マウント機能で大幅に変更されたのは、自動マウント autofs です。autofs プログラムは、たとえば cd(1) や ls(1) を使用してディレクトリにアクセスするときに、自動的にそのディレクトリをマウントします。この機能にはファイル階層、CD-ROM とフロッピーディスクのファイルシステムなどが含まれます。
システムが実行レベル 3 に入ると、自動的に autofs が起動します。また、ユーザがシェルコマンド行から autofs を起動することもできます。
autofs は maps で指定されるファイルシステムと連係して動作します。これらのマップは NIS、NIS+、またはローカルファイルとして管理されます。autofs マップは特定のファイルに対していくつかのリモートのマウントポイントを指定できます。このようにして、サーバの 1 つがダウンしても、autofs は別のシステムからマウントを実行できます。それぞれのサーバに重み係数を割り当てて、マップのリソースにどのサーバが適しているかを指定することができます。
autofs で一部のファイル階層をマウントできますが、マウントコマンドでもファイル階層をマウントできます。ディスクレスシステムは、/ (ルート)、/usr、/usr/kvm についてのエントリを /etc/vfstab ファイルの中に持っていなければなりません。共用ファイルシステムは常に使用できるようにしておく必要があるので、/usr/share のマウントに autofs を使用しないでください。
次の例では、mount コマンドを使用して /etc/vfstab ファイルに登録されているファイルシステムを手作業でマウントする方法を示します。
マウントポイントを作成したいディレクトリに変更します。
マウントポイントディレクトリを作成します。
マウントポイントまたはブロック型デバイスのどちらかを指定します。 通常は、マウントポイントを指定する方が簡単です。その他の情報は、/etc/vfstab から読み込まれます。
root になって、マウントコマンドを入力し、マウントポイントまたはブロック型デバイスのどちらかを指定します。
通常は、マウントポイントを指定する方が簡単です。その他の情報は、/etc/vfstab から読み込まれます。
# mount mount-point |
ファイルシステムがマウントされました。
mount にオプションを指定して、または指定しないで各種のファイルシステムをマウントする方法については、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。
mount マウントコマンドの名前と書式の一部は、表 9-13 に示すように異なります。
表 9-13 mount コマンドの相違
SunOS 4 |
SunOS 5.7 |
---|---|
mount |
mount |
mount -a |
mountall |
umount |
|
exportfs | |
showmount -e |
これらのコマンドの変更の詳細については、付録 A 「コマンドリファレンス」 を参照してください。
このリリースでは、取り外し可能な媒体がドライブに挿入されると、CD-ROM とフロッピーディスクのファイルシステムは、自動的に /cdrom や /floppy にマウントされます。これらのファイルシステムは、ボリュームマネージャのデーモン vold(1M) で管理されているため、ユーザが自分でこれらのデバイスをマウントすることはできません。詳細については、「ボリュームマネージャの使用」 を参照してください。
SunOS 5.7 システムでは、システム起動時にマウントしたいファイルシステムを、/etc/fstab ファイルではなく、ユーザの /etc/fstab に指定する必要があります。/etc/vfstab の書式は /etc/fstab の書式とは異なります。/etc/vfstab ファイルの詳細については、「/etc/vfstab ファイル」 を参照してください。