この節では、Solaris 8 リリースの新しい印刷機能について説明します。
Solaris プリンタマネージャは Java ベースのグラフィカルユーザーインタフェースで、ローカルおよびリモートのプリンタ構成を管理できます。このツールを使用できるネームサービス環境は、NIS、NIS+、フェデレーテッド・ネーミング・サービス (xfn) を使用する NIS+、および files (/etc ファイルを使用する環境) です。このツールを使用するには、スーパーユーザーとしてログインする必要があります。
プリンタ構成情報の管理には、Admintool: プリンタ (Printer) よりも Solaris プリンタマネージャの使用をお勧めします。Solaris プリンタマネージャをネームサービスとともに使用すれば、プリンタ情報を一元的に管理できるためです。ネームサービスを使用してプリンタ構成情報を格納するとよいのは、ネットワーク上のすべてのシステムからプリンタ情報にアクセスできるようになり、印刷管理が容易になるためです。
このリリースでは、下層にある xfn アプリケーション層を持たない NIS+ ネームサービス環境で、プリンタ構成情報を Solaris プリンタマネージャによって管理できます。そのため、プリンタ構成情報により速くアクセスできます。NIS+ (xfn) プリンタ情報を NIS+ プリンタ情報に変換する方法については、「NIS+ (+xfn) のプリンタ構成情報を NIS+ 形式に変換する方法」を参照してください。
Solaris プリンタマネージャは、プリンタサーバー、印刷クライアント、ネームサービスデータベースにあるプリンタ情報を認識します。印刷クライアントで Solaris 2.6 リリースまたは互換性のあるバージョンが動作している限り、新しい Solaris プリンタマネージャを使用するために変換作業は必要ありません。
Solaris プリンタマネージャのパッケージは SUNWppm です。
この Solaris リリースは、ネームサービススイッチファイル /etc/nsswitch.conf に指定された printers データベースをサポートします。printers データベースは、ネットワーク上の印刷クライアントにプリンタ構成情報を一元的に提供します。
ネームサービススイッチファイルに printers データベースとそれに対応する情報源を指定すると、印刷クライアントからプリンタ構成情報に自動的にアクセスできるようになるため、この情報を自分のシステムに追加する必要はありません。
次の表に、/etc/nsswitch.conf ファイルに指定するデフォルトの printers エントリを files、NIS、NIS+ の環境ごとに示します。nisplus キーワードは printers.org_dir テーブルを表します。xfn キーワードは FNS プリンタコンテキストを表します。
ネームサービス |
デフォルトの printers エントリ |
---|---|
files |
printers: user files |
nis |
printers: user files nis |
nis+ |
printers: user nisplus files xfn |
たとえば、ネームサービスが NIS の場合、印刷クライアントのプリンタ構成情報は次のソースから次に記載する順に検索されます。
user - ユーザーの $HOME/.printers ファイルを表します。
files - /etc/printers.conf ファイルを表します。
nis - printers.conf.byname テーブルを表します。
詳細は、nsswitch.conf(4) のマニュアルページと『Solaris ネーミングの管理』を参照してください。
この Solaris リリースでバナーページ印刷をシステム全体で有効または無効にするには、lpadmin コマンドを使用します。
このコマンドでは、バナーページを常に印刷するか、いっさい印刷しないか、lpadmin の新しいオプションを使用してバナーページ印刷をオプションにするかを指定します (always、never、optional)。バナーページ印刷をオプションにすると、デフォルトでバナーが印刷されますが、lp -o nobanner コマンドを指定してバナーページ印刷を無効にすることができます。
詳細は、「バナーページをオプションにする方法」と lpadmin(1M) のマニュアルページを参照してください。