Solaris 移行ガイド

init コマンドの使用

SunOS 4 の fasthalt コマンドは、 SunOS 5.7 では init(1M) コマンドに変更されています。init(1M) コマンドは、シングルユーザシステムをシャットダウンするのに使用してください。init を使用して、システムをパワーダウン状態 (init 0)、またはシングルユーザ状態 (init 1) にすることができます。

init コマンドの変更

次の init コマンドの変更点に注意してください。

Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』では、このコマンドについて詳しく説明しています。

システム実行レベルの変更

SunOS 5.7 の init コマンドにより、システムの実行レベル (初期設定状態) を制御し、各種の動作モードを容易に切り替えることができます。SunOS 5.7 はすべてのシステム状態を 1 つのファイルに書き込むのではなく、/sbin/rc スクリプトを使用してそれぞれの実行レベルを制御します。これにより、新しいスクリプトを作成したり、既存のものを修正する場合、それぞれのファイルを変更することができます。SunOS 4 システムでは、/etc/rc/etc/rc.boot/etc/rc.local ファイルを使用して実行レベルを制御していました。

SunOS 4 には、prom モニタ、シングルユーザ、マルチユーザの 3 つの実行レベルがありました。これらは、SunOS 5.7 の実行レベル 0、1、3 に相当します。

表 8-3 に各実行レベルの /sbin/rc スクリプトの動作の概要を示します。

表 8-3 SunOS 5.7 システム初期設定実行レベル

実行レベル 

デフォルトの SunOS 5.7 の機能 

電源を切っても安全なように、システムをシャットダウンする。システムサービスとデーモンを停止させる。実行中のプロセスをすべて終了させる。すべてのファイルシステムのマウントを解除する。 

システム上に 1 ユーザしか許さないシングルユーザ (システム管理者) 状態。システムサービスとデーモンを停止させる。 実行中のプロセスをすべて終了させる。すべてのファイルシステムのマウントを解除する。 

NFS システムをエクスポートしない通常のマルチユーザ状態。timezone 変数を設定する。/usr ファイルシステムをマウントする。/tmp/var/tmp ディレクトリ内を削除する。ネットワークインタフェースをロードしプロセスを起動する。cron デーモンを起動する。uucp tmp ファイルをクリーンアップする。lp システムを起動する。sendmail デーモンを起動する。

NFS システムを共有するファイルサーバの通常のマルチユーザ状態。実行レベル 2 における作業をすべて実行する。NFS システムデーモンを起動する。 

代替マルチユーザ状態 (未使用)。 

電源を切っても安全なように、システムをシャットダ ウンする。この機能をサポートしているシステムでは自動的にシステムの電源を切る。 

S,s

シングルユーザ状態。ファイルシステムを一部マウントし、アクセス可能にする。