Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

ローカルエリアネットワークの境界を越える - 広域ネットワーク

ネットワークをある程度の期間運用していくうちに、他の企業、専門研究機関、所属の LAN 上にない他の組織からの情報にアクセスする必要が出てくる場合があります。このような情報にアクセスするには、広域ネットワーク (WAN) を介して通信することが必要になります。WAN は地理的に広い範囲を対象とするもので、デジタル専用線または電話回線、X.25、ISDN サービスなどのネットワークメディアを使用します。

WAN の代表的な例としてインターネットがあります。インターネットは、TCP/IP が開発された最初の目的となっていた各 WAN の後に続いて開発された、世界規模の公共ネットワークです。WAN のその他の例としては企業ネットワークがあります。これは、ある 1 つの企業内の各事業所同士を、1 つの国の全域、や 1 つの大陸の全域にわたるようなネットワークによって結ぶものです。つまり、1 つの組織が独自の WAN を構築することが可能です。

ネットワーク管理者としては、ローカルネットワークのユーザーが WAN にアクセスできるようにする必要があります。TCP/IP と UNIX のコミュニティでは、最もよく使用されている公共ネットワークはインターネットです。インターネットに直接接続する方法については、本書では説明しません。これについては、役立つ書籍がコンピュータ関係の書店にたくさんそろっています。

セキュリティ

LAN を WAN に接続することには、セキュリティに関するある程度のリスクが伴います。自分のネットワークを無許可のアクセスから保護したり、データと資源へのアクセスを制御したりすることが必要になります。セキュリティの概要については、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』に説明されています。詳細な説明は、William R. Cheswick および Steven M. Bellovin 共著の『Firewalls and Internet Security』(Addison Wesly, 1994) に記載されています。

米国の majordomo@greatcircle.com に、subscribe firewalls という文字列を入れたメールを送ることで、セキュリティについての情報を入手することもできます。ダイジェスト版の方をご希望の場合は、テキスト中に firewalls_digest という文字列を入れてください。