Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

インターネット層

この層はネットワーク層とも呼ばれるもので、ネットワークに対してパケットを受け入れたり、配送したりします。この層には、強力なインターネットプロトコル (IP)、アドレス解決プロトコル (ARP)、インターネットコントロールメッセージプロトコル (ICMP) が組み込まれています。

IP プロトコル

IP プロトコルとそれに関連したルーティングプロトコルは、TCP/IP 群全体の中でたいへん重要なものです。IP は次の機能を受け持ちます。

前のリリースの Solaris オペレーティング環境では、インターネットプロトコルバージョン 4 (IPv4 と記述される) が実装されていました。しかし、インターネットの急速な成長によって、アドレス空間の拡張など、機能強化された新しいインターネットプロトコルを開発する必要が生じました。バージョン 6 として知られるこの新バージョンは IPv6 と記述されます。Solaris オペレーティング環境では、両方のバージョンを使用することができます。インターネットプロトコルについて言及するときに混乱を避けるため、以下の規則を適用します。

ARP プロトコル

アドレス解決プロトコル (ARP) は、データリンク層とインターネット層の間に概念的に存在するものです。ARP は、Ethernet アドレス (48 ビット長) を既知の IP アドレス (32 ビット長) にマッピングし、IP はこの情報に基づいてデータグラムを正しい受信側ホストに向けることができます。

ICMP プロトコル

インターネット制御メッセージプロトコル (ICMP) は、ネットワークエラー条件の検出とその報告を担当するプロトコルです。ICMP は以下の事項について報告します。

ping コマンド」の節には、エラー検出に ICMP を使用するオペレーティングシステムコマンドについての詳細な説明があります。