この章では、TCP/IP、NFS の変更、PPP、UUCP について『Solaris 移行ガイド』に掲載されている情報を更新します。
この章には次の内容が含まれています。
NFS サーバーログと sendmail の新しいバージョン 8.9.3 が SunOS リリース 5.8 に追加されました。
NFS サーバーログによって NFS サーバーは、そのファイルシステムで実行されたファイル操作を記録できます。この記録には、アクセス対象、アクセス時刻、およびアクセス実行者を記録した情報が含まれています。この情報を含むログの位置は、構成オプションセットで指定できます。また、これらのオプションを使うと、記録する操作を選択できます。この機能は、NFS と WebNFSTM のクライアントが匿名 FTP アーカイブを使用できるようにしているサイトで特に有用です。
NFS サーバーログを使用可能にする方法については、『Solaris のシステム管理 (第 3 巻)』の「ファイルシステムの自動共有」を参照してください。
sendmail のバージョン 8.9.3 には以下の変更が加えられました。
MaxHeadersLength という新しい設定ファイルオプションによって、特定のメッセージの全ヘッダ行の長さの合計を制限します。デフォルト値は 32768 バイトです。この値を超える長さのヘッダが付いた着信メッセージは拒否されます。
/etc/default/sendmail という新しいファイルを使用すると、sendmail を開始するために使うオプションを init スクリプトに追加するのではなく、格納できます。init スクリプトを変更する必要がないので、このファイルによってシステムのアップグレードが容易になります。
mail.local プログラムが拡張されて、ローカルメール転送プロトコルを使用できるようになりました。このプロトコルによってエラーコードは各受信者に返されるので、全受信者に対してメッセージを再度待ち行列に入れる必要はなく、メッセージを受信しなかった受信者にだけ再送信されます。このプロトコルは Solaris 7 のリリースで sendmail に追加されました。
/usr/bin/praliases という新しいコマンドを使うと、別名データベースにあるデータをプレーンテキストに変更できます。コマンド行に引数が含まれている場合、その引数がキーと一致するなら、このコマンドによってキー : 値の組み合わせが印刷されます。
smrsh という新しいプログラムを使うと、sendmail の「|program 」構文を使用して実行できるコマンドの数を制限できます。この機能を有効にすると、/var/adm/sm.bin にあるプログラムだけが実行できます。メイン設定ファイルに FEATURE (`smrsh') を追加すると、この機能が有効になります。詳細は /usr/lib/mail/README を参照してください。
新しいオプションが不在返信 program に追加されました。-f を使用すると、‾/.vacation.ext の代わりのデータベースを選択できます。-m を使用すると、‾/.vacation.msg の代わりのメッセージファイルを選択できます。-s を使用すると、着信メッセージの UNIX From 行の代わりの返信アドレスを指定できます。
mailx プログラムに加えられた変更によって、封筒の送信側の代わりに送信側の基本として使用される From: ヘッダを使用できます。この変更によって、mailx は mailtool と dtmail のように機能します。
詳細については、『Solaris のシステム管理 (第 3 巻)』の「Solaris 8 リリースの新機能」を参照してください。
TCP/IP に関する最新情報については、『Solaris のシステム管理 (第 3 巻)』の「TCP/IP とは」を参照してください。
以下の情報については、『Solaris のシステム管理 (第 3 巻)』の「リモートファイルシステムへのアクセスについてのトピック」を参照してください。
exportfs と /etc/exports に代わる share shareall と /etc/dfs/dfstab。
SunOS リリース 4 のデーモン rpc.statd、rpc.lockd、および rpc.mountd に代わる lockd と mountd。
並行要求を処理するために複数のコピーを生成することのなくなった nfsd の修正バージョン。ps を使用してプロセステーブルをチェックすると、実行中のデーモンのコピーが 1 個だけ表示されます。
PPP の現在の情報については、『Solaris のシステム管理 (第 3 巻)』の「Solaris PPP の概要」を参照してください。
Lightweight Directory Access Protocol (LDAP) の最新情報については、『Solaris ネーミングの管理』の「FNS およびグローバルネーミングシステム」を参照してください。
SunOS リリース 4 システムで使用可能な HoneyDanBer UUCP に関する UUCP (UNIX-to-UNIX Copy) の説明については、『Solaris 移行ガイド』を参照してください。
最新情報については、『Solaris のシステム管理 (第 3 巻)』の「UUCP の概要」を参照してください。