Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

初期 /etc/inet/hosts ファイル

Solaris インストールプログラムを実行すると、プログラムは初期 /etc/inet/hosts ファイルを作成します。このファイルには、ローカルホストにとって必要最小限のエントリ (ループバックアドレス、IPv4 アドレス、ホスト名) が入っています。

たとえば、図 6-1 に示したマシン tenere については、Solaris インストールプログラムは次のような /etc/inet/hosts ファイルを作成します。


例 7-1 マシン ahaggar 用の /etc/inet/hosts ファイル


127.0.0.1     localhost         loghost    #loopback address
192.9.200.3   tenere                      #host name

ループバックアドレス

例 7-1 では、IPv4 アドレス 127.0.0.1 はループバックアドレスです。ループバックアドレスはローカルマシンが使用する予約済みネットワークインタフェースで、これによりプロセス間通信が可能になり、ローカルマシンは自分自身にパケットを送ることができます。ifconfig コマンド」で説明するように、ループバックアドレスは、構成とテストのために ifconfig コマンドにより使用されます。TCP/IP ネットワーク上のすべてのマシンは、IP アドレス 127.0.0.1 をローカルホスト用に使用する必要があります。

ホスト名

IPv4 アドレス 192.9.200.1 と名前 tenere は、ローカルマシンのアドレスとホスト名です。これらは、マシンの一次ネットワークインタフェースに割り当てられます。

複数のネットワークインタフェース

マシンには複数のネットワークインタフェースを持つものがあり、これらはルーターまたはマルチホームホストとなります。マシンに接続される増設ネットワークインタフェースごとに、専用の IPv4 アドレスとそれに割り当てる名前が必要です。ルーターまたはマルチホームホストを構成するときは、この情報を手作業でルーターの /etc/inet/hosts ファイルに追加する必要があります。(ルーターとマルチホームホストの設定についての詳細は、「ルーターの構成」を参照してください)。

例 7-2 は、図 6-1 に示したマシン timbuktu 用の /etc/inet/hosts ファイルです。


例 7-2 マシン timbuktu 用の /etc/inet/hosts ファイル


127.0.0.1      localhost     loghost
192.9.200.70   timbuktu      #This is the local host name
192.9.201.10   timbuktu-201  #Interface to network 192.9.201

timbuktu は、この 2 つのインタフェースを使用してネットワーク 192.9.200 と 192.9.201 をルーターとして接続します。