Solaris 共通デスクトップ環境 プログラマーズ・ガイド

メッセージ・ダイアログとオンライン・ヘルプのリンク

追加の背景情報が必要な場合や、4、5 行のダイアログではエラーを十分に説明できない場合には、オンライン・ヘルプにリンクするボタンを追加できます。

ダイアログのオンライン・ヘルプの追加は単純な作業です。特定のダイアログをオンライン・ヘルプの候補として決めたら、次の作業を実行します。

  1. エラー・ヘルプに対して固有な ID を選択します。

    この ID が、オンライン・ヘルプ・テキストへのリンクとなります。ID は、64 文字以下でなければなりません。たとえば、DiskSpaceError のようになります。

  2. ダイアログを作成して、ヘルプ・コールバックを追加します。

    エラー・メッセージに対しては XmCreateErrorDialog()簡易関数を、警告に対しては XmCreateWarningDialog()簡易関数を使用して、次のようにヘルプ・コールバックを追加します。

    XtAddCallback(dialog, XmNhelpCallback,	helpfn, "ID");

    この例では、helpfn はヘルプ・ダイアログを管理するために作成したヘルプ関数、文字列「ID」は、エラー・メッセージに対して選んだ ID です (たとえば、 DiskSpaceError)。ヘルプ関数では、XmNlocationId リソースを ID の値に設定します。/usr/dt/examples/dthelp ディレクトリに、このようなヘルプ関数の設定例があります。

    ヘルプ・ダイアログ・ウィジェットの作成と管理の詳細は、『Solaris 共通デスクトップ環境 プログラマーズ・ガイド(ヘルプ・システム編)』を参照してください。

  3. エラー・メッセージに対応するヘルプ・セクションを書きます。

    ヘルプ・ボリュームの「メッセージ」の章に、メッセージの説明を書きます。ヘルプのソース・ファイルでは、メッセージごとにセクションを設けなければならず、セクションの始めの ID= 属性は、コードの中でエラーに対して選んだ ID と一致しなければなりません。

    たとえば、s1 セクション見出しでは、ID は DiskSpaceError です。

    次の見出しは、ユーザのシステムに十分なディスク領域がないときに、「ファイルを保存できません」というエラー・メッセージを表示します。

        <s1 ID=DiskSpaceError> ファイルを保存できません <¥s1>

    規則によって、セクション見出しのテキストはエラー・ダイアログのテキストと 1 対 1 で対応しなければならないので注意してください。

  4. ヘルプ・ファイルを再作成します。

    エラー・メッセージに対する新しいヘルプ・セクションは、ヘルプ・ファイルを再作成して (dthelptag プログラムを使用して)、アプリケーションを再コンパイルするとすぐにアクティブになります。

オンライン・ヘルプの記述と作成方法の詳細は、『Solaris 共通デスクトップ環境 プログラマーズ・ガイド(ヘルプ・システム編)』を参照してください。