asppp.cf ファイルの path セクションは、リモートエンドポイントの名前と、エンドポイントマシンをリンクするインタフェースの名前を、リンクマネージャに指示します。ただし、マルチポイントダイヤルインサーバーでは、複数の path セクションを設けることができます。また、キーワードへの引数のいくつかは、マルチポイントリンクでは使い方が異なります。
path interface interface-number peer_system_name endpoint-username peer_ip_address endpoint-hostname |
path セクションは、ダイヤルインサーバーが接続を確立する相手となる各可搬エンドポイントについて、1 つずつ定義する必要があります。
マルチポイントダイヤルインサーバーの場合は、interface キーワードは PPP インタフェース ipdn を定義します。このインタフェースを介してサーバーと通信するすべてのエンドポイントについて、同じ PPP インタフェースを path セクションに指定する必要があります。
ダイヤルインマシンの場合の peer_system_name キーワードは、ダイヤルアウトマシンの場合と引数が少々異なります。ダイヤルインサーバーの場合は、この引数は、リモートホストがサーバーとの通信を確立しようとするときに使用するログイン名です。このユーザー名は、すでにサーバーの /etc/passwd ファイル内に存在しているものでなければなりません。ログインサービスは、この名前を読み取ると、/etc/passwd ファイルと /etc/shadow ファイルの中のユーザー名とを検証して、通信を可能にします。
次に示す、例 24-2 の抜粋を見てください。
path interface ipd0 peer_system_name scarlett peer_ip_address nomadc |
ここでは、peer_system_name への引数は scarlett です。これは、nomadc が nubian-ppp にログインするときに、scarlett というログイン名を使用することを示しています。
peer_ip_address キーワードは、マルチポイントリンクの場合は必須です。このキーワードは、引数としてリモートエンドポイントのホスト名または IP アドレスを受け取ります。上記の例では、peer_ip_address キーワードの引数はホスト名 nomads です。
asppp.cf ファイルには、上記以外にもエンドポイントマシンによる通信の方法を定義するためのキーワードがいくつかあります。これらのキーワードについては、「構成キーワード」に詳しい説明があります。