Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

共有名前空間にアクセスするために異なるアーキテクチャを設定する方法

表計算ツールやワードプロセッサパッケージのようなローカルな実行可能ファイルやアプリケーションについて、共有名前空間を作成する必要があります。この名前空間のクライアントは、異なる実行可能フォーマットを必要とする複数の異なるワークステーションアーキテクチャを使用します。また、ワークステーションには、異なるリリースのオペレーシングシステムを使用するものもあります。

  1. nistabladm コマンドで auto_local マップを作成します。

    Solaris ネーミングの管理』を参照してください。

  2. その名前空間に属するファイルとディレクトリが簡単に識別できるように、共有名前空間について、サイト固有の名称を 1 つ選択します。

    たとえば、その名称として /usr/local を選択した場合、/usr/local/bin パスは明らかにこの名前空間の一部です。

  3. ユーザーのコミュニティ識別を簡単にするため、autofs 間接マップを作成し、/usr/local にマウントします。NIS (または NIS+) の auto_master マップ内で、次のエントリを設定します。


    /usr/local     auto_local     -ro

    なお、-ro マウントオプションは、クライアントがファイルやディレクトリのすべてに対して書き込みができないことを示してます。

  4. サーバー上の任意のディレクトリをエクスポートします。

  5. auto_local マップ内に bin エントリを 1 つ含めます。

    ディレクトリ構造は次のようになります。


     bin     aa:/export/local/bin 

    異なるアーキテクチャのクライアントを処理するため、クライアントのアーキテクチャタイプに応じて、その bin ディレクトリへの参照をサーバー上の異なるディレクトリに割り当てる必要があります。

  6. 異なるアーキテクチャのクライアントを処理するため、autofs CPU 変数を加えて、エントリの変更を行います。


    bin     aa:/export/local/bin/$CPU 
    • SPARC クライアント - 実行可能ファイルを /export/local/bin/sparc に配置する

    • IA クライアント - 実行可能ファイルを /export/local/bin/i386 に配置する