この章では、単語の登録や登録内容の整備など、辞書の有効な利用方法について説明します。辞書を整備するユーティリティとして、漢字入力操作中の単語登録モード、GUI を備えた辞書メンテナンスツール、辞書ユーティリティコマンドが用意されています。
辞書はその他のファイルよりもはるかに使用頻度が高くなるため、万一破損した場合に備えてバックアップをとるようにしてください。 この章で説明する手順では、ファイル名には半角で 255 文字 (全角文字は 2 文字に数える) 以内の、EUC コードセット 3 の文字を除く半角・全角文字が入力できます。
新規に登録できる単語数は、約 100,000 語です。登録単語には、自動登録した単語も含まれます。
同じ読み、同じ品詞の単語では、半角で 50 文字 (全角で 25 文字) の単語のみを登録する場合は約 12 個、半角で 1 文字の単語のみを登録する場合は約 150 個まで登録できます。なお、この数は読みの長さ、品詞によって異なります。
操作内容 |
単語登録モード |
辞書メンテナンスツール1 |
辞書ユーティリティコマンド |
---|---|---|---|
単語を 1 つずつ登録する |
|
||
単語を 1 つずつ削除する |
|
|
|
単語ファイルから一括登録する |
| ||
読みを指定して削除する |
|
|
|
読みの範囲化から連続削除する |
| ||
単語ファイルから一括削除する |
| ||
辞書の単語を一覧表示する |
| ||
2 つの辞書を 1 つにまとめる |
| ||
辞書の内容を整理する |
|
1. 起動方法については、「辞書メンテナンスツールの起動と終了」を参照してください。
ATOK8 には、変換候補を最近使用した順に並べ替えたり変換の修正結果を覚えたりする辞書学習機能があります。そのため、辞書は使い込むほど変換効率がよくなります。学習結果を辞書へ登録 (自動登録) して学習内容を保持することもできます。
辞書学習機能は、ATOK8 環境設定ツールを使用して設定します。総メニューから、一時的に学習機能のオン・オフを設定することもできます。設定方法については、「学習モード」を参照してください。
学習機能がオンの場合、自動登録機能を設定することができます。
自動登録を設定できる項目は、後変換学習・未登録語学習・複合語学習・文節区切り学習です。各項目については次の節を参照してください。
自動登録機能をオンに設定しておくと、その項目の内容が辞書に登録されます。自動登録をオフに設定しておくと、その項目の内容はメモリ上にだけ登録されます。
単漢字、および誤変換を招く一部の単語は、メモリ上にだけ登録 (学習) されます。メモリ上の学習結果は学習領域がいっぱいになると、古い学習内容から順に上書きされます。先頭に「をんヲンーぁぃぅぇぉゃゅょっァゥェォャュョ゛゜」がある単語は辞書学習できません。
自動登録機能は設定できません。
自動登録機能を設定できる各項目について、説明します。
ファンクションキー【F6】〜【F9】や【Ctrl + <文字 (U、I、O、または P)>】キーによって変換結果を確定すると、その変換結果が次回から変換候補として表示されます。
数字と記号のみで構成される文字列は後変換学習することができません。
辞書にまだ登録されていない文字は、文節を区切りなおして変換候補にカタカナを表示して確定すると、そのカタカナが次回から変換候補として表示されます。
「犬のポンテと散歩に行く。」の「ポンテ」を、未登録語学習してみましょう。
未登録文字の文節を区切り直します。
【変換】キーを 2 回押します。
変換候補が表示されます。
ポンテを選択して【Return】キーを押します。
変換した内容が確定されて未登録語が学習されます。
学習の結果を確認します。
未登録語学習をしたあと、全文を入力し直します。
【変換】キーを押します。
未登録語学習した内容が変換結果に表示されます。
複合語 (漢字がとなり合ったもの) を変換して確定すると、その複合語が次回から変換候補として表示されます。
「徳島港」を複合語学習してみましょう。
【↓】キーで「徳島」を確定してから、【変換】キーを押します。
【スペース】キーで変換候補を選択してから【確定】キーを押します。
番号キーを直接選択することもできます。
学習の結果を確認します。
複合語学習をしたあと、「とくしまこう」と入力します。
【変換】キーを押します。
複合語学習した内容が変換結果に表示されます。
文節区切りの修正結果を学習して、次回からの変換結果に反映します。
漢字入力操作中に単語登録モードを指定して、単語を 1 つずつ登録したり削除したりすることができます。
登録した単語は辞書に追加されて、次回から変換候補として表示されます。 登録手順は次のとおりです。
【Ctrl + F6】キーを押します。
単語登録ポップアップウィンドウ (ATOK8 Word Register) が表示されます。 【Shift + F10】キーを押して総メニューから起動することもできます。
「単語」入力フィールドに、登録したい単語を入力します。
全角の漢字 (JIS 第 1 水準、JIS 第 2 水準)・ひらがな、全角・半角のカタカナ・アルファベット・数字・記号を全角 25 文字 (半角 50 文字) 以内で入力することができます。
登録したい単語がテキストエディタなどのウィンドウ上に表示されている場合、セレクトボタンでその単語を反転表示させてから、入力フィールドでアジャストボタンを押すと、その単語を転記することができます。
「読み」の入力フィールドに登録したい単語の読みを入力します。
全角のひらがな、全角・半角のカタカナ・アルファベット・数字・記号 (゜゛−+*/#$%&=@:;<>) を 16 文字以内で入力することができます。 スペースや漢字は使用できません。また、先頭に「をんヲンぁぃぅぇぉゃゅょっァィゥェォャュョッ゛゜」を使用することはできません。
ひらがな、カタカナのどの文字タイプで入力しても辞書ファイルには半角のカタカナで登録されるため、全角の濁点・半濁点付きの読みは 2 文字として登録されます。
次の表を参考にして、品詞を選択します。
表 9-1 単語登録ポップアップウィンドウで登録できる単語の品詞
品詞 |
定義 |
名詞 |
〜は、〜が、〜を、などの使い方をする単語 |
名詞サ変 |
上記名詞に加え、〜する、〜すれば、などと活用する単語 |
人名 |
人名に付ける固有の名詞 |
地名 |
場所に付ける固有の名詞 |
組織名 |
組織に付ける固有の名詞 |
固有一般 |
人物・場所・組織以外に付ける固有の名詞 |
その他 |
上記以外で、「てにをは」が付かない単語 |
「辞書」入力フィールドの左端にある選択ボタンをクリックして、登録する辞書ファイルを選択します。
「実行」ボタンをクリックします。
単語が登録されてウィンドウが終了します。
漢字入力モードで変換作業中 (候補文字表示中) に、【Ctrl + Del】キーで単語を削除します。
「ていし」という読みから「丁巳」という単語を削除してみましょう。
「ていし」と入力して、【スペース】キーを 2 回押します。
【Ctrl + Del】キーを押します。
削除を確認するメッセージが表示されます。
【Y】キーを押します。
単語が削除されます。 削除を中止するには、【N】キーか【Esc】キーを押します。
辞書メンテナンスツールは、辞書を整備するための GUI ツールです。 次の 8 つの機能から構成されています。
単語を 1 つずつ登録する
単語ファイルを作成して一括登録する
読みを指定して削除する
読みの範囲を指定して連続削除する
単語ファイルを作成して一括削除する
辞書の単語を一覧表示する
2 つの辞書を 1 つにまとめる (マージ)
辞書に登録した単語を整理して変換効率を上げる (内容整理)
ATOK8 メインウィンドウがアイコンになっている場合は、アイコン上でダブルクリックします。
ATOK8 メインウィンドウの 「辞書ツール」ボタンをクリックします。
ATOK8 辞書メンテナンスツールが起動されます。
ATOK8 辞書メンテナンスツールの「アクション」メニューから「終了」ボタンを選択します。
辞書メンテナンスツールが終了します。
変換しにくい漢字 (人名・地名・JIS 第 2 水準漢字) など、専門用語、入力に手間がかかる単語 (アルファベットやカタカナ、全角・半角交じりの単語、大文字・小文字交じりのアルファベットなど)、長い単語は、辞書に登録しておくと便利です。
登録手順は次のとおりです。
「ファイル変更」ボタンをクリックすると、ファイル名のリストから辞書ファイルを指定することができます。手順については、「辞書ファイルの変更」を参照してください。
ATOK8 辞書メンテナンスツールの「単語登録」をクリックします。
単語登録ウィンドウが表示されます。
「辞書ファイル名」入力フィールドに、単語を登録したい辞書ファイルの絶対パス名を入力します。
「単語」入力フィールドに、登録したい単語を入力します。
全角の漢字 (JIS 第 1 水準、JIS 第 2 水準)・ひらがな、全角・半角のカタカナ・アルファベット・数字・記号を全角 25 文字 (半角 50 文字) 以内で入力することができます。
登録したい単語がテキストエディタなどのウィンドウ上に表示されている場合、セレクトボタンでその単語を反転表示させてから、入力フィールドでアジャストボタンを押すと、その単語を転記することができます。
「読み」の入力フィールドに登録したい単語の読みを入力します。
全角のひらがな、全角・半角のカタカナ・アルファベット・数字・記号 (゜゛−+*/#$%&=@:;<>) を、16 文字以内で入力することができます。 スペースや漢字は使用できません。また、先頭に「をんヲンぁぃぅぇぉゃゅょっァィゥェォャュョッ゛゜」を使用することはできません。
ひらがな、カタカナのどの文字タイプで入力しても辞書ファイルには半角のカタカナで登録されるため、全角の濁点・半濁点付きの読みは 2 文字として登録されます。
33 種類の品詞の中から、登録する単語の品詞のセレクションボックスをクリックします。
品詞については、表 9-2 を参照してください。
「適用」ボタンをクリックします。
入力した単語が登録されて、登録終了ウィンドウが表示されます。
登録終了ウィンドウで「了解」ボタンをクリックします。
単語フィールドと読みフィールドの内容が消去されます。
単語登録ウィンドウで「ファイル変更」ボタンをクリックすると、ファイル名のリストから辞書ファイルを指定することができます。
ファイル変更の手順は次のとおりです。
「ファイル変更」ボタンをクリックします。
辞書ファイル指定ウィンドウが表示されます。
選択したいファイル名の上をクリックします。
ファイル名が反転表示されます。
選択したいファイル名がリストに存在しない場合、次の手順に従ってください。
リストに選択したいファイル名が存在しない場合、「セレクション・ボックス」ボタンをクリックします。
ファイル指定ウィンドウが表示されます。
ディレクトリを指定して「フィルタ」ボタンをクリックします。
指定したディレクトリのファイルリストが表示されます。
単語を登録したい辞書ファイル名を指定して「了解」ボタンをクリックします。
辞書ファイル指定ウィンドウの「セレクション」フィールドにファイル名が表示されます。
ファイル指定ウィンドウから指定した辞書ファイルをリストに登録したい場合は、「セレクションをリストに追加」ボタンをクリックします。 ファイルリストから辞書ファイル名を削除したい場合は、対象辞書ファイルを指定して「選択ファイルをリストから削除」ボタンをクリックします。
「了解」ボタンをクリックします。
各ウィンドウの「辞書ファイル名」入力フィールドに選択したファイル名が入力されます。
表 9-2 品詞の種類
番号 |
品詞の種類 |
品詞の内容 |
例 |
---|---|---|---|
1 |
一般名詞 |
物や物の状態に付ける一般的な名詞 |
花、鳥 |
2 |
固有人名 |
人物に付ける固有の名詞 |
佐藤、田中 |
3 |
固有地名 |
場所に付ける固有の名詞 |
世田谷 |
4 |
固有組織 |
組織に付ける固有の名詞 |
日本サン・ソフト |
5 |
固有一般 |
人物・場所・組織以外に付ける固有の名詞 |
Solaris |
6 |
名詞サ変 |
後にサ変動詞「する」を付けることができる名詞 |
指名 (指名する)、決定 (決定する) |
7 |
名詞ザ変 |
後にザ変動詞「ずる」を付けることができる名詞 |
命 (命ずる)、念 (念ずる) |
8 |
名詞形動 |
物事の姿・状態・性質などを表し、後ろに「だ」や「な」を付けることができる名詞 |
安全 (安全な)、完璧 (完璧だ) |
9 |
独立語 |
動詞・助動詞が付かず他のことばとのつながりを持たないことば |
ありがとう、おはようございます |
10 |
単漢字 |
一文字の漢字 |
亜、委、宇 |
11 |
連体詞 |
活用がなく、体言だけを修飾することば |
あの、その、この、堂々たる |
12 |
接続詞 |
語句を続けるために使うことば |
そして、しかし |
13 |
感動詞 |
感動・応答・呼びかけなどを表すことば |
ああ、やま、まあ |
14 |
接頭語 |
他のことばの前に付けて使うことば |
御、お、ご、無、非、不 |
15 |
接尾辞 |
他のことばの後に付けて使うことば |
個、達、様、めく |
16 |
数詞 |
数量や順序などを数えて示すことば |
1、2、3 |
17 |
カ行五段 |
カ行の五段活用する動詞 |
書く、動く、歩く、鳴く |
18 |
ガ行五段 |
ガ行の五段活用する動詞 |
急ぐ、泳ぐ |
19 |
サ行五段 |
サ行の五段活用する動詞 |
示す、消す、愛す |
20 |
タ行五段 |
タ行の五段活用する動詞 |
立つ、勝つ、待つ |
21 |
ナ行五段 |
ナ行の五段活用する動詞 |
死ぬ |
22 |
ハ行五段 |
ハ行の五段活用する動詞 |
言ふ、笑う、思ふ |
23 |
バ行五段 |
バ行の五段活用する動詞 |
飛ぶ、遊ぶ、喜ぶ |
24 |
マ行五段 |
マ行の五段活用する動詞 |
生む、好む、読む |
25 |
ラ行五段 |
ラ行の五段活用する動詞 |
売る、入る、走る |
26 |
ワ行五段 |
ワ行の五段活用する動詞 |
会う、笑う、使う |
27 |
一段動詞 |
上一段、下一段活用する動詞 |
着る、起きる、植える |
28 |
カ変動詞 |
カ行変格活用する動詞 |
来る |
29 |
サ変動詞 |
サ行変格活用する動詞 |
熱する、欲する、察する |
30 |
ザ変動詞 |
ザ行変格活用する動詞 |
感ずる、あまんずる |
31 |
形容詞 |
物事の性質・状態を表し、言い切るときの形が「い」で終わることば |
美しい、大きい、広い |
32 |
形容動詞 |
物事の性質・状態を表し、言い切るときの形が「だ」や「な」で終わることば |
静かだ (な)、愉快だ (な) |
33 |
副詞 |
主に用言(動詞・形容詞・形容動詞)を修飾することば |
たいへん、ほんとう、なんと |
「<読み>、<単語>、<品詞>」で構成された単語ファイルを作成してから、まとめて登録します。
一括登録や一括削除に使用するには、単語ファイルを次の形式のテキストファイルとして作成してください。
ファイルの先頭行を「!ATOK8」とする
感嘆符「!」は半角にしてください。「ATOK8」は全角・半角、大文字・小文字のどちらでもかまい*ません。この行で、単語ファイルに入力された品詞が ATOK8 の品詞体系であることを表わします。
単語ファイルには必ず日本語 EUC を使用してください。
単語ファイル中にコメント行を入力する場合は、半角の感嘆符を行の先頭に記述します。単語ファイルに関する情報 (ファイルの内容や作成日など) を入力しておくと便利です。コメント行は単語ファイルの途中にも入力することができます。
ファイルの各行を「<読み>、<単語>、<品詞>」として、読点「、」またはカンマ「,」で区切る
品詞は、表 9-2 に従って、品詞文字列、または全角か半角の品詞番号で入力します。省略した場合は一般名詞 (1) で登録されます。 単語の中に全角あるいは半角のカンマや読点を使用する場合は、単語を二重引用符「"」か単一引用符「`」 で囲んで入力します。
!ATOK8 いち、一太郎、固有一般 FD、フロッピィディスク、一般名詞 たろはな,"一太郎,花子",1 !取引先上位 2 社 さん,日本サン・マイクロシステムズ株式会社,固有組織 XXX,XXX有限会社,固有組織 |
一覧コマンドで作成した「単語一覧ファイル」、削除コマンドで作成した「削除単語ファイル」はそのまま単語ファイルとして使用できます。未登録単語ファイルも単語ファイルの形式に修正すれば、単語ファイルとして使用できます。
一括登録の手順は次のとおりです。
ファイル名を入力する際に「ファイル変更」ボタンをクリックすると、ファイル名のリストから辞書ファイルを指定することができます。手順については、「辞書ファイルの変更」の手順 2. の a 以降を参考にしてください。未登録語ファイルについては、「未登録語ファイル」を参照してください。
ATOK8 辞書メンテナンスツールの「一括登録」をクリックします。
一括登録ウィンドウが表示されます。
「辞書ファイル名」入力フィールドに、単語を登録したい辞書ファイルの絶対パス名を入力します。
「単語ファイル名」入力フィールドに、登録したい単語ファイルの絶対パス名を入力します。
登録できなかった単語があった場合に、未登録単語ファイルを作成するかどうかを設定します。作成する場合、「未登録単語ファイル名」入力フィールドに作成するファイルの絶対パス名を入力します。
「適用」ボタンをクリックします。
登録が開始されます。作業が正常に終了すると登録された件数が表示されます。
未登録単語の一覧が「<読み>、<単語>、<品詞> <- <エラー番号>」の形式で、ファイルに保存されます。エラーの原因を確認して内容を修正すれば、もう一度一括登録用の単語ファイルとして使用することもできます。
表 9-3 一括登録・一括削除のエラー番号と原因
エラー番号 |
原因 |
---|---|
1 |
読みが長すぎる |
2 |
読みに不適切な文字が含まれている |
3 |
読みの先頭文字が不適切 |
4 |
単語が長すぎる |
5 |
単語に不適切な文字が含まれている |
6 |
読みの長さと表記の長さが合っていない |
7 |
品詞が不適切 |
8 |
単語ファイルの入力形式が不適切 |
9 |
この読みではこれ以上登録できない |
10 |
同じ読みがいっぱいになった |
11 |
すでに登録されている |
指定した読みで登録されている単語の中から選択した単語を削除します。 読みを指定して削除する手順は次のとおりです。
「ファイル変更」ボタンをクリックするとファイル名のリストから辞書ファイルを指定することができます。手順については、「辞書ファイルの変更」の手順 2. の a 以降を参考にしてください。
ATOK8 辞書メンテナンスツールの「単語削除」をクリックします。
単語削除ウィンドウが表示されます。
「辞書ファイル名」入力フィールドに、単語を登録したい辞書ファイルの絶対パス名を入力します。
次の表を参考にして単語の種類を選択します。
表 9-4 単語の種類
単語の種類 |
定義 |
---|---|
登録単語 |
単語登録機能を利用して登録した単語 |
システム単語 |
最初から辞書に入っている単語 |
自動登録単語 |
学習によって自動的に登録された単語 |
削除した単語の一覧ファイルを削除単語ファイルとして作成するかどうかを設定します。作成する場合、「削除単語ファイル名」を入力フィールドに作成するファイルの絶対パス名を入力します。
削除単語ファイルを作成すると、そのまま一括登録・一括削除の入力ファイルとして使用することができます。
「品詞選択」ボタンをクリックすると、品詞選択ウィンドウが表示されます。品詞選択ウィンドウで削除したい単語の品詞を選択してから「了解」ボタンをクリックしてください。
品詞の選択が確定されます。品詞については、表 9-2 を参照してください。
単語削除ウィンドウで「読み」入力フィールドに削除したい単語の読みを入力してから、「検索」ボタンをクリックします。
検索作業が開始されます。
検索結果が表示されたら、1 つ以上の単語をクリックして選択・選択解除します。
「次検索」ボタンをクリックすると、指定した読み以降の読みの単語が検索されます。
「適用」ボタンをクリックします。
選択した単語が削除されます。
どの読みからどの読みまでの単語を削除するかを 50 音順またはコード順に指定して、一括削除をします。連続削除の手順は次のとおりです。
「ファイル変更」ボタンをクリックすると、ファイル名のリストから辞書ファイルを指定することができます。手順については、「辞書ファイルの変更」を参照してください。
ATOK8 辞書メンテナンスツールの「連続削除」をクリックします。
連続削除ウィンドウが表示されます。
「辞書ファイル名」入力フィールドに、単語を登録したい辞書ファイルの絶対パス名を入力します。
次の表を参考にして単語種類設定を選択します。
単語の種類 |
定義 |
---|---|
登録単語 |
単語登録機能を利用して登録した単語 |
システム単語 |
最初から辞書に入っている単語 |
自動登録単語 |
学習によって自動的に登録された単語 |
削除した単語の一覧ファイルを削除単語ファイルとして作成するかどうかを設定します。作成する場合、「削除単語ファイル名」入力フィールドに作成するファイルの絶対パス名を入力します。
削除単語ファイルを作成すると、そのまま一括登録・一括削除の入力ファイルとして使用することができます。
「品詞選択」ボタンをクリックすると、品詞選択ウィンドウが表示されます。品詞選択ウィンドウで削除したい単語の品詞を選択してから「了解」ボタンをクリックしてください。
品詞の選択が確定されます。品詞については、表 9-2 を参照してください。
「終了読み」を省略した場合は「開始読み」で登録されている単語が削除されます。すべての読みを指定したい場合は「開始読み」に「#」、「終了読み」に「ん」を設定してください。 「開始読み」を設定しないで「適用」ボタンを押すと、設定を促すメッセージが表示されます。削除作業は実行されません。
削除される単語を確認することはできません。削除する範囲は慎重に指定してください。
単語削除ウィンドウで「開始読み」入力フィールドと「終了読み」入力フィールドを設定してから、「適用」ボタンをクリックします。
削除作業が実行されます。削除作業が正常に終了すると削除された件数が表示されます。
「<読み>、<単語>、<品詞>」で構成された単語ファイルを作成してから、その内容をまとめて削除します。単語ファイルの形式については、「単語ファイルの形式」を参照してください。 一括削除の手順は次のとおりです。
「ファイル変更」ボタンをクリックすると、ファイル名のリストから辞書ファイルを指定することができます。手順については、「辞書ファイルの変更」を参照してください。
単語ファイルには必ず日本語 EUC を使用してください。
ATOK8 辞書メンテナンスツールの「一括削除」をクリックします。
一括削除ウィンドウが表示されます。
「辞書ファイル名」入力フィールドに、単語を登録したい辞書ファイルの絶対パス名を入力します。
「単語ファイル名」入力フィールドに、登録したい単語ファイルの絶対パス名を入力します。
削除した単語の一覧ファイルを削除単語ファイルとして作成するかどうかを設定します。作成する場合、「削除単語ファイル名」入力フィールドに、作成するファイルの絶対パス名を入力します。
削除単語ファイルを作成すると、そのまま一括登録・一括削除の入力ファイルとして使用することができます。
削除される単語を確認することはできません。削除する内容は慎重に指定してください。
「適用」ボタンをクリックします。
削除作業が実行されます。削除作業が正常に終了すると削除された件数が表示されます。
辞書の内容を画面に一覧表示します。表示結果をファイルに保存することもできます。どの読みからどの読みまでの単語を表示するか 50 音順またはコード順に指定して、一覧表示させます。 一覧表示の手順は次のとおりです。
「ファイル変更」ボタンをクリックすると、ファイル名のリストから辞書ファイルを指定することができます。手順については、「辞書ファイルの変更」の手順 2. a 以降を参考にしてください。
ATOK8 辞書メンテナンスツールの「一覧表示」をクリックします。
一覧表示ウィンドウが表示されます。
「辞書ファイル名」入力フィールドに、単語を登録したい辞書の絶対パス名を入力します。
次の表を参考にして単語種類設定を選択します。
単語の種類 |
定義 |
---|---|
登録単語 |
単語登録機能を利用して登録した単語 |
システム単語 |
最初から辞書に入っている単語 |
自動登録単語 |
学習によって自動的に登録された単語 |
単語の種類は複数選択することができます。単語を 2 種類以上選択した場合は、登録単語には * マーク、自動登録単語には $ マークが付きます。
表示モード |
機能 |
---|---|
連続表示 |
単語の一覧が最後まで連続して表示される |
画面単位 |
単語の一覧が画面ごとに表示される。 「再開」ボタンをクリックすると次画面が表示される |
指定した範囲の単語一覧ファイルを作成するかどうかを設定します。作成する場合、「単語一覧ファイル名」入力フィールドに作成するファイルの絶対パス名を入力します。
「品詞選択」ボタンをクリックすると、品詞選択ウィンドウが表示されます。検索の対象とする品詞を選択してから「了解」ボタンをクリックしてください。
品詞の選択が確定されます。品詞については、表 9-2 を参照してください。
「終了読み」を省略した場合は「開始読み」で登録されている単語が一覧表示されます。すべての読みを指定したい場合は「開始読み」に「#」、「終了読み」に「ん」を設定してください。 「開始読み」を設定しないで「適用」ボタンを押すと、設定を促すメッセージが表示されます。単語の一覧表示は実行されません。
一覧表示ウィンドウで「開始読み」入力フィールドと「終了読み」入力フィールドを設定してから、「適用」ボタンをクリックします。
単語が一覧表示されます。
ATOK8 用の辞書を複数使用している場合に、1 つの辞書 (読出辞書) に登録した単語をもう 1 つの辞書 (書込辞書) に登録することができます。この作業をマージ (=合併) と呼びます。
単語数によっては、登録に時間がかかる場合があります。読出辞書と書込辞書に同じ単語がある場合、読出辞書の単語は書込辞書に書き込まれません。
マージできる単語はユーザーが手動で登録した単語に限ります。自動登録された単語をマージするには、一覧表示で自動登録単語の単語一覧ファイルを作成してから一括登録を実行してください。
マージの手順は次のとおりです。
「ファイル変更」ボタンをクリックすると、ファイル名のリストから辞書ファイルを指定することができます。手順については、「辞書ファイルの変更」を参照してください。
ATOK8 辞書メンテナンスツールの「マージ」をクリックします。
マージウィンドウが表示されます。
「読出辞書ファイル名」入力フィールドに読み出したい ATOK8 用の辞書ファイルの絶対パス名を入力します。
「書込辞書ファイル名」入力フィールドに書き込みたい ATOK8 用の辞書ファイルの絶対パス名を入力します。
登録できなかった単語があった場合に、未登録単語ファイル作成するかどうかを設定します。作成する場合、「未登録単語ファイル名」入力フィールドに作成するファイルの絶対パス名を入力します。
「品詞選択」ボタンをクリックすると、品詞選択ウィンドウが表示されます。マージの対象とする品詞を選択してから「了解」ボタンをクリックしてください。
品詞の選択が確定されます。品詞については、表 9-2 を参照してください。
「適用」ボタンをクリックします。
辞書のマージが開始されます。
辞書の内容を整理することによって、検索速度を上げることができます。この操作は多くの単語を登録している辞書に対して特に効果的です。 内容を整理する手順は次のとおりです。
「ファイル変更」ボタンをクリックすると、ファイル名のリストから辞書ファイルを指定することができます。手順については、「辞書ファイルの変更」を参照してください。
ATOK8 辞書メンテナンスツールの「内容整理」をクリックします。
内容整理ウィンドウが表示されます。
「辞書ファイル名」入力フィールドに内容を整理したい ATOK8 用の辞書ファイルの絶対パス名を入力します。
「適用」ボタンをクリックします。
辞書の内容整理が開始されます。
辞書ユーティリティコマンド は、辞書を整備するためのコマンドです。このコマンドを使用して、コマンド行から辞書の内容を操作することができます。 次の 6 つの機能から構成されています。
単語ファイルを作成して一括登録する
読みの範囲を指定して連続削除する
単語ファイルを作成して一括削除する
辞書の単語を一覧表示する
2 つの辞書を 1 つにまとめる (マージ)
辞書に登録した単語を整理して変換効率を上げる (内容整理)
単語ファイルには必ず日本語 EUC を使用してください。
辞書のバックアップを作成してから辞書ユーティリティを実行してください。
「<読み>、<単語>、<品詞>」で構成された単語ファイルを作成してから、まとめて登録します。単語ファイルの形式については、「単語ファイルの形式」を参照してください。
シェルのコマンド行から atok8dicm コマンドを次のように入力します。
引数については atok8dicm(1) のマニュアルページを、単語ファイルの形式については 「単語ファイルの形式」を参照してください。
% atok8dicm -a -i <単語ファイル名> <ATOK8 辞書ファイル名> |
登録できなかった単語のファイルを作成したい場合は、コマンド実行時に次の入力例のようにリダイレクトでファイル名を指定してください。
% atok8dicm -a -i /tmp/tango ‾/.atok8/atok8.dic > /tmp/notadded.log |
どの読みからどの読みまでの単語を削除するかを 50 音順またはコード順に指定して、一括削除をします。連続削除の手順は次のとおりです。
シェルのコマンド行から atok8dicm コマンドを次のように入力します。
-t に続く xxx には、 表 9-4 とatok8dicm(1) のマニュアルページを参考にして単語種類設定を入力します。-h に続く xxx には、表 9-2 とマニュアルページを参考にして品詞番号入力します。その他各引数については、atok8dicm(1) のマニュアルページを参照してください。
% atok8dicm -x -s <開始読み> -e <終了読み> [-t xxx] [-h xxx] <ATOK8 辞書ファイル> |
削除された単語のファイルを作成したい場合は、コマンド実行時に次の入力例のようにリダイレクトでファイル名を指定してください。
% atok8dicm -x -s い -e いえ -t s -h 1+3 ‾/.atok8/atok8.dic > /tmp/del.log |
「<読み>、<単語>、<品詞>」で構成された単語ファイルを作成してから、まとめて登録します。単語ファイルの形式については、「単語ファイルの形式」を参照してください。
シェルのコマンド行から atok8dicm コマンドを次のように入力します。
引数については atok8dicm(1) のマニュアルページを、単語ファイルの形式については 「単語ファイルの形式」を参照してください。
% atok8dicm -d -i <単語ファイル名> <ATOK8 辞書ファイル名> |
削除された単語のファイルを作成したい場合は、コマンド実行時に次の入力例のようにリダイレクトでファイル名を指定してください。
% atok8dicm -d -i /temp/tango ‾/.atok8/atok8.dic > /tmp/del.log |
どの読みからどの読みまでの単語を削除するかを 50 音順またはコード順に指定して、一括削除をします。連続削除の手順は次のとおりです。
シェルのコマンド行から atok8dicm コマンドを次のように入力します。
-t に続く xxx には、 表 9-4 とatok8dicm(1) のマニュアルページを参考にして単語種類設定を入力します。 -h に続く xxx には、表 9-2 とマニュアルページを参考にして品詞番号入力します。その他各引数については、atok8dicm(1) のマニュアルページを参照してください。
% atok8dicm -l -s <開始読み> -e <終了読み> [-t xxx] [-h xxx] <ATOK8 辞書ファイル> |
単語一覧ファイルを作成したい場合は、コマンド実行時に次の入力例のようにリダイレクトでファイル名を指定してください。
% atok8dicm -l -s う -e うん -t all -h all ‾/.atok8/atok8.dic > /tmp/dic.list |
ATOK8 用の辞書を複数使用している場合に、1 つの辞書 (読出辞書) に登録した単語をもう 1 つの辞書 (書込辞書) に登録することができます。この作業をマージ (=合併) と呼びます。
マージできる単語はユーザーが手動で登録した単語に限ります。自動登録された単語をマージするには、一覧表示で自動登録単語の単語一覧ファイルを作成してから一括登録を実行してください。
単語数によっては、登録に時間がかかる場合があります。読出辞書と書込辞書に同じ単語がある場合、読出辞書の単語は書込辞書に書き込まれません。
マージの手順は、次のとおりです。
シェルのコマンド行から atok8dicm コマンドを次のように入力します。
-h に続く xxx には、表 9-2 とマニュアルページを参考にして品詞番号入力します。その他各引数については、atok8dicm(1) のマニュアルページを参照してください。
% atok8dicm -m [-h xxx] -r <読出 ATOK8 辞書ファイル名> <書込 ATOK8 辞書ファイル名> |
マージできなかった単語のファイル (未登録単語ファイル) を作成したい場合は、コマンド実行時に次の入力例のようにリダイレクトでファイル名を指定してください。
% atok8dicm -m -r ‾/.atok8/atok8.dic ‾/.atok8/atok8.dic > /tmp/notmerged.list |
辞書の内容を整理することによって検索効率を向上させることができます。この操作は、多くの単語を登録している辞書に対して特に効果的です。 内容を整理する手順は次のとおりです。
シェルのコマンド行から atok8dicm コマンドを次のように入力します。
引数については atok8dicm(1) のマニュアルページを参照してください。
% atok8dicm -o <ATOK8 辞書ファイル名> |
ホームディレクトリに空き領域が十分に確保できない場合、ホームディレクトリ以外に配置した方が ATOK8 の速度性能が向上する場合、複数のユーザーで共有する場合などに次の手順で辞書をホームディレクトリ以外に配置してください。
ATOK8 の辞書を配置したい場所にコピーします。
$HOME/.atok8/ に辞書ファイルが存在する場合は次のように入力します。
% cp $HOME/ .atok8/atok8*.dic <配置したいディレクトリ> % chmod 600 <配置したディレクトリ> /atok8*.dic |
$HOME/.atok8/ に辞書ファイルが存在しない場合は次のように入力します。
% cp /usr/openwin/lib/locale/ja/atok8/atok8*.dic <配置したいディレクトリ> % chmod 600 <配置したディレクトリ> /atok8*.dic |
ATOK8 起動時に $HOME/.atok8/ に辞書がコピーされないように $HOME/.atok8/ に空の辞書ファイルを配置します。
% cd $HOME/.atok8 % cp /dev/null atok8.dic % cp /dev/null atok8you.dic % chmod 600 atok8*.dic |
環境設定ツールの「辞書ファイル設定」を選択して、配置した辞書のパス名を設定します。
設定方法については、第 10 章「環境のカスタマイズ」を参照してください。
ホームディレクトリ以外に配置した辞書を複数のユーザーで共有することもできます。ただし、その場合は他のユーザーの変換結果も辞書に反映されます。共有するには、「ホームディレクトリ以外への配置」の手順 1 で配置した辞書ファイルのアクセス権を各ユーザーが読み書きできるように設定してください。
MS-DOS 版、または マイクロソフト Windows 版 の ATOK8 の辞書ファイルは、そのまま Solaris 版 ATOK8 で使用することができます。MS-DOS、または マイクロソフト Windows 上の辞書ファイルをバイナリファイルとして転送して使用してください。