FNS ポリシーでは、エンタープライズ名前空間の構造が定義されます。この構造の目的は、統一性のある名前を簡単に作成することです。このエンタープライズ名前空間構造には、2 つの主要なルールがあります。
狭い有効範囲のオブジェクトは、広い有効範囲のオブジェクトに関連してネーミングされる
名前空間識別子は、ある名前空間から次の名前空間への移行を表すために使用される
表 22-2 は、エンタープライズ名前空間を配列するための FNS ポリシーのまとめです。図 22-2 に、これらの FNS ポリシーに従う名前空間の配置の例を示します。
表 22-2 フェデレートされたエンタープライズ名前空間用のポリシー
名前空間 識別子 |
従属する名前空間 |
親コンテキスト |
名前空間編成 |
構文 |
---|---|---|---|---|
orgunit _orgunit org |
サイト、ユーザー、ホスト、ファイルシステム、サービス |
エンタープライズのルート |
階層 |
ドット区切り、右から左 |
site _site |
サービス、ファイルシステム |
エンタープライズのルート、組織単位 |
階層 |
ドット区切り、右から左 |
user _user |
サービス、ファイルシステム |
エンタープライズのルート、組織単位 |
フラット |
Solaris ログイン名 |
host _host |
サービス、ファイルシステム |
エンタープライズのルート、組織単位 |
フラット |
Solaris ホスト名 |
service _service |
アプリケーション固有 |
エンタープライズのルート、組織単位、サイト、ユーザー、ホスト |
階層 |
/ 区切り、左から右 |
fs
_fs |
なし |
エンタープライズのルート、組織単位、サイト、ユーザー、ホスト |
階層 |
/ 区切り、左から右 |
printer |
なし |
サービス |
階層 |
/ 区切り、左から右 |
エンタープライズの名前空間は、組織単位の周辺に構成されます。適切な名前空間識別子とオブジェクト名を使用して組織単位名を作成して、サイト、ホスト、ユーザー、ファイル、サービスの名前は、組織単位に関連付けてネーミングできます。
図 22-2 では、エンタープライズの sales 組織の西部事業部のユーザー myoko は、名前 orgunit/west.sales/user/myoko を使用してネーミングされます。
名前空間識別子 user を使用して、orgunit 名前空間から user 名前空間への移行を表していることに注意してください。同様に (適切な名前空間識別子を使用して)、ファイル名およびサービス名も、サイト、ユーザー、またはホストの名前に関連付けてネーミングできます。サイト名は、組織単位名に関連付けてネーミングできます。
簡単に均質な名前を作成することは、この構造を使用して達成されます。たとえば、エンタープライズ (orgunit/west) 内の組織単位名が分かれば、user の名前空間識別子とユーザーのログイン名で名前を作成して orgunit/west/user/josepha などの名前を作成し、エンタープライズに関連付けてユーザーをネーミングできます。
このユーザーのファイルシステムにあるファイルをネーミングするときには、orgunit/west/user/josepha/fs/notes などの名前を使用できます。