Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

アカウンティングファイル

/var/adm ディレクトリ構造は、使用中のデータ収集ファイルを含みます。

表 32-8 に、/var/adm ディレクトリにあるアカウンティング関連のファイルを示します。

表 32-8 /var/adm ディレクトリ内のファイル

ファイル 

説明 

dtmp

acctdusg プログラムからの出力

fee

chargefee プログラムからの出力。ASCII tacct レコード

pacct

有効なプロセスアカウンティングファイル 

pacctn

turnacct を使用して切り替えられたプロセスアカウンティングファイル

Spacctn.MMDD

runacct の実行中に生成された MMDD 日付のプロセスアカウンティングファイル

/var/adm/acct ディレクトリには、nitesumfiscal の各ディレクトリが設けられ、それぞれに実際のデータ収集ファイルが格納されます。たとえば、nite ディレクトリは runacct プロシージャが毎日繰り返して使用するファイルを格納しています。表 32-9 で、/var/adm/acct/nite ディレクトリ内の各ファイルを簡単に説明します。

表 32-9 /var/adm/acct/nite ディレクトリ内のファイル

ファイル 

説明 

active

runacct が進捗状況の記録用、警告メッセージ、エラーメッセージの出力用として使用する

activeMMDD

runacct がエラーを検出した後の active と同じ

cms

prdaily が使用する ASCII の合計コマンド要約

ctacct.MMDD

tacct.h 形式の接続アカウンティングレコード

ctmp

acctcon1 プログラムの出力。ctmp.h 形式の接続セッションレコード (acctcon1acctcon2 は互換性を保証するために用意)

daycms

prdaily が使用する ASCII 日次コマンド要約

daytacct

tacct.h 形式の 1 日分の合計アカウンティングレコード

disktacct

tacct.h 形式のディスクアカウンティングレコード。dodisk プロシージャが作成する

fd2log

runacct の実行中の診断出力

lastdate

runacct が最後に実行された日 (date +%m%d 書式)

lock

runacct の逐次使用の制御用に使用

lineuse

prdaily が使用する tty 回線利用状況レポート

log

acctcon からの診断出力

log.MMDD

runacct がエラーを検出後の log と同じ

owtmp

前日の wtmpx ファイル

reboots

wtmpx からの開始および終了日付とリブートのリスト

statefile

runacct の実行中の現在状態の記録用に使用

tmpwtmp

wtmpfix が修復した結果の wtmpx ファイル

wtmperror

wtmpfix エラーメッセージの格納用の場所

wtmperror.MMDD

runacct がエラーを検出した後の wtmperror と同じ

wtmp.MMDD

wtmpx ファイルの runacct 用コピー

sum ディレクトリは、runacct が更新し、monacct が使用する累積要約ファイルを格納します。表 32-10 に、/var/adm/acct/sum ディレクトリ内のファイルを簡単に説明します。

表 32-10 /var/adm/acct/sum ディレクトリ内のファイル

ファイル 

説明 

cms

内部要約書式による、会計期の合計コマンド要約ファイル 

cmsprev

最新の更新がなされていないコマンド要約ファイル 

daycms

内部要約書式による、当日の利用状況を表すコマンド要約ファイル 

loginlog

各ユーザーが最後にログインした日付のレコード。lastlogin によって作成され、prdaily プログラム内で使用される

rprt.MMDD

prdaily プログラムの保存出力

tacct

会計期の累積合計アカウンティングファイル 

tacctprev

最新の更新がない点を除いて tacct と同じ

tacct.MMDD

MMDD 日付分の合計アカウンティングファイル

fiscal ディレクトリは monacct が作成する定期的要約ファイルを格納します。表 32-11 で、/var/adm/acct/fiscal ディレクトリ内の各ファイルを説明します。

表 32-11 /var/adm/acct/fiscal ディレクトリ内のファイル

ファイル 

説明 

cmsn

内部要約書式の、会計期 n の合計コマンド要約ファイル

fiscrptn

会計期 nrprtn と同じレポート

tacctn

会計期 n の合計アカウンティングファイル

runacct が生成するファイル

次に示す runacct により生成されるファイル (/var/adm/acct にあります) には特に注意する必要があります。

表 32-12 runacct が生成するファイル

ファイル 

説明 

nite/lineuse

runacctacctcon を呼び出して、/var/adm/acct/nite/tmpwtmp から端末回線の利用状況に関するデータを収集し、それらのデータを /var/adm/acct/nite/lineuse に書き込む。prdaily はこれらのデータを使用して回線利用状況を報告する。このレポートは特に不良回線の検出に有効となる。ログアウト回数とログイン回数との比率が 3:1 を超える場合は、回線に障害がある確率が大きい

nite/daytacct

tacct.h 形式の当日の合計課金ファイル

sum/tacct

このファイルは、毎日の nite/daytacct の累積であり、課金の目的に使用できる。このファイルは、毎月または毎会計期ごとに monacct プロシージャによって新たに累積が開始される

sum/daycms

runacctacctcms を呼び出して、当日に使用されたコマンドに関するデータを処理する。これらの情報は /var/adm/acct/sum/daycms に格納される。このファイルの内容は毎日のコマンド要約。このファイルの ASCII バージョンは /var/adm/acct/nite/daycms

sum/cms

毎日のコマンド要約の累積。monacct が実行されることによって新たに累積が開始される。ASCII バージョンは nite/cms

sum/loginlog

runacctlastlogin を呼び出して、/var/adm/acct/sum/loginlog のログインのうち最後にログインした日付を更新する。lastlogin は、さらにこのファイルから有効でなくなったログインを削除する

sum/rprt.MMDD

runacct が実行されるたびに、prdaily によって印刷された日次レポートのコピーが保存される