入力してきた文章の分野を自動的に判断し、文脈情報に基づいた同音語処理を実現しています。
文脈解析変換をさらに強化し、文章中の指示詞 (これ、それ、あれ、この、その、あの、など) と、それらが指し示す言葉との関係を適切に判断して、同音語を正しく識別します。
「それ」が「授業の問題」を指すことを認識し、「解いた」に正しく変換します。
「その」が「大幅な減税」を指すことを認識し、「政策」に正しく変換します。
「あの」が「姫路城」を指すことを認識し、「城」に正しく変換します。
文章の差異による同音語の違いを的確に判断して変換します。
それぞれの文節が文章の中でどのような係り受け関係になっているかを解析し、高い変換効率を実現しています。
「窓を」が「開けておきました」に、「夜が」が「明けるまでに」に係っているのを正しく認識します。
構文意味解析により、判断しづらい文節の区切りも的確に判断します。
「磨いた」、「訪ねた」の動詞の違いにより、文節の区切りを正しく判断しています。
最先端技術の搭載だけでなく、地味に思われがちな処理も着実に強化して、より一層快適な変換を実現しています。
たとえば、ATOK12 では、数字交じりの文章もより正確に変換できます。
入力・変換する時点で文章をチェックし、正確な文章の表現をサポートする JUST MEDDLER2 を搭載しています。「ら抜き表現の使用」、「文体の統一」、「同一助詞の過剰な連続」、「修飾関係のあいまい性」、「わかりにくい否定表現」、「誤用」、「仮名遣い誤り」、「商標名」、「機種依存文字」をチェックし、メッセージで注意を促します。
一度入力した文字列を短い読みで変換して、効率的に入力することができます。文字列を入力したとき、途中で変換した・しないにかかわらず、意味のまとまりのある候補から選択して入力できます。確定した候補は学習されるので、コンピュータを起動し直しても、引き続き短い読みで変換できます。
文字列を確定したあとに同じ文字列を未確定の状態で入力できます。ATOK12 では、直前に入力した文字列だけでなく、最近確定した文字列も履歴から選択して入力できます。
候補ウィンドウに表示される変換候補を、先頭の文字列または末尾の文字列が同じ単語で並べ替えることができます。人名など変換候補が多い場合に便利な機能です。
文字の種類ごとに、半角・全角のどちらに変換するかを指定できます。入力中の文字や、後変換での表記を統一することもできます。
特定の語句が入力された場合に、メッセージが表示されるように設定しておくことができます。禁止用語や登録商標、常用漢字外などの入力の注意や、置換候補として電子メールの宛先を登録しておくなど、いろいろな応用が可能です。
部首、総画数、読みなどの検索条件をもとに、文字パレットを使いながら視覚的に漢字検索を行います。複数の検索条件を組み合わせて設定することも可能です。
ローマ字入力時のアルファベットの入力ミスや、カナ入力時の濁点・半濁点の入力ミスを自動的に修正し、正しいかな漢字変換を行います。
ローマ字入力時
入力文字列 | 変換後の文字列 |
まっっちゃをのむ | 抹茶を飲む |
ちゅごくりょこう | 中国旅行 |
こうえんおいす | 公園のいす |
カナ入力時
入力文字列 | 変換後の文字列 |
らくか゜き | 落書き |
らつきー | ラッキー |
てがみわだす | 手紙を出す |
複数の辞書をまとめて、まるでひとつの辞書のような感覚で運用することができます。1 個のシステム辞書、1 個のユーザー辞書、そして 4 個までの補助辞書をセットで使うことが可能です。たとえば、補助辞書には医学用辞書や法律用辞書など分野別の辞書を組み込んでおくと便利です。これが 1 つの辞書セットで、辞書セットは最大 10 セットまで設定しておくことができます。
入力中に他の言語用の入力システムと切り替えて使用することにより、日本語 ja_JP.UTF-8 ロケールなど、UTF-8 (Unicode) ロケールで多言語文字入力を行うことができます。それらのロケールでは、ATOK12 単独でも、文字パレットユーティリティの Unicode 表などを使用して各種の文字を入力することができます。
Motif アプリケーションなどの X ウィンドウシステムのアプリケーションからだけでなく、Swing インタフェースを使って作成された Java2 アプリケーションからも利用できます。
ユーティリティの操作と機能に関してだけでなく、日本語入力・変換など全般にわたる情報をヘルプを使って参照することができます。