Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

マルチホームホストの作成

デフォルトでは、TCP/IP は、複数のネットワークインタフェースを持つマシンをすべてルーターとみなします。しかし、ルーターをマルチホームホストに変更することもできます。マルチホームホストとは、複数のネットワークインタフェースを持っているけれども、ルーティングプロトコルの実行も IP パケットの転送もしないマシンのことです。一般に、次のような種類のマシンはマルチホームホストとして構成します。

TCP/IP は、複数のネットワークインタフェースを持つマシンのすべてをルーターとみなすので、それをマルチホームホストに変えるには、いくつかの操作が必要になります。

マルチホームホストの作成方法

  1. マルチホームホストにしたいマシン上でスーパーユーザーになります。

  2. マシンにインストールされている追加の各ネットワークについて、/etc/hostname.interface ファイルを 1 つずつ作成します。

  3. 次のように入力します。


    % touch /etc/notrouter
    

    これで、/etc/notrouter という名前の、空のファイルが作成されます。

  4. マシンをリブートします。

マシンをリブートすると、起動スクリプトは /etc/notrouter ファイルの有無を確認します。このファイルが存在する場合は、起動スクリプトは、in.routed -sin.rdisc -r も実行せず、また、ifconfig により "up" として構成されているインタフェースでは、いっさい IP の転送を行いません。これは、/etc/gateway ファイルが存在しているかどうかに関係なく行われます。これで、マシンはマルチホームホストになります。