pmadm コマンドでポートモニターのサービスを管理できます。pmadm コマンドは特にサービスを追加または削除したり、サービスを有効または無効にしたりする場合に使用します。このコマンドでは、さらに、各サービスの構成スクリプトをインストールしたり置き換えたり、サービスに関する情報を出力したりすることもできます。
サービスの各インスタンスは、ポートモニター別、ポート別に一意に識別できなければなりません。pmadm コマンドを使用してサービスを管理する場合、pmtag 引数で特定のポートモニターを、また svctag 引数で特定のポートをそれぞれ指定します。
ポートモニターのタイプごとに、SAF はポートモニター固有の構成データのフォーマットを定義するための特別なコマンドを必要とします。この構成データは pmadm コマンドで使用します。ttymon および listen ポートモニター用の特別なコマンドは、それぞれ ttyadm と nlsadmin です。
直結モデムまたは英数字端末を通してログインしようとするたびに、ttymon は次のように動作を開始します。
図 14-1 に示すように、init プログラムがブート時に最初に起動されるプロセスです。init は、その管理ファイル (/etc/inittab) を参照して、必要に応じて他のプロセスを起動します。それらのプロセスの 1 つに SAC があります。
SAC が起動されると、今度は SAC がその管理ファイル (/etc/saf/_sactab) に指定されているポートモニターを自動的に起動します。図 14-1 には ttymon モニターが 1 つしか示されていません。
ttymon は起動されると、シリアルポート回線を監視してサービス要求がないかどうかを調べます。
ユーザーが英数字端末やモデムを通してログインしようとすると、シリアルポートドライバはその操作をオペレーティングシステムに伝えます。ttymon ポートモニターはシリアルポートの操作を監視し、通信リンクを確立しようとします。つまり、装置との通信に必要なデータ転送速度、回線制御手順、ハンドシェークプロトコルを決定します。
モデムや端末との通信用の正しいパラメータの設定が終わると、ttymon はそれらのパラメータをログインプログラムに渡し、制御を移します。
SAC が ttymon のインスタンスを起動すると、ttymon はそのポートの監視を開始します。ttymon は、各ポートについて指定されている場合、まず回線制御手順を初期化し、次に回線速度と端末の設定を初期化します。初期化に使用される値は、/etc/ttydefs の該当するエントリから得られます。
ttymon ポートモニターは、次に、プロンプトを表示してユーザーからの入力を待ちます。ユーザーが Break キーを押して回線速度が不適当であるという指示を与えると、ttymon は次の速度を設定して、再びプロンプトを表示します。
ポートに対して「自動ボーレート」が有効に設定されている場合は、ttymon はそのポートのボーレートを自動的に決定しようとします。ここで Return キーを押してください。そうすると、ttymon はボーレートを認識し、プロンプトを表示できます。
有効な入力を受け取ると、ttymon はポートのサービスごとの構成ファイルを解釈し、必要な場合は /etc/utmp エントリを作成し、サービス環境を設定し、ポートに対応するサービスを起動します。
サービスが終了すると、ttymon は /etc/utmpx エントリがあれば削除し、ポートを初期状態に戻します。
ポートが発着信両用サービス用に構成してある場合は、ttymon は次の処理を行います。
ユーザーをサービスに接続可能にする。
uucico、cu、または ct が、(空いていれば) ポートを発信専用モードで使用できるようにする。
文字を読み取ってからプロンプトを表示する。
接続要求があると (connect-on-carrier フラグが設定してある場合)、プロンプトメッセージを送らないでポートの対応サービスを起動する。