Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

ufsrestore のオプションと引数

ufsrestore コマンドには、表 45-3 に示すオプションのうちの 1 つを指定する必要があります。

表 45-3 ufsrestore コマンドに必要なオプション

オプション 

説明 

i

対話式。ufsrestore を対話モードで実行する。このモードでは、限られたシェルコマンドセットを実行して媒体の内容を表示し、復元するファイルやディレクトリを個別に選択できる。利用できるコマンドのリストについては、「対話式の復元コマンド」を参照。

r

再帰。媒体の内容全体を現在の作業ディレクトリ (ファイルシステムの最上位レベル) に復元する。完全ダンプ (例えば restoresymtable) の最上部に増分ダンプを復元するための情報も含まれる。ファイルシステムを完全に復元するには、このオプションを使用して完全 (レベル 0) ダンプを復元してから、各増分ダンプを復元する。これは新しいファイルシステム (newfs コマンドで作成したばかりのファイルシステム) 用だが、バックアップ媒体にないファイルが保存される。

R

復元の再開。復元を再開するボリュームをたずねるプロンプトを表示し、チェックポイントから再開する。完全復元 (r オプション) が中断された後は、このオプションを指定して ufsrestore コマンドを実行し直す。

x [filename...]

 

抽出。filename 引数で指定したファイルを選択的に復元する。filename では、ファイルとディレクトリのリストを指定できる。h オプションも指定しなければ、指定したディレクトリの下のファイルがすべて復元される。filename を省略するか、ルートディレクトリを表す「.」を入力すると、媒体のすべてのボリューム上 (または標準入力から) のすべてのファイルが復元される。既存のファイルは上書きされ、警告が表示される。

t [filename...]

内容一覧。filename 引数で指定したファイルが媒体と対照してチェックされる。ファイルごとに、完全ファイル名と i ノード番号 (ファイルが見つかった場合) が表示されるか、ファイルが「ボリューム」上にないことを示す (複数のボリュームダンプのボリュームを意味する)。filename 引数を入力しなければ、媒体のすべてのボリューム上のファイルが表示される (どのボリュームにファイルが入っているかは区別されない)。h オプションも指定すると、内容ではなく filename で指定したディレクトリファイルのみがチェックされ表示される。内容一覧は、媒体の最初のボリュームから読み込まれるか、a オプションを使用すると指定したアーカイブファイルから読み込まれる。このオプションは xr オプションといっしょに使用できない。

次の表に、ufsrestore コマンドの追加オプションを示します。

表 45-4 ufsrestore コマンドの追加オプション

オプション 

説明 

a archive-file [filename...]

ダンプの内容一覧は、媒体 (最初のボリューム) ではなく、指定した archive-file からダンプの内容一覧が取り出される。このオプションを ti、または x オプションと組み合わせて使用すると、媒体をマウントしなくてもダンプ内のファイルをチェックできる。x コマンドと対話型抽出オプションといっしょに使用すると、ファイルを抽出する前に適切なボリュームのマウントを促すプロンプトが表示される。

b factor

ブロック係数。1 処理ごとにテープに書き込む 512 バイトのブロック数。デフォルトでは、ufsrestore はテープの書き込みに使用したブロック数を表示しようとする。

d

デバッグ。デバッグメッセージ機能をオンにする。 

f backup-file

バックアップファイル。ファイルは、デフォルトのデバイスファイル /dev/rmt/0m ではなく backup-file で指定したソースから読み込まれる。f オプションを使用する場合は、backup-file の値を指定しなければならない。backup-filesystem:device 形式であれば、ufsrestore はリモートデバイスから読み込む。backup-file 引数を使用すると、ローカルディスクやリモートディスク上のファイルも指定できる。backup-file が "-" であれば、ファイルは標準入力から読み込まれる。

h

ディレクトリの展開をオフにする。指定したディレクトリファイルのみが抽出または表示される。 

m

指定したファイルが、バックアップ階層内の位置に関係なくディスク上の現在のディレクトリに復元され、i ノード番号を使用して名前が変更される。たとえば、現在の作業ディレクトリが /files であれば、i ノード番号が 42 のバックアップ ./dready/fcs/test 内のファイルは、/files/42 として復元される。このオプションが便利なのは、少数のファイルを抽出するときだけである。

s n

最初のボリューム媒体上の n 番目のバックアップファイルまでスキップする。このオプションは、1 本のテープに複数のバックアップを入れるときに便利である。

v

詳細表示。各ファイルが復元されるたびに、その名前と i ノード番号が表示される。 

y

媒体の読み込みエラーが発生しても処理を続行する。処理を停止して続行するかどうかを選択するプロンプトを表示せずに、不良ブロックをスキップしようとする。