Solaris ネーミングの管理

NIS+ と NIS の互換性の問題

この節では、NIS と NIS+ や以前のシステムとの間の互換性に関連する問題、またスイッチ構成ファイルに関連する問題を説明します。一般的な症状には次のようなものがあります。

ユーザーがパスワードを変更したあと、ログインできない

「症状」

新しいユーザーや、最近パスワードを変更したユーザーが、ログインできません。または、特定のマシンからログインできますが、他のマシンからログインできません。そのようなユーザーに対して、次の表現が含まれているエラーメッセージが表示されることがあります。

「最初に考えられる原因」

NIS マシン上でパスワードが変更されました。

NIS+ の名前空間サーバーがサービスを提供しているドメインの中で、NIS を実行している Solaris 8 リリース のマシン上で、ユーザーまたはシステム管理者が passwd コマンドを使用してパスワードを変更した場合、そのユーザーのパスワードは、そのマシンの /etc/passwd ファイルの中だけで変更されています。そのユーザーが、ネットワーク上の他のマシンを使用してログインしても、そのマシン上では新しいパスワードは認識されません。NIS+ のパスワードテーブルに格納されている、古いパスワードを使用しなければなりません。

「診断」

そのユーザーの古いパスワードが、NIS+ の他のマシンでまだ有効かどうかチェックしてください。

「対策」

NIS+ を実行しているマシンで、passwd コマンドを使用して、ユーザーのパスワードを変更します。

「2 番目に考えられる原因」

パスワードの変更を行なっても、システム全体に反映されるまでに時間がかかります。

「診断」

名前空間の変更がドメインやシステム全体に反映されるまでに、ある程度の時間がかかります。ドメインのサイズや複製サーバーの台数により、数秒間で済むこともあれば、何十分もかかることがあります。

「対策」

変更結果がドメインに伝わるまで、常識的に受け入れられる程度の時間、待つだけです。または、nisping org_dir コマンドを使用して、システムを同期させることもできます。

nsswitch.conf ファイルが正しく実行されない

変更した (または、新しくインストールした) nsswitch.conf ファイルが正しく実行されません。

「症状」

新しい nsswitch.conf ファイルをインストールしたか、または既存のファイルを変更しましたが、システムがその変更結果を反映していません。

「考えられる原因」

nsswitch.conf ファイルのインストールや変更を行なった後は、必ずマシンを再起動して、変更結果を有効にしなければなりません。nscdnsswitch.conf ファイルをキャッシュに書き込むためです。

「対策」

nsswitch.conf(4) のマニュアルページの情報を参照して、現在の nsswitch.conf ファイルをチェックしてください。必要に応じてファイルを修正し、マシンを再起動します。