Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

stty 設定値のチェック

デフォルトの stty (標準端末) 設定値がプリンタから要求される設定値と一致しないと、多数のフォーマット上の問題が生じる可能性があります。この後の節では、設定値の一部が間違っているときに発生する問題について説明します。

ボーレート設定値が正しくない場合

コンピュータのボーレート設定値がプリンタのボーレート設定値と一致しないときは、通常何か出力されますが、希望する出力は得られません。特殊文字や不要なスペースが異常に混じったランダムな出力が表示されます。LP 印刷サービスのデフォルトは 9600 ボーレートです。


注 -

プリンタがパラレルポートで接続されている場合、ボーレート設定値は関係ありません。


パリティ設定値が正しくない場合

プリンタによっては、パリティビットを使用して、印刷用に受け取ったデータに伝送中に誤りがなかったことを確認するものがあります。コンピュータとプリンタのパリティビットの設定値は一致しなければなりません。一致しない場合、文字によってはまったく印刷されないか、他の文字で置き換えられることもあります。その出力は文字間隔が正しく、ほとんどの文字が正しい位置にあるので、一見正しいように見えます。LP 印刷サービスの場合、デフォルトではパリティビットは設定されません。

タブ設定値が正しくない場合

ファイルにタブが含まれていても、プリンタがタブを予期していなければ、印刷出力にはファイルの内容が完全に印刷されますが、テキストは右マージンに対して正確に配置されないことがあります。また、プリンタのタブ設定が間違っていると、テキストに左マージンがない、テキストがつながってしまう、テキストがページの一部分に集中する、間違ってダブルスペースになってしまうなどの問題が発生します。デフォルトでは、タブは 8 スペースごとに設定されます。

Return 設定値が正しくない場合

出力がシングルスペースのはずなのにダブルスペースになる場合は、プリンタのタブ設定値が間違っているか、プリンタが Return の後に 1 行追加されています。LP 印刷サービスは、改行の前に 1 つ Return を追加するので、その組み合わせによって 2 行の改行が発生します。

ジグザグに印刷される場合は、改行の前に Return を送る stty オプションの onlcr が設定されていません。stty=onlcr オプションはデフォルトで設定されますが、他の印刷問題を解決しようとしたときに、それを消去した可能性があります。