Solaris 移行ガイド

ファイルシステムの共用

SunOS 4 では、ファイルシステムは他のシステムで使用するために「エクスポート」されていました。これは、/etc/exports ファイルと exportfs コマンドによって行われていました。ただし、エクスポートできるのは NFS システムファイルだけでした。

SunOS 5.7 では、これと同じ概念を「リソースの共用」と呼び、さらに多くのファイルシステムを含めるために拡張しました。ファイルシステムは、share(1M) コマンドと share(1M) コマンドを使用して共用されます。share コマンドは exportfs pathname コマンドに似ていて、shareallexportfs -a コマンドに似ています。

share -F fstype オプションは、共用するファイルシステムの形式を指定します。-F オプションを指定しないと、share/etc/dfs/dfstab ファイルに登録されている最初のファイルシステム形式を使用します。

自動的に共用したいファイルシステムは、/etc/dfs/dfstab ファイル (/etc/export ファイルが変更) に share コマンドエントリを持っていなければなりません。このファイルに指定されたコマンドは、システムが実行レベル 3 (ネットワークファイルを共用するマルチユーザモード) に入ったときに自動的に実行されます。

/etc/dfs/dfstab ファイルエントリの例

はじめのエントリは、mercuryvenusmars のクライアントに、/export/home1 の読み取り/書き込みを許可します。2 行目のエントリは、saturnjupiter のクライアントに、/export/news の読み取りだけを許可します。

share -F nfs -o rw=mercury:venus:mars -d "Home Dir" /export/home1
share -F nfs -o ro=saturn:jupiter -d "News Postings" /export/news

システムがマルチユーザモードで動作しているときに、登録されているクライアントがこれらのファイルシステムを使用できます。share コマンドは、ローカルシステムで共有されているすべてのリソースを表示します。

% share
-               /export/home1   rw=mercury:venus:mars   "Home Dir"
-               /export/news    ro=saturn:jupiter   "News Postings"