ローカルホストがモデムに構成情報を送り、モデムがリモートホストにダイヤルしようとしたときに発生するメッセージについて説明します。これらの初期の動作は、実際には UUCP デーモンが取り扱います。これらの動作は、非同期 PPP 通信の UUCP 部分と考えることができます (UUCP についての詳細は、第 25 章「UUCP の概要」を参照してください)。
次の 2 つのメッセージは、セッションの始めに常に表示されます。これは、aspppd デーモンが正常に起動されたことを示します。
11:53:33 Link manager (1057) started 04/14/94 11:53:33 parse_config_file: Successful configuration |
次の行は、パケットがローカルホストの ipdptp0 インタフェースに送られたことを示しています。これは、ダイヤルアウトが正常に行われたかどうかを判断するのに役立ちます。たとえば、リモートマシンの ping を試みたときに、asppp.log 内にこのメッセージがないとすれば、ルーティングの問題が原因でパケットが失われていると考えられます。
次に、UUCP は、/etc/uucp/Systems ファイル内のチャットスクリプトの中にある Ppac7 に一致するエントリを探します。そして、デバイスタイプが ACUTEC であるエントリが見つかったことを報告します (Systems ファイルについての詳細は、「UUCP /etc/uucp/Systems ファイル」を参照してください)。
11:53:46 process_ipd_msg: ipdptp0 needs connection conn(Ppac7) Trying entry from '/etc/uucp/Systems' - device type ACUTEC. |
UUCP は次に、/etc/uucp/Devices ファイルから ACUTEC ダイヤラに関するダイヤル情報を探します。この情報が見つかると、UUCP は、ローカルホストの該当するシリアルポートをオープンし、その速度を 9600 に設定します (/etc/uucp/Devices についての詳細は、「UUCP /etc/uucp/Devices ファイル」を参照してください)。
Device Type ACUTEC wanted Trying device entry 'cua/a' from '/etc/uucp/Devices'. processdev: calling setdevcfg(ppp, ACUTEC) fd_mklock: ok fixline(8, 9600) gdial(tb9600-ec) calle |
UUCP は、/etc/uucp/Dialers ファイルの中に tb9600 というエントリを確認して、次のメッセージを送り出します。
Trying caller script 'tb9600-ec' from '/etc/uucp/Dialers' expect: ("") |
ホストは 2 秒間待ってから、モデムのレジスタを設定します。下記のログに示される情報は、個々のモデムに固有のものです。これは /etc/uucp/Dialers ファイルからの情報をもとにしています。
got it sendthem (DELAY) APAUSE APAUSE APAUSE T&D2E1V1X1Q0S2=255S12=255S50=6S58=2^M<NO CR>) |
次の行は、モデムとホストマシンとの間のダイアログです。expect (OK^M) は、モデムが「了解」を送ることを予期していることを意味します。2 行目の終わりの got it という語句は、ホストがモデムから「了解」メッセージを受け取ったことを意味します。
expect: (OK^M) AAAT&D2E1V1X1Q0S2=255S12=255S50=6S58=2^M^M^JOK^Mgot it |
次にホストは下記の文字列をモデムに送り、実際にはモデムがダイヤリングを行います。2 行目の電話番号は、/etc/uucp/Systems ファイル内のリモートホストに関するエントリから検索されます。
sendthem (ECHO CHECK ON A^JATTDDTT99003300887744^M^M<NO CR>) |
expect で始まる行は、ローカルホストが、モデムから 9600 bps の速度であるという応答を受け取ることを予期していることを意味します。その次の行は、モデムが応答したことを示しています。
expect: (CONNECT 9600) ^M^JCONNECT 9600got it |
次の行は、リンク上でハードウェアフロー制御が開始されたことを示しています。ホストは、フロー制御情報を /etc/uucp/Dialers ファイルから入手します。
STTY crtscts |
次に示す一連のメッセージは、ローカルホストが、リモートホストから標準的な UNIX ログインプロンプトが送られてくるのを待っていることを示しています。
getty ret 8 expect: ("") got it sandiest (^J^M) expect: (login:) |
次のメッセージは、ローカルホストがリモートからのログインプロンプトを受け取ったことを示します。ローカルホストは、リモートホストについての /etc/uucp/Systems エントリ内のチャットスクリプトから、該当するログインシーケンスを検索します。このシーケンスは Ppong^M で、リモートホストがログインするために必要です。
^M^J^M^Jlogin:got it sendthem (Ppong^M) |
次のメッセージでは、ローカルホストは、リモートホストからの ssword プロンプトを待ちます。このプロンプトを受け取ると、ローカルホストは、リモートホストに関する /etc/uucp/Systems エントリ内のチャットスクリプトから検索したパスワードを送ります。
expect: (ssword:) login: Ppong^M^JPassword:got it |
次のメッセージは、ダイヤリングとモデム接続が正常に完了したことを示しています。
sendthem (ppptest1^M) call cleanup(0)^M |