この章では、NIS、NIS+、DNS のネームサービスに関して 『Solaris 移行ガイド』に掲載された情報を更新します。
この章には以下の内容が含まれています。
Solaris 8 リリースに追加された機能は以下の通りです。
ネームサービススイッチバックエンドを実現する内蔵 LDAP (内蔵 Lightweight Directory Access Protocol) は、LDAP ベースのディレクトリサービスをサポートしています。「SunOS リリース 4 と NIS 互換モード」を参照してください。
システム識別ユーティリティでドメインネームシステム (DNS) をサポートしています。「DNS」を参照してください。
最新情報については、『Solaris ネーミングの管理』の「ネームサービススイッチ」を参照してください。
NIS+ は、NIS を実行している SunOS リリース 4 または 5 のワークステーションで使用できます。すなわち、NIS+ ドメイン内部のマシンには、nisplus ではなく nis に対して設定された nsswitch.conf ファイルを含めることができます。NIS を実行中のマシン上で NIS+ サービスにアクセスするには、NIS 互換モードで NIS サーバーを実行する必要があります。
NIS 互換モードによって、Solaris オペレーティング環境を実行中の NIS+ サーバーは、NIS+ クライアントからの要求に応答し続けながら NIS クライアントからの要求にも応答できます。NIS+ はこれを実行するために 2 種類のサービスインタフェースを用意しています。一方のインタフェースが NIS+ クライアントの要求に応答すると同時に、もう一方が NIS クライアントの要求に応答します。
このモードでは、NIS クライアントに追加の設定や変更は必要ありません。実は、NIS 互換モードを実行中の NIS+ サーバーは ypupdate と ypxfr プロトコルをサポートしていないので、このサーバーを複製またはマスターの NIS サーバーとして使用できないことを除けば、NIS クライアントは、応答しているサーバーが NIS サーバーでないことすら認識していません。NIS 互換モードの詳細については、『NIS+ への移行』を参照してください。
NIS 互換モードでサーバーを設定する時の指示は、標準的な NIS+ サーバーを設定する時の指示とはわずかに異なります。詳細については『Solaris ネーミングの設定と構成』を参照してください。
NIS 互換モードは、NIS+ ネームスペースにあるテーブルとセキュリティの点で関係があります。NIS クライアントソフトウェアには、NIS+ サーバーが NIS クライアントに要求する資格を与える機能はありません。その結果、NIS クライアントの要求は、認証されていない要求に分類されます。NIS クライアントがアクセスできるようにするには、NIS+ テーブルが、認証されていない要求にアクセス権限を与える必要があります。認証プロセスと NIS 互換モードについて詳細は、『Solaris ネーミングの管理』の「セキュリティの概要」を参照してください。
セキュリティ、性能、スケーラビリティ、管理の領域で NIS よりもかなりすぐれている NIS+ の最新情報については、『Solaris ネーミングの管理』の「NIS+ の紹介」を参照してください。
『Solaris ネーミングの管理』の「NIS+ と NIS の違い」を参照してください。
『NIS+ への移行』を参照してください。
ドメインネームシステム (DNS) が、システム識別ユーティリティを使って設定できるネームサービスのリストに追加されました。DNS の現在の情報については、『Solaris ネーミング管理』の「DNS の紹介」を参照してください。