作業 |
説明 |
手順の説明 |
---|---|---|
フォーマットされていない PCMCIA メモリーカードのロード |
IPCMCIA メモリーカードをドライブに挿入し、volcheck コマンドを実行する。 | |
PCMCIA メモリーカードのフォーマット |
PCMCIA メモリーカードを、UFS 用にフォーマットする。 | |
|
PCMCIA メモリーカードを、DOS 用にフォーマットする。 | |
UFS ファイルシステムの作成 |
UFS の場合のみ。省略可能。PCMCIA メモリーカードをファイルの保存に使用する場合は、UFS ファイルシステムを作成する。文字の保存に使用する場合には、この手順は不要。 | |
PCMCIA メモリーカードの取り出し |
PCMCIA メモリーカードのフォーマットを終了したら、すぐに使用する場合でも、必ずそれを取り出す。 |
PCMCIA メモリーカードを操作する場合は、名前、または次の表 17-2 に示す代替名によってそれらを識別できます。説明を簡単にするために、このマニュアル中の説明では pcmem0 を使用しますが、実際の作業では PCMCIA メモリーカード名または別の代替名も使用できます。
表 17-2 PCMCIA メモリーカードを識別する方法
PCMCIA カード |
代替名 |
---|---|
最初の PCMCIA ドライブ |
pcmem0 |
2 番目の PCMCIA ドライブ |
pcmem1 |
3 番目の PCMCIA ドライブ |
pcmem2 |
名前の付いていない (つまり「ラベル」がない) PCATA ドライブには、noname というデフォルト名が割り当てられます。
Solaris システムは、Solaris システム用と DOS システム用に PCMCIA メモリーカードをフォーマットできます。ただし、ハードウェアプラットフォームにいくつかの制限があります。次の表はこの制限を要約したものです。
プラットフォームの種類 |
PCMCIA メモリーカードのフォーマット仕様 |
---|---|
SPARC システム |
UFS 用 |
|
MS-DOS または NEC-DOS (PCFS) 用 |
IA システム |
UFS 用 |
|
MS-DOS または NEC-DOS (PCFS) 用 |
UFS 用にフォーマットされた PCMCIA メモリーカードは、それらがフォーマットされたハードウェアプラットフォームに制限されます。つまり、SPARC システムでフォーマットされた UFS PCMCIA メモリーカードは、IA システム上の UFS には使用できません。IA システム上でフォーマットされた PCMCIA メモリーカードの場合も同様です。これは、SPARC と IA とでは UFS フォーマットが異なるためです。
UFS ファイルシステム用の完全な形式は、基本的な「ビット」形式と、UFS ファイルシステムをサポートする構造からなります。DOS ファイルシステム用の完全な形式は、基本的な「ビット」形式と、MS-DOS または NEC-DOS のいずれかのファイルシステムをサポートする構造からなります。PCMCIA メモリーカードを準備するために必要な手順はファイルシステムによって異なります。したがって、PCMCIA メモリーカードをフォーマットする前には、どの作業が必要かを決めてください。「PCMCIA メモリーカードのフォーマット」 を参照してください。
fdformat コマンドのオプションについては、fdformat(1) を参照するかまたは fdformat -z と入力してください。この -z オプションを使用すると、fdformat コマンドのすべてのオプションが表示されます。
最初の説明にあるように、SPARC システムでフォーマットされた UFS PCMCIA メモリーカードは、SPARC システムでしか使用できません。また、IA システムでフォーマットされた UFS PCMCIA メモリーカードは、Intel 版 Solaris を実行する IA システムでしか使用できません。
PCMCIA メモリーカードをフォーマットすると、既存の内容はすべて消去されます。
ファイルマネージャを終了します。
ファイルマネージャは、フォーマットされていない PCMCIA メモリーカードを挿入すると、フォーマット用ウィンドウを自動的に表示します。このウィンドウが表示されないようにするために、ファイルマネージャを終了してください。ファイルマネージャを開いておきたい場合は、フォーマットウィンドウが表示されたときに、そのフォーマットウィンドウを終了してください。
PCMCIA メモリーカードが書き込み可能になっていることを確認します。
書き込み保護は、PCMCIA メモリーカードの端にある小さいスライドスイッチによって設定します。
PCMCIA メモリーカードを挿入します。
PCMCIA メモリーカードが完全に挿入されたことを確認してください。
フォーマットを実行します。
$ fdformat -v -U [convenience-options] |
-v |
PCMCIA メモリーカードが正しくフォーマットされたかどうかを確認する。 |
|
-U |
PCMCIA メモリーカードがマウントされている場合は、それを解除する。 |
|
convenience-options |
|
|
|
-e |
フォーマットが終了すると、PCMCIA メモリーカードを取り出す。 |
|
-f |
フォーマットの前に確認を要求しない。 |
|
-b label |
PCMCIA メモリーカードに名前を付ける。名前は、8 文字以下にする。大文字と小文字は区別されない。 |
|
-z |
fdformat コマンドのすべてのオプションを一覧表示するが、PCMCIA メモリーカードはフォーマットしない。 |
fdformat コマンドの -f オプションを使用していなければ、実行されるフォーマットのタイプと確認メッセージが表示されます。
Formatting in /vol/dev/aliases/pcmem0 Press return to start formatting pcmem0. |
目的に応じて、以下のいずれかのキーを使用します。
目的 |
使用するキー |
---|---|
フォーマットのタイプの確認 |
Return キー (前の手順で -f オプションを使用していない場合。使用した場合は、確認は不要。) |
フォーマットの取り消し |
Ctrl-c キー |
フォーマットの進行中は、ドットが連続して表示されます。検査の進行中は、ドットの後に V が連続して表示されます。表示が停止すると、フォーマットは完了です。
これで PCMCIA メモリーカードを、tar や cpio などの raw データ操作に使用できます。
次に、UFS フォーマットの例を示します。
$ fdformat -v -U Formatting in /vol/dev/aliases/unformatted Press return to start formatting pcmem0. [ Return キー ] ......................................................... vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv |
次の例では、同じジョブを実行していますが、PCMCIA メモリーカードに myfiles という名前を割り当てています。
$ fdformat -v -U -b myfiles Formatting in /vol/dev/aliases/unformatted Press return to start formatting pcmem0. [ Return キー ] ......................................................... vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv |
UFS ファイルシステムを作成する手順は、IA システムおよび SPARC システムのどちらでフォーマットされた UFS PCMCIA メモリーカードでも同じですが、SPARC システムでフォーマットされた UFS PCMCIA メモリーカードは、SPARC システムでしか使用できません。また、IA システムでフォーマットされた UFS PCMCIA メモリーカードは、Solaris を実行する IA システムでしか使用できません。
UFS ファイルシステム用に PCMCIA メモリーカードをフォーマットします。
「UFS PCMCIA メモリーカードをフォーマットする方法」で説明した手順に従ってください。
newfs コマンドと、ボリューム管理ディレクトリへの絶対パス名を使用して、PCMCIA メモリーカード上に UFS ファイルシステムを作成します。
$ /usr/sbin/newfs -v /vol/dev/aliases/pcmem0 |
-v |
状態メッセージを出力する。 |
/vol/dev/aliases/pcmem0 |
PCMCIA メモリーカードの位置を示す。 |
newfs コマンドは、ファイルシステムの作成を確認するメッセージを表示します。
ファイルシステムの作成を確認します。
newfs: construct a new file system ¥ /vol/dev/aliases/pcmem0:(y/n)? y |
状態メッセージが表示されて、ファイルシステムと PCMCIA メモリーカードのフォーマットの詳細を示します。
mkfs -F ufs /vol/dev/aliases/pcmem0 2848 8 2 8192 1024 16 ¥ 10 60 2048 t 0 -1 8 -1 /vol/dev/aliases/pcmem0: 2848 sectors in 128 cylinders of ¥ 2 tracks, 8 sectors 1.0MB in 8 cyl groups (16 c/g, 0.12MB/g, 64 i/g) super-block backups (for fsck -F ufs -o b=#) at: 32, 304, 544, 816, 1056, 1328, 1568, 1840 |
これで、PCMCIA メモリーカードを SPARC システムで使用できます。ただし、ボリューム管理が PCMCIA メモリーカードを認識する前に、次の手順で説明するように、volrmmount コマンドを使用する必要があります。
メモリーカードが挿入されたことをボリューム管理に通知するために、-i オプションを指定して volrmmount コマンドを使用します。
$ volrmmount -i pcmem0 |
PCMCIA メモリーカードは、これで /pcmem/pcmem0 にマウントされます。
UFS ファイルシステムが PCMCIA メモリーカード上に作成されたかどうかを確認するには、/pcmem ディレクトリで ls コマンドを使用します。
pcmem0 サブディレクトリが表示されれば、UFS ファイルシステムが PCMCIA メモリーカードに作成され、正しくマウントされたことになります。
$ ls /pcmem pcmem0 |
$ volcheck -v media was found $ /usr/sbin/newfs -v /vol/dev/aliases/pcmem0 newfs: construct a new file system ¥ /vol/dev/aliases/pcmem0:(y/n)? y mkfs -F ufs /vol/dev/aliases/pcmem0 ... $ volrmmount -i pcmem0 media was found |
SPARC システムおよび IA システムのどちらでも、DOS PCMCIA メモリーカードをフォーマットできます。両者の手順は同じですが、SPARC の場合は PCMCIA メモリーカード上に SunOS ファイルシステムが作成されるのに対して、IA の場合はファイルシステム上に DOS ファイルシステム (MS-DOS または NEC-DOS) が作成されます。
PCMCIA メモリーカードをフォーマットすると、既存の内容はすべて消去されます。
ファイルマネージャを終了します。
ファイルマネージャは、フォーマットされていない PCMCIA メモリーカードを挿入すると、フォーマットウィンドウを自動的に表示します。このウィンドウが表示されないようにするために、ファイルマネージャを終了してください。ファイルマネージャを開いたままにしておきたい場合は、フォーマットウィンドウが表示されてから、そのフォーマットウィンドウを終了してください。
PCMCIA メモリーカードが書き込み保護されていないことを確認します。
書き込み保護は、PCMCIA メモリーカードの端にある小さいスライドスイッチによって設定します。
PCMCIA メモリーカードを挿入します。
PCMCIA メモリーカードが完全に挿入されたことを確認してください。
フォーマットを実行します。
$ fdformat -v -U [density-options convenience-options] |
-v |
PCMCIA メモリーカードが正しくフォーマットされたかどうかを確認する。 |
|
-U |
PCMCIA メモリーカードがマウントされている場合は、それを解除する。 |
|
density-options |
ドライブ密度が 1.44M バイトの場合、density-options は次のとおり。 |
|
|
-d |
MS-DOS 用にフォーマットする。 |
|
-t nec -M |
1.2M バイトで NEC-DOS 用にフォーマットする。 |
|
|
密度オプションについては、fdformat(1) のマニュアルページを参照。 |
convenience-options |
|
|
|
-e |
フォーマットが終了すると、PCMCIA メモリーカードを取り出す。 |
|
-f |
フォーマットの前に確認を要求しない。 |
|
-b label |
PCMCIA メモリーカードに名前を付ける。名前は、8 文字以下にする。大文字と小文字は区別されない。 |
|
-z |
fdformat コマンドのすべてのオプションを一覧表示するが、PCMCIA メモリーカードはフォーマットしない。 |
720K バイト (DD) のフロッピーディスクを 1.44M バイト用にフォーマットしようとしたときに、-v オプションが指定されていない場合は fdformat の処理は中止されません。-v オプションが指定されている場合には、fdformat はフロッピーディスクをフォーマットしますが、検査でエラーが検出されて次のメッセージ出力されます。fdformat: check diskette density, I/O error
実行されるフォーマットのタイプと、確認メッセージが表示されます。
Formatting 1.44 M in /vol/dev/rdiskette0/unformatted Press return to start formatting floppy. |
目的に応じて、以下のいずれかのキーを使用します。
目的 |
使用するキー |
---|---|
フォーマットのタイプの確認 |
Return キー (前の手順で -f オプションを使用していない場合。使用した場合は、確認は不要。) |
フォーマットの取り消し |
Ctrl-c キー |
フォーマット処理中には、ドットが連続して表示されます。検査処理中には、ドットの下に V が連続して表示されます。表示が停止すると、フォーマットは完了したことになり、DOS システム用に使用することができます。
メモリーカードが挿入されたことをボリューム管理に通知するために、-i オプションを指定して volrmmount コマンドを使用します。
$ volrmmount -i pcmem0 |
ボリューム管理は、PCMCIA メモリーカードを /pcmem/pcmem0 の下にマウントします。