Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

ルーティング情報の表示

traceroute ユーティリティは、IP パケットが特定のインターネットホストに至るまでのルートを追跡する際に使用します。traceroute ユーティリティは、IP プロトコルの ttl (time to live) フィールドを利用して、経路に沿った各ゲートウェイからの ICMP TIME_EXCEEDED 応答と、宛先ホストからの応答 PORT_UNREACHABLE (または、ECHO_REPLY) の受信を試みます。traceroute ユーティリティは、ttl を 1 にして探査の送信を開始し、探査が目的のホストに到達するか、最大数の中間ホストを通過するまで ttl を 1 ずつ増加します。

traceroute ユーティリティは、ルーティングの誤設定やルーティング経路の障害を判定する場合に特に役立ちます。特定のホストが到達不可能な場合には、traceroute ユーティリティ を使用して、パケットがどの経路をたどって目的のホストに到達し、どこで障害が起きる可能性があるかを調べることができます。

また、traceroute ユーティリティは、経路に沿った各ゲートウェイの宛先ホストとの間の往復時間も表示します。この情報は、2 つのホスト間のどこでトラフィックが遅くなっているかを分析する際に利用することができます。

traceroute ユーティリティの実行方法

    コマンド行で次のコマンドを入力します。


    % traceroute destination-hostname
    

traceroute ユーティリティの詳細については、traceroute(1M) のマニュアルページを参照してください。

例: traceroute ユーティリティ

以下の traceroute コマンドの例では、パケットがホスト istanbul から ホスト sanfrancisco までにたどる 7 つの経路と、パケットが各経路を通過する時間が表示されています。


istanbul% traceroute sanfrancisco
	traceroute: Warning: Multiple interfaces found; using 172.31.86.247 @ le0
	traceroute to sanfrancisco (172.29.64.39), 30 hops max, 40 byte packets
	 1  frbldg7c-86 (172.31.86.1)  1.516 ms  1.283 ms  1.362 ms
	 2  bldg1a-001 (172.31.1.211)  2.277 ms  1.773 ms  2.186 ms
	 3  bldg4-bldg1 (172.30.4.42)  1.978 ms  1.986 ms  13.996 ms
	 4  bldg6-bldg4 (172.30.4.49)  2.655 ms  3.042 ms  2.344 ms
	 5  ferbldg11a-001 (172.29.1.236)  2.636 ms  3.432 ms  3.830 ms
	 6  frbldg12b-153 (172.29.153.72)  3.452 ms  3.146 ms  2.962 ms
	 7  sanfrancisco (172.29.64.39)  3.430 ms  3.312 ms  3.451 ms