Solaris 移行ガイド

Solaris オペレーティング環境に含まれない SVR4 の機能

SVR4 の機能の一部が、Solaris オペレーティング環境ではサポートされていません。これらは、AT&T のハードウェアに固有の機能、または、主に SVR3 の機能との上位互換性を保つために用意されている機能であるため、SunOS ユーザにとってはあまり意味のないものです。

Solaris オペレーティング環境は、System V のファイルシステムと、それに関連するユーティリティを含んでいません。これらは、UNIX のファイルシステムに比べて、制約が大きいためです。SVR4 のブートファイルシステムも、従来の SunOS のブートモデルに比べると管理負担が大きいため、採用されていません。

デバイスの自動構成とカーネルの再構築を行う AT&T の SVR4 の一般的なモデルは、完全な動的構成が可能なカーネルに置き換えられています。このカーネルは、現在と将来の SPARC システムのユーザのニーズに応えることができます。

SPARC XENIX はインストールベースでは存在しないため、Solaris オペレーティング環境の SPARC 用リリースは、XENIX アプリケーションとの互換性を持っていません。

Solaris オペレーティング環境には、AT&T の sysadm ユーティリティは含まれません。sysadm メニューユーティリティは、主に独立したシステムの端末デバイスを対象として設計されているため、ネットワーク全体にわたる分散システムの処理を容易にするという視点からグラフィカルユーザインタフェースが採用されました。Solaris オペレーティング環境は、SVR4 の sysadm ユーティリティの基本的な部分を持つユーティリティや構成ディレクトリを提供していますが、sysadm ユーティリティ自体は提供していません。