Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

バックアップを作成するファイルシステムの計画

頻繁に更新されるファイルシステムなど、ユーザーにとって重要なファイルシステムはバックアップしておく必要があります。表 42-3表 42-4 に、スタンドアロンシステムとサーバー用にバックアップを作成するファイルシステムの一般的なガイドラインを示します。

表 42-3 ファイルシステムをスタンドアロン用にバックアップする

バックアップするファイルシステム 

理由 

バックアップ間隔 

ルート (/) - パーティション 0

ルート (/) には、メールやアカウンティングなど、頻繁に変更されるファイルが保管されるカーネルと /var ディレクトリが入っている。

定期 

/usr - パーティション 6

一般に、新しいソフトウェアをインストールして新しいコマンドを追加すると、/usr/opt ファイルシステムが影響を受ける。 /opt は、ルート (/) の一部であるか、独自のファイルシステムである。

随時 

/export/home

/export/home には、スタンドアロンシステム上のユーザー全員のディレクトリとサブディレクトリが入っている。

ルート (/) や /usr よりも頻繁に、サイトのニーズによっては毎日 1 度

/export または /var を他の使用可能スライスにバックアップ

Solaris ソフトウェアのインストール中に、これらのファイルシステムを作成した可能性がある。 

サイトの必要に応じて 

表 42-4 ファイルシステムをサーバー用にバックアップする

バックアップするファイルシステム ... 

理由 

バックアップ間隔 

ルート (/) - パーティション 0

/export - パーティション 3

/usr - パーティション 6 ,/opt

これらのファイルシステムには、カーネル、主要コマンド、実行可能プログラムが入っている。 

サイトのニーズに応じて毎日 1 度ないし月に 1 度 

ルート (/) - ネットワーク上でクライアントとハードウェアを頻繁に追加したり削除したりする場合は、カーネル構成ファイルなどの重要なファイルをルート (/) 内で変更せざるを得ない。この場合は、週に 1 度から月に 1 度の間隔で、ルート (/) ファイルシステム上で完全バックアップを実行する必要がある。サイトでユーザーのメールをメールサーバー上の /var/mail ディレクトリに保管している場合は (その後クライアントシステムがマウント)、ルート (/) ディレクトリを毎日バックアップした方がよい。(あるいは、別のファイルシステムの場合は /var)

/export -クライアントのルート (/) ディレクトリは、/export ファイルシステムに保管される。そこに入っている情報はサーバーのスライス 0 にあるルートディレクトリと同様なので、頻繁に変化することはない。随時バックアップを実行すればよい。ただし、サイトでメールをクライアントシステムに送信している場合は、/export のバックアップをさらに頻繁に実行する必要がある。

/usr/opt - 内容に変更がなく、週に 1 度ないし月に 1 度バックアップするだけでかまわない。

/export/home - パーティション 7

/export/home には、システム上のユーザー全員のホームディレクトリとサブディレクトリが入っている。そのファイルは変更が多い。

毎日または毎週 


注 -

サーバーの /export/swap のバックアップをとる必要はありません。