基本的な asppp.cf 構成ファイルには、少なくとも 2 つのメインセクションが含まれていなければなりません。それは、1 個の ifconfig 行と、少なくとも 1 つの path セクションです。これに加えて defaults セクションも含めることができます。このセクションは、エンドポイントについてデフォルト値を設定したい場合に使用します (defaults セクションで使用するキーワードの説明については、「構成キーワード」を参照してください)。
例 24-1 に示す基本構成ファイルは、ダイヤルインサーバーとの間にポイントツーポイントリンクを確立するリモートホスト用として作成されたものです。
ifconfig ipdptp0 plumb nomada nubian-ppp up path interface ipdptp0 peer_system_name nubian-ppp # The name in the /etc/uucp/Systems file inactivity_timeout 300 # Allow five minutes before timing out |
asppp.cf ファイルには、次の構文の ifconfig セクションを含める必要があります。
ifconfig interface-number plumb local-machine remote-machine up
各フィールドについて説明します。
ifconfig - リンクマネージャに、ifconfig コマンドを実行し、PPP インタフェースの構成を始めるよう指示します。
interface-number - PPP インタフェースを識別します。ポイントツーポイントリンクの場合は ipdptpn、マルチポイントリンクの場合は ipdn (n はインタフェースの番号で置き換えます)。
local-machine - ローカルエンドポイントの名前を指定します。これには、ローカルホスト名か IP アドレスを使用できます。
remote-machine - リモートエンドポイントの名前を指定します。これには、リモートホスト名か IP アドレスを使用できます。
リンクマネージャはまず、ローカルホストで ifconfig コマンドを実行して、ipdptp0 ポイントツーポイントインタフェースを構成します。ipdptp0 の中の 0 は、インタフェースのデバイス番号を示します。plumb オプションは、IP が ipdptp0 インタフェースを認識するのに必要な各種の操作を行います。nomada はローカルホストの名前です。nubian-pppは、nomada がポイントツーポイントリンクを介して接続するダイヤルインサーバーの名前です。ifconfig オプション up は、ipdptp0 インタフェースに up のマークを付けます。
ifconfig についての詳細は、「インタフェースの状態を確認する方法」と、ifconfig(1M) のマニュアルページを参照してください。
構成ファイルの path セクションは、リモートエンドポイントの名前と、エンドポイントマシン間を結ぶインタフェースの名前を、リンクマネージャに指示します。path セクションには、少なくとも下記の行が必要です。
path interface interface-number peer_system_name endpoint-name |
このキーワードは PPP インタフェースを定義します (ipdptpn か ipdn のどちらか)。例 24-1 では、path セクションに次の情報があります。
interface ipdptp0 peer_system_name nubian-ppp |
この interface キーワードは、ローカルエンドポイント nomada が、この path セクションの記述に従ってリモートエンドポイントと通信するのに使用するポイントツーポイントインタフェースが ipdptp0 であることを表します。このキーワードは、peer_system_name をインタフェースに結び付けています。
リモートホストなどのようなダイヤルアウトマシンでは、peer_system_name キーワードは、リモートエンドポイントのホスト名を引数としてとります。これは、/etc/uucp/Systems の中で指定されたリモートエンドポイントの名前です。この名前は、対応する ifconfig 行のホスト名と同じでなくてもかまいません。
ダイヤルインサーバーの場合は、peer_system_name キーワードへの引数の値は異なります。詳細は、例 24-1 を参照してください。
例 24-1 では、peer_system_name は、このリンクの反対側にあるリモートエンドポイントが、ダイヤルインサーバー nubian-ppp であることを示しています。リンクマネージャは、asppp.cf ファイルを読んだあとで、/etc/uucp/Systems ファイルの中で nubian-ppp についてのエントリを見つけます (Systems ファイルには、リモートエンドポイントとの通信を設定する方法や、そのマシンの電話番号などが含まれているということを思い出してください。「PPP の /etc/uucp/Systems の更新」を参照してください)。
inactivity_timeout キーワードは省略可能です。このキーワードは、指定した時間が経過するまでの期間は、リンクが未使用状態であっても構わないことをリンクマネージャに指示します。その期間が経過すると、リンクマネージャは自動的にリンクを切り離します。デフォルトの時間は 2 分です。未使用期間として別の時間を指定したい場合でない限り、inactivity_timeout を使用する必要はありません。
asppp.cf ファイルには、上記以外にも、エンドポイントマシンによる通信の方法を定義するためのキーワードがいくつかあります。これらのキーワードについては、「構成キーワード」に詳しい説明があります。