共通デスクトップ環境アーキテクチャにはプロセスの相互関係が多数あります。X クライアント、ウィンドウ・マネージャ、X Window System サーバの 3 つの関係は、比較すると簡単です。共通デスクトップ環境が適用される範囲は広いですが、システムの階層は Motif、Xt、Xlib ほどに厳格なものではありません。この章ではテクノロジをグループ化し、それぞれのデスクトップ・コンポーネントを図解します。共通デスクトップ環境は次のように分類されます。
データ対話型 GUI (グラフィカル・ユーザ・インタフェース)
ユーザ対話に使用でき、他のアプリケーションからも呼び出せるアプリケーション・レベルのコンポーネントです。ウィジェットより単位が大きいプログラミング・コンポーネントと考えてください。
マルチユーザでの共用
特にカレンダ管理、ネットワーク・リソースの命名、ネットワーク・ファイル共有の領域において、ネットワーク上での、ユーザ間共用を可能にする API (アプリケーション・プログラム・インタフェース) を定義し使用します。
デスクトップ管理
デスクトップのエンティティ間の視覚的な関連性を調整するコンポーネントを提供します。ウィンドウ・マネージャ、ワークスペース・マネージャ、セッション・マネージャ、アプリケーション・マネージャ、ファイル・マネージャ、スタイル・マネージャ、およびフロントパネルがこれに含まれます。
Motif GUI エンジン
ユーザが使用できるコントロールを実現するコンポーネントで、共通デスクトップ環境の Motif ツールキット、追加ウィジェット、GUI シェル (デスクトップ Korn シェル)、GUI 構築ツール (アプリケーション・ビルダ) などです。
統合テクノロジ
GUI を生成しませんが、デスクトップの他のコンポーネントでインフラストラクチャとして使用されるテクノロジです。プロセス実行の制御、アプリケーション・メッセージ機構 (機能およびプロトコル)、データ型の作成、メソッドの実行などが含まれます。