Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

端末とモデムを管理するツール

表 12-2 に、端末とモデムの管理に使用する推奨ツールを示します。表 12-3 には、サービスアクセス機能 (SAF) と Admintool : シリアルポート (Serial Ports) の機能の比較を示します。

表 12-2 端末とモデムの管理に使用する推奨ツール

必要な作業 

推奨ツール 

参照箇所 

管理作業全般 

サービスアクセス機能 (SAF) のコマンド 

「サービスアクセス機能 (SAF)」

クイック設定 

Admintool のグラフィカルユーザーインタフェース (ローカルシステムのみ) 

第 13 章「端末とモデムの設定」

表 12-3 Admintool とサービスアクセス機能の機能比較

手順 

推奨ツール 

説明 

ポートが使用不可であることをユーザーに通知する 

サービスアクセス機能 ttyadm -i

ttyadmin -i はポートが動作していない (使用不可にされている) ことを示す応答メッセージを引数で指定する。ポートが使用不可のときにユーザーがログインしようとすると、端末やモデムにこのメッセージが送られる。この機能は、Admintool を使用してポートを使用不可にした場合は提供されない

ホストからログアウトするときにモデムの接続を継続する 

サービスアクセス機能 ttyadm -h

ttyadm -h は、デフォルトや特定の指定値に設定したりリセットしたりする前に、システムがモデムをハングアップしないよう指定するttyadm -h を使用しなければ、ホストからログアウトするとき、ホストがモデムをハングアップさせる

ユーザーが文字を入力した後にシステムにプロンプトを表示させる 

サービスアクセス機能 ttyadm -r

ttyadm -r は、ユーザーが 1 文字入力するか、Return キーを指定回数押すと、ログインプロンプトが表示されるように指定する。-r を指定しなくても、Return キーを 1 回以上押すと、結局プロンプトは表示される。-r オプションを使用することにより、Solaris ホストが誤解してログインを試みることがないように、端末サーバーに歓迎メッセージを発行させないようにできる。-r オプションを使用しなければ、ホストと端末サーバーがループに入ってしまい、互いにプロンプトを発行し合う恐れがある

Admintool

Admintool : シリアルポート (Serial Ports) は、pmadm コマンドを呼び出すことにより、シリアルポートソフトウェアを設定して端末やモデムを管理します。また、次の機能も提供します。

サービスアクセス機能 (SAF)

SAF は、端末、モデム、その他のネットワーク装置の管理用のツールです。SAF では特に次の設定を行います。

SAF は、tty 装置やローカルエリアネットワーク (LAN) を通して行われるシステム資源やネットワーク資源へのアクセスを制御するオープンシステムソリューションです。SAF はプログラムではなく、バックグランドプロセスと管理用コマンドの階層構造になっています。