共通デスクトップ環境のカレンダは、ネットワーク環境でユーザが時間とリソースをスケジュール調整できるようにする、インフラストラクチャと API から成ります。カレンダ GUI は共通デスクトップ環境の実行環境の一部です。
カレンダは次の 3 つから構成されています。
カレンダ・データベースを管理するデーモン
一連のハイレベル関数を定義し、カレンダを使用するアプリケーションが、デーモンがサポートする機能にアクセスできるようにする、カレンダおよびスケジュール調整 API
カレンダおよびスケジュール調整 API のライブラリ実装
また、GUI と TTY の両方の対話に対するユーザ・インタフェースを提供します。システムは、カレンダ項目の入力、削除、変更だけでなくブラウズおよび検索機能もサポートします。これらの機能すべてに、ネットワークによってアクセスできます。
開発環境は、クライアントがカレンダ・データへアクセスするためのライブラリを提供します。ユーザが独自のカレンダ項目属性を定義できるように拡張できます。ライブラリは、データベースの更新を通知するためのクライアント・コールバック機能を提供します。
カレンダ・デーモンは、カレンダおよびスケジュール調整 API コールのライブラリの背後にあるサービスを実装しています。カレンダ項目の削除、挿入、変更をサポートしています。また、カレンダ通知方法を管理し、カレンダ・データベースの作成および削除をサポートします。さらに、カレンダ・データの検索機能も提供します。
カレンダ項目データは、ドラッグ&ドロップおよび ToolTalk メッセージ・インタフェースによって、デスクトップと統合します。
カレンダおよびスケジュール調整 API は、アプリケーション・プログラミング・インタフェース・アソシエーション XAPIA (X.400) カレンダおよびスケジュール調整 API 1.0 を実現したものです。カレンダおよびスケジュール API を使用してアプリケーションにカレンダを統合するか、独自のカレンダ・アプリケーションを開発してください。
カレンダ・ライブラリ libcsa は、ネットワーク環境においてカレンダ・データにアクセスし、管理するプログラム方法を提供します。
libcsa の API にアクセスするには、csa/csa.h ヘッダ・ファイルをアプリケーションに取り込んでください。
カレンダのデモは /usr/dt/examples/dtcalendar にあります。デモの詳細は、README ファイルを参照してください。
カレンダの詳細は、関連するマニュアル・ページ、カレンダのヘルプ・ボリューム、『Solaris 共通デスクトップ環境 プログラマーズ・ガイド』を参照してください。