テキストエディタの制御領域には「ファイル (File)」、「表示 (View)」、「編集 (Edit)」、「検索 (Find)」ボタンがあります。これらのメニューボタンは、テキストペインのポップアップメニューのメニュー項目として入っています。
テキストペインのポップアップメニューを表示するには、ポインタをテキストペインの任意の位置に移動してメニューボタンを押します (テキストペインのポップアップメニューは、コンソール、コマンドツール、メールツールのテキストペインにもあります)。
テキストペインのポップアップメニューの各項目のコマンドは、この後の節に説明があるテキストエディタのウィンドウ制御機能と同じように動作します。「その他」というテキストペインのポップアップメニューの特別の項目については、この章の後半で説明します。
「ファイル (File)」メニューには、テキストファイルのドキュメントをオープンしたり、保存したり、別名を付けて保存したり、取り込んだり、空にしたりする項目があります。ファイルのオープンと保存に関する詳細については、第 1 章「Solaris ユーザ環境の紹介」の 「ファイルのオープン、保存、取り込み、アタッチ」を参照してください。
「ファイル取り込み」を使うと既存ファイルを新規テキストファイルに取り込むことができます。
ファイルの取り込みはファイルの保存やオープンと同じ方法で行います。オープンまたは保存するファイルの選択方法の詳細については、第 1 章「Solaris ユーザ環境の紹介」を参照してください。
「ファイル」メニューの「文書クリア」を使うとテキストペインの内容をクリアすることができます。内容を変更しまだ保存していないときは、編集した作業を保存するか、キャンセルするかをたずねる警告の表示が行われます。
「表示 (View)」メニューには、カーソル位置の制御や行ラップの方法を選択する項目があります。
「行番号で指定 (Select Line at Number)」を使うと、図 3-3 に示す「テキスト:行番号 (Text:Line Number)」ウィンドウを表示することができます。選択したい行の番号を入力し、「行番号で指定 (Select Line at Number)」ボタンの上でセレクトボタンをクリックします。指定した行のテキストが選択され、挿入点が選択したテキストの終端に移動します。
「表示」メニューの「行番号は ? (What Line Number?)」を使うと、選択したテキストが始まる行番号を調べることができます。行番号は確認ウィンドウに表示されます。テキストエディタウィンドウに現在の選択項目がないときは、確認ウィンドウには行番号ではなくエラーメッセージが表示されます。
「表示」メニューの「キャレット位置を先頭に」を使うと、キャレットの付いた行をテキストペインの最上部から 3 行目に移動して、ドキュメントをスクロールすることができます。
「行ラップ (wrap) 変更 (Change Line Wrap)」サブメニューには、行ラップ用に単語単位、文字単位、および行クリップの 3 つの選択項目があります。図 3-4 に示すテキストでは文字単位でラップされるため、単語は行の終端でとぎれます。
一般に使用される行のラップ方法は単語の終端でラップするものです。図 3-5 に示すテキストは単語の終端でラップされています。
「行をクリップ (Clip Lines)」を選択すると、キャリッジリターンで終わる各行の先頭が表示されます。図 3-6 では、行にキャリッジリターンが入っていないため、画面上の 1 行に 1 つのパラグラフが表されています。つまり、各パラグラフの終わりにだけ、キャリッジリターンが入っています。
「編集 (Edit)」メニューには次のような標準的な編集機能があります。
「取り消し」を使うと、「取り消し」サブメニューから選択した項目に応じて最後に行なった編集操作またはすべての編集操作を取り消すことができます。
「コピー」を使うと、選択したテキストのコピーをクリップボードに保存することができます。一度に 1 つの選択項目だけをクリップボードに保存できます。クリップボードにすでにテキストが入っているときに「コピー」または「カット」を使うと、クリップボードは新しい内容で上書きされます。
「 カット」を使うと、選択したテキストを削除し、それをクリップボードに保存します。一度に 1 つの選択内容だけをクリップボードに保存できます。
「検索 (Find)」メニューの項目は、特定のテキスト文字列、区切り文字、特殊文字を検索してテキスト文字列を検索し、それを別の文字列に置き換えるのに利用できます。
「テキスト:検索置換 (Text:Find and Replace)」ウィンドウを表示して、テキストから特定のテキスト文字列を検索し、別の文字列に置き換えるには、「検索と置換 (Find and Replace)」を使います。現在の選択項目がある場合は、図 3-7 の例に示すようにその選択項目が自動的に検索テキストフィールドに表示されます。
テキスト文字列を検索してそれを選択するには、「検索 (Find)」フィールドにテキストを入力し、「検索」ボタンの上でセレクトボタンをクリックします。最初に文字列を見つけた後再び「検索」ボタンの上でセレクトボタンをクリックすると、次のテキスト文字列を検索して選択します。
現在の選択をテキスト文字列に置き換えるには、「置換 (Replace)」フィールドにテキストを入力し、「置換」ボタンの上でセレクトボタンをクリックします。「検索」ボタンと「置換」ボタンを合わせて使うと、文字列を検索して別の文字列に置き換えるか、または個別にハイライトされたテキストを置き換えることができます。置換テキストフィールドをブランクのままにしておくと、文字列を置き換えないでおくことができます。
タブまたはキャリッジリターンを含むテキストを検索したい場合は、「テキスト:検索置換 (Text:Find and Replace)」 ウィンドウを表示する前に、テキストペインでタブまたはキャリッジリターンが入っているテキストを選択します。「検索置換 (Find and Replace)」テキストフィールドにキャリッジリターンまたはタブを直接入力することはできません。
「検索置換」ウィンドウの一番下にあるボタンは、検索と置換の操作を結合し、これらの任意の組み合わせを素早く行うことができます。
「検索して置換 (Find then Replace)」ボタンを使うと、検索テキストフィールドのテキスト文字列を探し出し、次にその文字列を置換テキストフィールドのテキスト文字列と即座に置き換えることができます。
「置換して検索 (Replace then Find)」ボタンを使うと、現在選択しているテキストと置換テキストフィールドのテキスト文字列とを置き換え、次の検索を行います。
「一括置換 (Replace All)」ボタンを使うと、指定したテキスト文字列を検索しすべて置換テキスト文字列に置き換えることができます。
検索および置換操作をすべてのテキストに適用するか、この操作を挿入点からドキュメントの終端までのテキストに制限するかを指定することができます。「全文 (All Text)」または「最後まで (To End)」のどちらかを選択するには、ウィンドウの右下角の簡略メニューボタンを使用します。現在の設定は、図 3-7 に示すように簡略メニューボタンの右に示されます。
「検索 (Find)」メニューの「セレクト内容を検索」は、現在の選択項目としてハイライトされたテキスト文字列をファイルから検索します。検索選択項目サブメニューから「前方 」または「後方」を選択することにより、挿入点から順方向または逆方向に検索できます。
「検索 (Find)」メニューの「マークテキストを検索 (Find Marked Text)」を使うと、 図 3-8 に示す「テキスト:マークテキストを検索 (Text:Find Marked Text)」ウィンドウのオプションで指定する区切り文字間のテキストをハイライトすることができます。
「テキスト:マークテキストを検索」ポップアップウィンドウで選択できる区切り文字のどれかに対してテキストの検索やハイライトを行うことが可能です。区切り文字のどれかの上でセレクトボタンをクリックしてから、「ペア記号検索 (Find Pair)」ボタンの上でセレクトボタンをクリックします。「前方 (Forward)」や「後方 (Backward)」は、現在の挿入点から順方向に検索するか、逆方向に検索するかを指示するのに使います。プログラムコードの対応する小かっこなどのように入れ子になった区切り文字がある場合は、「拡張 (Expand)」選択項目を使って現在の挿入点から指定区切り文字の次の外側にあるペアへとテキスト選択を拡張することができます。
選択した区切り文字で選択したテキストを囲むには、「ペア記号挿入 (Insert Pair)」ボタンの上でセレクトボタンをクリックします。選択したテキストから区切り文字の対応するペアを削除するには、「ペア記号削除 (Remove Pair)」ボタンの上でセレクトボタンをクリックします。
テキストペインは、記号 |> と <| の間をテキストフィールドとして認識します。検索メニューの「置換 |>field<|」項目を使って、テキスト内を挿入点から順方向に検索し、各フィールドを検索して選択できます。「置換 |>field<|」サブメニューには「拡張 」、「次」、 「以前の位置に」の 3 つのオプションがあります
テキストペインのキャレットがフィールド区切り文字の間にあるときは、「拡張」を選択して両方向に検索し、フィールド全体とその区切り文字を選択します。
「次」は、挿入点から順方向に検索し、次のフィールドを選択するのに使用します。
「以前の位置に」は、挿入点から逆方向に検索し、前のフィールドを選択するのに使用します。
テキストペイン・ポップアップメニューには「その他」という特別の項目があります。これは (「ファイル」、「表示」、「編集」、および「検索」の場合のように ) 制御領域のボタンにはありません。このメニューには、選択したテキストをフォーマットするための便利なフィルタがいくつかあります。「その他」メニューは完全にカタマイズ可能です。「その他」メニューから利用できるフィルタの独自のセットを定義することができます。フィルタの独自のセットを定義する方法については、「テキストエディタのカスタマイズ」を参照してください。この節にはデフォルトの「その他」メニューについての説明があります。
選択した長いテキスト行を最大 72 文字までの行に再度フォーマットを変更するには、「フォーマット」を選択します。これは、たとえば、ウィンドウ幅よりも長い行のあるメールを読み取る際に便利です。また、テキストを印刷する前にフォーマットすると、行がプリンタによって切り捨てられないようにできて便利です。
フォーマットでは UNIX の fmt コマンドを使用します。これは、行間で単語を分割せず、ブランク行と単語間の間隔をそのまま保存します。
フォーマット操作 (および fmt コマンド) は 1 行の長さが 1024 文字以下の行に対してだけ有効です。
「その他」メニューの「キャピタライズ」を使って選択テキストを大文字にすることができます。
選択したテキストの各英字を大文字にするには、「キャピタライズ」サブメニューの最初の項目、abcd->ABCD を使います。
選択したテキストの英字をすべて小文字にするには、「キャピタライズ」サブメニューの 2 番目の項目、ABCD->abcd を使います。
選択した各語の最初の英字を大文字にするには、「キャピタライズ」サブメニューの最後の項目、abcd->Abcd を使います。語の途中にある大文字の英字は変更されません。
選択したテキストの各行の先頭でタブを挿入したり、削除したりするには、「行シフト」項目を選択します。左または右のシフトを指定するには、「行シフト」サブメニューを使います。Tab キャラクタを挿入するには右シフトを、Tab キャラクタを削除するには左シフトを選択します。
この項目は、UNIX の indent コマンドを使って C プログラムリストをフォーマットします。これは標準仕様か、または .indent.pro ファイルがある場合はその仕様に従って選択項目をフォーマットします。
「ブラケット挿入 (Insert Brackets)」項目を使うと、ブラケット挿入サブメニューから選択したものに応じて、選択したテキストの前後に ( )、[ ]、{ }、または " " のいずれかを素早く挿入することができます。
「ブラケット削除 (Remove Brackets)」項目を使うと、ブラケット削除サブメニューから選択したものに応じて、選択したテキストの前後の ( )、[ ]、{ }、または " " のいずれかを削除することができます。