Solaris ネーミングの管理

ゾーン

あるドメインの DNS サービスは、「in.named と DNS ネームサーバー」で最初に説明したネームサーバーの集合で管理されます。ネームサーバーは、単一のドメイン、複数のドメイン、複数のドメインとその下のサブドメインの一部または全部を管理できます。あるネームサーバーによって制御される名前空間の一部は、「ゾーン」と呼ばれます。したがって、ネームサーバーはゾーンに対して権限があるといわれます。ネームサーバーの責任者は、ゾーン管理者とも呼ばれます。

ネームサーバーのデータベース内のデータは、「ゾーンファイル」と呼ばれます。ゾーンファイルの 1 つには IP アドレスとホスト名が格納されています。ftp または telnet のようなユーティリティでホスト名を用いて遠隔ホストに接続しようとすると、DNS は名前のアドレスマッピングを実行し、ゾーンファイルの中でホスト名を探して、IP アドレスに変換します。

図 28-7 ドメインとゾーン

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たとえば、図 28-7 で示した Ajax ドメインは最上位のドメインである Ajax と、4 つのサブドメイン、そして 5 つのサブサブドメインからなります。それは、太線で示す 4 つのゾーンに分けられます。したがって、Ajax ネームサーバーは、AjaxSalesRetailWholesale の各ドメインからなるゾーンを管理します。ManfQA の両ドメインは別のゾーンで、それ自身のネームサーバーからサービスを受けます。Corp ネームサーバーは CorpActgFinanceMktg ドメインからなるゾーンを管理します。

逆マッピング

DNS データベースには、マシンのホスト名を見つけだすキーとして IP アドレスを用いるゾーンファイルもあります。このファイルで IP アドレスのホスト名解決が可能になります。このプロセスを、「逆解決」または、より一般的には逆マッピングと呼びます。逆マッピングは基本的にはメッセージを送ってきたマシンの識別情報を確認したり、ローカルホスト上でのリモート操作を許可したりするために使用されます。

in-addr.arpa ドメイン

in-addr.arpa ドメインとは、DNS 名前空間において概念的な存在で認証 (許可) のためにドメインでなく IP アドレスを用います。このドメインは、ゾーンの一部ですが、これによってアドレスから名前のマッピングが可能になります。

DNS ドメイン名では、もっとも左が最下位のサブドメイン、最も右がルートとして読まれるので、in-addr.arpa ドメインでも、IP アドレスは最下位のレベルからルートになるように書き換えられます。すなわち、IP アドレスは逆転します。たとえば、あるホストの IP アドレスが 192.200.21.165 であるとします。in-addr.arpa ゾーンファイルでは、そのアドレスは 165.21.200.192.in-addr.arpa. と書かれます。ここで最後のドットは in-addr.arpa ドメインのルートを示しています。