Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

OSI 参照モデル

ほとんどのネットワークプロトコル群が層の形に構造化されているとみなされるのは、国際標準化機構 (ISO) が設計した開放型相互接続 (OSI) 参照モデルの結果です。OSI モデルは、ネットワーク活動が 7 つの層から成る構造を持ち、それぞれの層に 1 つまたは複数のプロトコルが関連付けされるものと規定しています。層は、連携するネットワーク相互間でのすべての種類のデータ転送に共通するデータ転送操作を表します。

OSI 参照モデルのプロトコル層は、通常は表 4-1 に示すように、上 (層 7) から下 (層 1) へ並べて表します。

表 4-1 開放型相互接続参照モデル

層番号 

層の名前 

説明 

アプリケーション

誰でも使用できる標準の通信サービスとアプリケーション 

プレゼンテーション

情報が解読可能な形で受信側マシンに渡されるようにする 

セッション

連携コンピュータ間の接続と終了を管理する 

トランスポート

データの転送を管理し、受信されたデータと送信されたデータが同じになるようにする 

ネットワーク

ネットワーク間でのデータのアドレス指定と配送を管理する 

データリンク

ネットワークメディアを通過するデータの転送を取り扱う 

物理

ネットワークハードウェアの特性を定義する 

OSI モデルにより定義されている動作は概念的なものであり、特定のネットワークプロトコル群に特有のものではありません。たとえば、OSI ネットワークプロトコル群は、OSI 参照モデルの 7 つの層をすべて実装しています。TCP/IP は、OSI モデルの層のいくつかを使用し、その他を合併しています。その他のネットワークプロトコル、たとえば SNA では、8 番目の層が追加されています。