Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

Solaris オペレーティング環境での印刷

Solaris 印刷ソフトウェアは、ネットワーク上のプリンタへのクライアントアクセスを設定および管理するための環境を提供します。

Solaris 印刷ソフトウェアは、次のコンポーネントから構成されます。

印刷の設定には Solaris プリンタマネージャを使用しますが、Solaris 環境で印刷を完全に制御するためには、LP コマンドの一部を使用する必要があります。詳細は、第 5 章「プリンタの管理手順」を参照してください。

Solaris 印刷ソフトウェアには次の制約があります。

プリンタの管理方法の選択

プリンタ情報をネームサービスに追加すると、ネットワークのすべてのシステムからプリンタにアクセスできるようになります。さらに、プリンタに関するすべての情報が一元化されるため、プリンタ管理が一般に簡単になります。

ネームサービス 

プリンタ情報を一元化する方法 

ネームサービスを使用する 

プリンタを NIS、NIS+、NIS+ (xfn) データベースのどれかに追加すると、プリンタはネットワーク上のすべてのシステムからアクセスできるようになる 

ネームサービスを使用しない 

プリンタを追加しても、プリンタ情報はプリンタサーバーの構成ファイルにしか追加されない。したがって、印刷クライアントがそのプリンタを自動的に認識することはできない。 

プリンタを必要とする印刷クライアントにはプリンタ情報を追加する必要がある 

表 2-1 に、印刷関連の主な作業と、印刷作業に利用できるツールを示します。

表 2-1 Solaris 印刷コンポーネントの機能

コンポーネント 

対応するリリース 

グラフィカルユーザーインタフェース 

ネットワークプリンタの設定 

印刷クライアントとプリンタサーバーの管理 

NIS、NIS+、NIS+ (xfn) の使用 

Solaris プリンタマネージャ 

Solaris 8 および Solaris Easy Access Severs 3.0 

あり 

できる 

できる 

する 

Admintool 

Solaris 8 および互換バージョン 

あり 

できない 

できる 

しない 

LP コマンド 

Solaris 8 および互換バージョン 

なし 

できる 

できる 

する 

表 2-1 を使用して、各ネットワーク環境に最適な印刷ツールを決めてから、プリンタの設定情報について第 4 章「プリンタの設定手順」を参照してください。

印刷構成作業のほとんどは Solaris プリンタマネージャで完了設定できます。ただし、インタフェーススクリプトの作成や独自フィルタの追加など、特別な必要がある場合は、LP 印刷サービスコマンドを使用します。LP コマンドは、Solaris プリンタマネージャや Admintool の直接の元となるコマンドです。LP コマンドで印刷管理作業をする方法については、第 5 章「プリンタの管理手順」で説明しています。