCIA メモリーカードのファイルの所有者ではない場合、PCMCIA メモリーカード上でそれを変更することはできません。また、ファイルシステムにファイルをコピーした場合、そのファイルの所有者にはなりますが、書き込み権はありません (PCMCIA メモリーカードでも書き込み権がなかったためです)。アクセス権は各自で変更する必要があります。
PCMCIA メモリーカードがフォーマットされてマウントされていることを確認します。
$ ls /pcmem pcmem0 PCMCIA memorycard-name |
PCMCIA メモリーカードが正しくフォーマットされてマウントされていれば、その名前とシンボリックリンクが、/pcmem の下に表示されます。
/pcmem ディレクトリに何も表示されない場合、PCMCIA メモリーカードはマウントされていません。「PCMCIA メモリーカードをロードする方法」を参照してください。PCMCIA メモリーカードがフォーマットされていないこともあります。「UFS PCMCIA メモリーカードをフォーマットする方法」、または 「DOS PCMCIA メモリーカードをフォーマットする方法」を参照してください。
ファイルまたはディレクトリをコピーします。
コピーするもの |
使用するコマンド |
---|---|
ファイル |
cp |
ディレクトリ |
cp -r |
コピーまたは移動の結果を確認するには、ls コマンドを使用します。
最初の例では、ファイル (readme.doc) を PCMCIA メモリーカードから現在のディレクトリ (「.」で示される) に移動しています。2 番目の例では、ファイル (readme2.doc) を PCMCIA メモリーカードから現在のディレクトリにコピーしています。3 番目の例では、ディレクトリ (morefiles) とその下にあるすべてのものを、PCMCIA メモリーカードから現在のディレクトリにコピーしています。
$ mv /pcmem/pcmem0/readme.doc . $ cp /pcmem/pcmem0/readme2.doc . $ cp -r /pcmem/pcmem0/morefiles . |
PCMCIA メモリーカードが書き込み保護になっていないことを確認します。
書き込み保護は、PCMCIA メモリーカードの端にある小さなスライドスイッチによって設定されます。
PCMCIA メモリーカードがフォーマットされてマウントされていることを確認します。
$ ls /pcmem pcmem0 PCMCIA memorycard-name |
PCMCIA メモリーカードが正しくフォーマットされてマウントされていれば、その名前とシンボリックリンクの pcmem0 が、/pcmem の下に表示されます。
/pcmem ディレクトリに何も表示されない場合、PCMCIA メモリーカードはマウントされていません。「PCMCIA メモリーカードをロードする方法」を参照してください。PCMCIA メモリーカードがフォーマットされていないこともあります。「UFS PCMCIA メモリーカードをフォーマットする方法」、または 「DOS PCMCIA メモリーカードをフォーマットする方法」を参照してください。
ファイルまたはディレクトリを移動またはコピーします。
作業 |
使用するコマンド |
---|---|
ファイルのコピー |
cp |
ディレクトリのコピー |
cp -r |
ファイルまたはディレクトリの移動 |
mv |
ls コマンドを使用して、移動またはコピーの結果を確認します。
最初の例では、ファイル (readme.doc) を現在のディレクトリから、最初のカードドライブ (/pcmem/pcmem0) にロードされた PCMCIA メモリーカードに移動しています。2 番目の例では、ファイル (readme2.doc) を現在のディレクトリから、2 番目のカードドライブ (/pcmem/pcmem1) にロードされた PCMCIA メモリーカードリにコピーしています。3 番目の例では、ディレクトリ (morefiles) とその下にあるすべてのものを、/home/smith/ ディレクトリから最初のカードドライブにロードされた PCMCIA メモリーカードにコピーしています。
$ mv readme.doc /pcmem/pcmem0 $ cp readme2.doc /pcmem/pcmem1 $ cp -r /home/smith/morefiles /pcmem/pcmem0 |
スーパーユーザーになります。
fuser コマンドは、指定された CD に現在アクセスしているプロセスを表示します。
# fuser -u [-k] pcmem0 |
-u |
PCMCIA メモリーカードを使用中のユーザーを表示する。 |
|
-k |
PCMCIA メモリーカードにアクセスしているプロセスを終了させる。 |
次の例では、プロセス 6400c と 6399c が /pcmem/pcmem0 ディレクトリにアクセスしていて、プロセス所有者はそれぞれ root と smith です。
# fuser -u /pcmem/pcmem0 /pcmem/pcmem0: 6400c(root) 6399c(smith) |
プロセスは、root 権限によって個別に終了することも、fuser コマンドに -k オプションを付けて使用して、ファイルシステムにアクセス中のすべてのプロセスを終了することもできます。
# fuser -u -k /pcmem/pcmem0 /pcmem/pcmem0: 6400c(root)Killed 6399c(smith)Killed |
fuser コマンドは、終了したプロセスの一部を識別できないことがあります。確認するには、-u オプションを付けてもう一度このコマンドを実行してください。
PCMCIA メモリーカードが使用中でないことを確認します。
PCMCIA メモリーカードは、シェルまたはアプリケーションがそのファイルやディレクトリにアクセスしている場合「使用中」であることを忘れないでください。
PCMCIA メモリーカードのすべてのユーザーを検出したかどうかが不確かな場合は (デスクトップツールの背後に隠れたシェルがアクセスしている可能性がある場合は)、「PCMCIA メモリーカードが使用中かどうかを調べる方法」に説明されている fuser コマンドを使用してください。
PCMCIA メモリーカードを取り出します。
# eject pcmem0 |
手で PCMCIA メモリーカードを取り出す必要があります。ウィンドウを実行している場合は、PCMCIA メモリーカードを取り出すように指示する画面メッセージに注意してください。
PCMCIA メモリーカードが使用中の場合は、次のメッセージが表示されます。
/vol/dev/pcmem/noname: Device busy
この場合は、手順 1 に戻って誰も PCMCIA メモリーカードを使用していないことを確認してから、もう一度それを取り出してください。
他のシステム上の PCMCIA メモリーカードを各自のファイルシステムに手作業でマウントすることによって、その PCMCIA メモリーカードにアクセスできます。ただしこれは、他のシステムが、「ローカルの PCMCIA メモリーカードを他のシステムで使用可能にする方法」の指示に従って PCMCIA メモリーカードドライブをエクスポートしている場合にかぎります。
マウントポイントとして使用する既存のディレクトリを指定するか、あるいは作成します。
$ mkdir directory |
directory |
他のシステムの PCMCIA メモリーカードのマウントポイントとして使用するディレクトリの名前 |
マウントしたい PCMCIA メモリーカードの名前を検索します。
手作業でリモート PCMCIA メモリーカードをマウントする場合は、ローカル PCMCIA メモリーカードで使用可能な pcmem0 または floppy1 変数を使用できません。正しい PCMCIA メモリーカード名を使用する必要があります。この名前を検索するには、リモートシステムの /pcmem ディレクトリで ls コマンドを使用してください。オートマウンタが実行されている場合は、マウントしたい PCMCIA メモリーカードのシステムに cd コマンドで移動してから、ls コマンドを使用できます。オートマウンタが実行されていない場合は、リモートからログインするなどの別の方法を使用する必要があります。
スーパーユーザーとして、PCMCIA メモリーカードをマウントします。
# mount -F nfs system-name:/pcmem/PCMCIAmemory-card-name local-mount-point |
system-name |
マウントしたい PCMCIA メモリーカードが存在するシステムの名前 |
PCMCIA memory-card-name |
マウントしたい PCMCIA メモリーカードの名前 |
local-mount-point |
リモート PCMCIA メモリーカードのマウント先のローカルディレクトリ |
スーパーユーザーをログアウトします。
PCMCIA メモリーカードが実際にマウントされたかどうかを確認するには、ls コマンドを使用して、マウントポイントの内容を表示します。
$ ls /pcmem |
以下の例では、myfiles という名前の PCMCIA メモリーカードを、リモートシステム mars からローカルシステムの /pcmem ディレクトリにマウントしています。
$ cd /net/mars $ ls /pcmem pcmem0 myfiles $ su Password: password # mount -F nfs rw mars:/pcmem/myfiles /pcmem # exit $ ls /pcmem myfiles |
システムを設定して、その PCMCIA メモリーカードをエクスポートすることができます。つまり、これらのドライブ上の PCMCIA メモリーカードを、他のシステムが使用できるようになります。PCMCIA メモリーカードドライブがエクスポートされると、他のシステムは、「他のシステム上の PCMCIA メモリーカードにアクセスする方法」に説明されているように、それらをマウントするだけでそこに含まれる PCMCIA メモリーカードにアクセスできます。
スーパーユーザーになります。
NFS デーモン (nfsd) が実行されているかどうかを調べます。
# ps -ef | grep nfsd root 14533 1 17 10:46:55 ? 0:00 /usr/lib/nfs/nfsd -a 16 root 14656 289 7 14:06:02 pts/3 0:00 grep nfsd |
デーモンが実行されている場合、/usr/lib/nfs/nfsd の行は、上のように表示されます。デーモンが実行されていない場合は、grep nfsd の行だけが表示されます。
以下のうちの該当する手順に進みます。
条件 |
次の手順 |
---|---|
nfsd が実行されている場合 | |
nfsd が実行されていない場合 |
nfsd がエクスポートするダミーディレクトリを作成します。
# mkdir /dummy-dir |
dummy-dir |
たとえば、dummy などの任意のディレクトリ名にすることができる。このディレクトリには、ファイルは含まれない。これは、NFS デーモンを「呼び起こして」、エクスポートされた PCMCIA メモリーカードを認識させることを目的としている。 |
次のエントリを /etc/dfs/dfstab に追加します。
share -F nfs -o ro [-d comment] /dummy-dir
NFS デーモンを起動すると、このエントリを参照して、エクスポートされた PCMCIA メモリーカードドライブを認識します。コメント (-d が前に付く) はオプションです。
NFS デーモンを起動します。
# /etc/init.d/nfs.server start |
NFS デーモンが実際に実行されていることを確認します。
# ps -ef | grep nfsd root 14533 1 17 10:46:55 ? 0:00 /usr/lib/nfs/nfsd -a 16 root 14656 289 7 14:06:02 pts/3 0:00 grep nfsd |
現在ドライブ内にある PCMCIA メモリーカードを取り出します。
# eject pcmem0 |
書き込み権を /etc/rmmount.conf に割り当てます。
# chmod 644 /etc/rmmount.conf |
次の行を /etc/rmmount.conf に追加します。
# File System Sharing share floppy*
上記の行によって、システムの PCMCIA メモリーカードドライブにロードされた PCMCIA メモリーカードが共有されます。
/etc/rmmount.conf から書き込み権を削除します。
# chmod 444 /etc/rmmount.conf |
この手順によって、ファイルはそのデフォルトのアクセス権に戻ります。
PCMCIA メモリーカードをロードします。
-PCMCIA メモリーカードを挿入する- # volcheck -v media was found |
ここでロードした PCMCIA メモリーカードは他のシステムで使用できるようになります。PCMCIA メモリーカードにアクセスするために、リモートユーザーは、「他のシステム上の PCMCIA メモリーカードにアクセスする方法」の指示に従って、名前によりその PCMCIA メモリーカードをマウントする必要があります。
PCMCIA メモリーカードが実際に他のシステムで使用できるかどうかを確認するには、share コマンドを使用してください。
PCMCIA メモリーカードが使用可能な場合は、その共有の設定が表示されます。(共有されるダミーディレクトリも表示されます。)
# share - /dummy ro "dummy dir to wake up NFS daemon" - /myfiles rw "" |
次の例では、ローカルシステムの CD-ROM ドライブにロードされた PCMCIA メモリーカードすべてを、ネットワーク上の他のシステムで使用できるようにしています。
# ps -ef | grep nfsd root 10127 9986 0 08:25:01 pts/2 0:00 grep nfsd root 10118 1 0 08:24:39 ? 0:00 /usr/lib/nfs/nfsd -a # mkdir /dummy # vi /etc/dfs/dfstab (次の行を追加する) share -F nfs -o ro /dummy # eject pcmem0 # chmod 644 /etc/rmmount.conf # vi /etc/rmmount (次の行をファイルシステム共有セクションに追加する) share floppy* # chmod 444 /etc/rmmount.conf (PCMCIA メモリーカードをロードする) # volcheck -v media was found # share - /dummy ro "" - /pcmem/myfiles rw "" |