基本的なアプリケーションの統合方法には、エンドユーザ向けの次のような特徴があります。
デスクトップ上のアプリケーションを探して起動するためのグラフィカルな方法
アプリケーションはデスクトップ登録パッケージを提供し、インストール・スクリプトはアプリケーションを自動的に登録します。
登録によって、アプリケーション・マネージャのトップ・レベルにアプリケーション・グループが作成されます。アプリケーション・グループにはアイコンがあり、ユーザがアイコンをダブルクリックすると、アプリケーションが起動します。
アプリケーションのデータ・ファイルを認識し、操作する機能
アプリケーションは、データ・ファイルにデータ型を提供します。
データ型定義は、データ・ファイルが固有のアイコンを使うように構成して、データ・ファイルを見分けやすくします。また、データ・ファイルは、意味があるデスクトップ動作も持っています。たとえば、ユーザは、データ・ファイルをダブルクリックすることによってアプリケーションを起動したり、デスクトップのプリンタ・ドロップ領域にデータ・ファイルをドロップして、適切な印刷コマンドを使用してファイルを印刷できます。
アプリケーションは、インタフェースのフォントと、バックグラウンド、フォアグラウンド、およびシャドウの色を動的に変更します。
デスクトップは、対応するアプリケーション固有のリソースがない場合に使われる一般的なインタフェースのフォントおよびカラーのリソースを定義します。
基本的な統合方法では、システム管理者に次のような利点を提供します。
インストールと登録が容易
インストール時に、アプリケーションは自動的に登録されます。他にシステム管理者がしなければならないことはほとんどありません。
運用時の管理が容易
デスクトップの構成ファイルはすべて、一カ所に集められます。また、たとえば管理者がアプリケーションを更新したい場合や、別のアプリケーション・サーバに移動したい場合には、アプリケーションの登録解除が簡単にできます。
基本的な統合に必要な作業の大部分は、既存のアプリケーションをデスクトップに統合するシステム管理者によって実行されます。したがって、基本的な統合方法の説明の大部分は、『Solaris 共通デスクトップ環境 上級ユーザ及びシステム管理者ガイド』の第 5 章「アプリケーションの登録」にあります。
この章では、その説明の概要を紹介し、アプリケーション・プログラマ向けの追加説明をします。