Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

受信側ホストでのパケットの取り扱い

受信側ホストに到着したパケットは、送信側ホストのときと逆の順序で TCP/IP プロトコルスタックを通過します。 図 4-1 にこの経路を示してあります。受信側ホストの各プロトコルは、送信側ホストの対等プロトコルがパケットに付加したヘッダー情報を取り除きます。この処理の順序を以下に示します。

  1. 物理ネットワーク層はフレーム形式のパケットを受け取ります。パケットの CRC を計算し、データリンク層にフレームを送ります。

  2. データリンク層はフレームの CRC が正しいかどうかを検査し、フレームヘッダーと CRC と取り除きます。最後に、データリンクプロトコルは、インターネット層にフレームを送ります。

  3. インターネット層はヘッダーの情報を読み、転送の種別を識別して、それがフラグメントであるかどうかを判別します。その転送がフラグメントである場合は、IP は、フラグメントを組み立て直して、オリジナルのデータグラムに戻します。そして、IP ヘッダーを取り除いてから、データグラムをトランスポート層プロトコルに渡します。

  4. トランスポート層 (TCP と UDP) はヘッダーを読んで、どのアプリケーション層プロトコルにデータを渡すかを判断します。次に、TCP または UDP は、自分に関連するヘッダーを取り除き、メッセージまたはストリームを受信アプリケーションに送ります。

  5. アプリケーション層はメッセージを受け取り、送信側ホストから要求された操作を行います。