Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

UFS ファイルシステムの作成

UFS ファイルシステムをディスクに作成するためには、そのディスクをフォーマットし、スライスに分割しなければなりません。ディスクスライスとは物理的なディスクのサブセットで、連続するブロックからなる 1 つの範囲のことです。スライスはスワップ空間などの raw デバイスとして使用することも、ディスクベースのファイルシステムとして使用することもできます。ディスクのフォーマットとディスクのスライスへの分割についての詳細は、第 28 章「ディスクの管理 (概要)」を参照してください。

Solstice DiskSuite などの論理ボリューム管理製品は、より精錬された (単一のスライスや単一のディスク境界を拡張する) メタデバイスを作成します。メタデバイスについての詳細は、『Solstice DiskSuite 4.2.1 ユーザーズガイド』を参照してください。


注 -

Solaris のデバイス名は、用語「スライス (デバイス名内の文字は s)」を使用して、スライス番号を参照します。スライスは「パーティション」と呼ばれていました。


UFS ファイルシステムは、インストール手順の一部として Solaris オペレーティング環境によって自動的に作成されるので、UFS ファイルシステムを作成しなければならないことはほとんどありません。次の場合には、UFS ファイルシステムを作成する (または作成し直す) 必要があります。

newfs(1M) コマンドを使用するのが、UFS ファイルシステムを作成する標準的な方法です。newfs コマンドは mkfs(1M) の使いやすいフロントエンドで、新しいファイルシステムを作成します。Solaris システムの場合、デフォルトでは 1 シリンダ当たりのトラック数や 1 トラック当たりのセクター数のような newfs(1M) のパラメータは、新しいファイルシステムを作成するディスクのラベルから読み込まれ、ユーザーが選択したオプションは、mkfs コマンドに渡されファイルシステムが作成されます。

ファイルシステムパラメータ

ディスクスライス上に新しいファイルシステムを作成するには、ほとんどの場合に newfs コマンドを使用します。表 35-1 に、newfs コマンドで使用するデフォルトのパラメータを示します。

表 35-1 newfs コマンドで使用するデフォルトのパラメータ

パラメータ 

デフォルト値 

ブロックサイズ 

8K バイト 

フラグメントサイズ 

1K バイト 

最小空き領域 

((64M バイト/パーティションサイズ) * 100) で算出した値を最も近い整数に切り捨てる。値は、パーティションサイズの 1% から 10% の範囲に制限される。 

回転遅延 

最適化のタイプ 

容量 

i ノード数 

2K バイトのディスク領域ごとに 1 個 

UFS ファイルシステムを作成する方法

  1. 次の前提条件を満たしているかどうかを確認します。

    • UFS ファイルシステムを作成する前に、ディスクをフォーマットしてスライスに分割しておかなければならない。ディスクのフォーマットとスライスへの分割についての詳細は、第 28 章「ディスクの管理 (概要)」を参照してください。

    • ファイルシステムを格納するスライスのデバイス名を知っていなければならない。ディスク番号とディスクスライス番号を調べる方法については、第 29 章「ディスクの管理 (手順)」を参照してください。

    • 既存の UFS ファイルシステムを作成し直す場合は、そのマウントを解除する。

    • スーパーユーザーでなければならない。

  2. ファイルシステムを作成します。


    # newfs [-N] [-b size] [-i bytes] /dev/rdsk/device-name
    

    -N

    newfsmkfs に渡すパラメータを表示する。ファイルシステムは実際に作成されない。newfs コマンドをテストするのに好ましい方法です。

    -b size

    ファイルシステムのブロックサイズを指定する。ブロックごとに 4096 バイトまたは 8192 バイト。デフォルトは 8192 バイトです。 

    -i bytes

    i ノード当たりのバイト数を指定する。デフォルトはディスクのサイズによって異なる。詳細は newfs(1M) のマニュアルページを参照。

    device-name

    新しいファイルシステムを作成するディスクデバイス名を指定する。 

    システムから、確認を促すプロンプトが表示されます。


    注意 - 注意 -

    次の手順を実行する前に、スライスのデバイス名を正しく指定していることを確認してください。間違ったスライスを指定すると、その内容は新しいファイルシステムの作成時に消去されます。そして、システムがパニックを起こす原因となる可能性があります。


  3. UFS ファイルシステムが作成されていることを確認するには、fsck(1M) コマンドを使用して新しいファイルシステムをチェックします。


    # fsck /dev/rdsk/device-name
    

    device-name

    新しいファイルシステムを格納するディスクデバイス名を指定する。 

    fsck コマンドは、新しいファイルシステムの整合性をチェックして、問題が検出された場合には、問題を修復する前にプロンプトを表示します。fsck についての詳細は、第 39 章「ファイルシステムの整合性チェック」を参照してください。

例 - UFS ファイルシステムを作成する

次の例では、/dev/rdsk/c0t1d0s7 上に UFS ファイルシステムを作成します。


# newfs /dev/rdsk/c0t1d0s7
/dev/rdsk/c0t1d0s7:  725760 sectors in 720 cylinders of 14 tracks, 72 sectors
        354.4MB in 45 cyl groups (16 c/g, 7.88MB/g, 3776 i/g)
super-block backups (for fsck -F ufs -o b=#) at:
 32, 16240, 32448, 48656, 64864, 81072, 97280, 113488, 129696, 145904, 162112,
 178320, 194528, 210736, 226944, 243152, 258080, 274288, 290496, 306704,
 322912, 339120, 355328, 371536, 387744, 403952, 420160, 436368, 452576,
 468784, 484992, 501200, 516128, 532336, 548544, 564752, 580960, 597168,
 613376, 629584, 645792, 662000, 678208, 694416, 710624,
#

次に進む手順

ファイルシステムをマウントし、使用可能にするには、第 36 章「ファイルシステムのマウントとマウント解除 (手順)」に進みます。