Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

autofs リファレンス

これ以降の節では、autofs の高度な機能を取り上げます。

メタキャラクタ

autofs は一部の文字を、特別な意味を持つものとして認識します。これらの文字には、置換に使用される文字や、他の文字を autofs のマップ構文解析機能から保護する目的のものがあります。

アンパサンド (&)

たとえば次のように、多数のサブディレクトリを指定したマップがあるとします。


john        willow:/home/john
mary        willow:/home/mary
joe         willow:/home/joe
able        pine:/export/able
baker       peach:/export/baker

この場合、文字列の置換が使えます。アンパサンド文字 (&) を使用して、任意の位置に記述されたこのキーを置換することができます。アンパサンドを使用した場合、上記のマップは次のようになります。


john        willow:/home/&
mary        willow:/home/&
joe         willow:/home/&
able        pine:/export/&
baker       peach:/export/&

キー置換はまた、次のような直接マップでも使用できます。


/usr/man						willow,cedar,poplar:/usr/man

これは次のようにも記述できます。


/usr/man						willow,cedar,poplar:&

なお、アンパサンドによる置換ではキー文字列全体を使用するため、直接マップでキーが / で始まる場合、そのスラッシュは引き継がれます。したがって、次のような指定はできません。


/progs				&1,&2,&3:/export/src/progs 

これは、autofs が次のように解釈するためです。


/progs 				/progs1,/progs2,/progs3:/export/src/progs
アスタリスク (*)

任意のキーを一致させるのに、任意の文字を表す置換文字であるアスタリスク (*) を使用できます。このマップエントリを使用して、すべてのホストから /export ファイルシステムをマウントできます。


*						&:/export

ここでは、各アンパサンドは特定のキーの値によって置換されています。autofs はこのアスタリスクをファイルの終わりとして解釈します。

特殊文字

特殊文字が含まれているマップエントリがある場合、autofs のマップ構文解析機能を混乱させるような名前のディレクトリについてはマウントする必要があります。autofs の構文解析機能は、名前に含まれるコロン、コンマ、スペースなどを認識します。これらの名前は二重引用符で囲んでください。


/vms    -ro    vmsserver: -  -  - "rc0:dk1 - "
/mac    -ro    gator:/ - "Mr Disk - "