サービスロケーションプロトコルの管理

DA を配置する場所

この節は、DA を配置する場所について状況ごとにヒントを示します。

  1. マルチキャストルーティングが使用できず、DA がサブネット間のサービス検出をブリッジする必要がある場合

    この場合は、インタフェースおよびサービスを共有するすべてのサブネットを持つホスト上に DA を配置してください。IP パケットがインタフェースの間を経路指定されない場合を除き、net.slp.interfaces 構成プロパティを設定する必要はありませんnet.slp.interfaces プロパティの設定については、第 8 章「マルチホームホスト上での SLP の構成」を参照してください。

  2. DA が拡張に備えて配置されており、考慮すべき主要な事柄がエージェントのアクセスの最適化である場合

    UA は通常、DA に対してサービスを大量に要求します。いったん SA が DA に登録されると、頻繁ではないものの通知を定期的に更新できます。その結果、UA の DA に対するアクセスの方が SA のアクセスよりはるかに頻繁になります。通常、サービス通知の数も要求の数より小さくなります。このため、UA のアクセスに対して DA の配置が最適化されている場合、多くの DA を配置することは効率化をうながします。

  3. UA のアクセスを最適化するために、ネットワークにおいてトポロジ的に UA の近くに DA がくるように DA を置く場合

    トポロジ的に DA の近くに UA を配置すると、SLP 要求への応答についての経路指定の遅延を削減できます。UA クライアントおよび SA クライアントの両方が共有しているスコープを使用して、DA を構成してください。

複数の DA を配置して負荷を均等にする

負荷を均等にする手段として、同じスコープの集合体について複数の DA を配置できます。次のいずれかの状況の場合に、複数の DA の配置をお勧めします。

SLP トラフィックの snoop トレースを行うことによって、どれくらいの UA 要求で DA_BUSY_NOW エラーが返されるかを判断することができます。返される UA 要求の数が多い場合は、すべてのユーザーについて 1 つの DA が配置されている場合が考えられますが、物理的およびトポロジ的に DA から離れている UA は、応答が遅かったり過度にタイムアウトしたりすることがあります。建物内の UA クライアントの応答を改善するために、建物ごとに DA を配置したい場合があります。

建物を接続しているリンクは、建物内のローカルエリアネットワークよりも遅いことがあります。ネットワークが複数の建物または物理的なサイトに渡っている場合は、/etc/inet/slp.conf ファイル内の net.slp.DAAddresses プロパティを特定のホスト名またはアドレスのリストに設定して、指定した DA のみに UA がアクセスするようにします。

特定の DA がサービス登録に対して大量のホストメモリーを消費している場合は、DA がサポートするスコープ数を減らすことによって、SA 登録の数を削減します。多くの登録があるスコープを 2 つに分け、もう 1 つの DA を別のホストに配置することによって新しく作成したスコープの 1 つをサポートすることができます。