大部分のユーザは、この章で後述の 「OpenWindows の実行」で説明した基本的な手順に従って OpenWindows を起動できます。必要に応じて、追加のオプションを使って OpenWindows の起動方法を変更することもできます。
この節では、次に示す特殊なケースについて説明します。
ネットワークセキュリティを限定した OpenWindows の起動
各種モニタおよびフレームバッファを使った OpenWindows の起動
複数の画面上での OpenWindows の起動
特殊なオプションで OpenWindows を起動する場合には、次の形式の openwin コマンドを使います。
$ openwin [ options ] |
上記の options は、ウィンドウサーバのデフォルト設定をカスタマイズするためのコマンド行オプションです。次節以降では、比較的よく使われるオプションをいくつか説明します。
開放型ネットワーク環境での操作時に、ネットワークのセキュリティを重視する必要がない場合は、自分のシステムから -noauth オプションを使って、ネットワーク上の他のユーザがアプリケーションを実行できるようにします。
次のコマンドはデフォルトのセキュリティ機能を無効にし、自分のウィンドウサーバに他のユーザがアクセスできるように指定します。
$ openwin -noauth |
グレースケールのモニタ (8 ビット以上のフレームバッファを持つモノクロモニタ) を使う場合は、OpenWindows の起動時に grayvis オプションを指定できます。このオプションは、OpenWindows の表示性能をある程度向上させますが必須ではありません。
このオプションを使う場合には、システムプロンプトに対して次のように入力します。
$ cd $ openwin -dev /dev/fb grayvis |
この節の説明は SPARC ベースのマシンだけに適用されます。また、これらの手順を実行するには、システム管理の経験が多少必要です。システムを構成した経験がない場合は、システム管理者に問い合わせてください。
複数の画面上で OpenWindows 環境を実行する場合は、実行したい追加のデバイスとディスプレイの型をシステムに通知してください。起動スクリプト openwin で提供されるデフォルトのデバイスを使っても、それ以外のデバイスを指定してもかまいません。
2 つのモニタ上で OpenWindows を起動する場合は、openwin コマンドで 2 つのオプションを指定します。
$ openwin [ [ -dev device ] [ deviceoptions ] ] |
二重括弧は、[ -dev device ] と [ deviceoptions ] の組み合わせをコマンド行に複数回 (デバイスごとに 1 つ) 指定できることを意味します。
コマンド行オプションの device は、ウィンドウサーバがディスプレイ (画面) として使うフレームバッファのデバイスを指定します。
コマンド行でこのオプションを指定しない場合、サーバはデフォルトの /dev/fb を使います。コマンド行で複数の -dev オプションを指定することによって、同一サーバ上で複数のディスプレイを使うことを指示できます。
コマンド行オプションの deviceoptions は、-dev オプションで指定したデバイスの動作を変更するデバイス修飾子を指示します。
この節では、2 つのモニタを左右または上下方向に配置する例を紹介します。
これらの例では、デバイスの指定順序が重要になります。最初に指定するデバイスは、 2 番目のデバイスの物理的に左または上に配置されるモニタでなければなりません。また、2 番目に指定するデバイスは、最初のデバイスの物理的に右または下に配置されるモニタでなければなりません。
次のコマンド行は、2 つのディスプレイを起動するようシステムに指示します。左側のディスプレイはデフォルトのフレームバッファで、右側のディスプレイはモノクロです。この設定によって、2 つのディスプレイ間でカーソルを左右に移動できます。
$ openwin -dev /dev/fb left -dev /dev/fbs/bwtwo0 right |
次の例は、前記の例と同じ結果になります。デフォルトでは、コマンド行で最初に指定されたデバイスが左側に、2 番目に指定されたデバイスが右側に配置されます。
$ openwin -dev /dev/fb -dev /dev/fbs/bwtwo0 |
次のコマンド行は、2 つのディスプレイを起動するようシステムに指示します。右側のディスプレイはデフォルトのフレームバッファで、左側のディスプレイはモノクロです。この設定によって、2 つのディスプレイ間でカーソルを左右に移動できます。
$ openwin -dev /dev/fb right -dev /dev/fbs/bwtwo0 left |
次のコマンド行は、2 つのディスプレイを起動するようシステムに指示します。上側のディスプレイは CG6 (カラー) で、下側のディスプレイはモノクロです。この設定によって、2 つのディスプレイ間でカーソルを上下に移動できます。
$ openwin -dev /dev/fbs/cgsix0 top -dev /dev/fbs/bwtwo0 bottom |
次の例は、前記の例と同じ結果にはなりません。デフォルトでは、コマンド行で最初に指定されたデバイスは左側に、2 番目に指定されたデバイスが右側に配置されます。
$ openwin -dev /dev/fbs/cgsix0 -dev /dev/fbs/bwtwo0 |
次のコマンド行は、2 つのディスプレイを起動するようサーバに指示します。下側のディスプレイは CG6 (カラー) で、上側のディスプレイはモノクロです。この設定によって、2 つのディスプレイ間でカーソルを上下に移動できます。
$ openwin -dev /dev/fbs/cgsix0 bottom -dev /dev/fbs/bwtwo0 top |
複数のディスプレイを使う場合は、次の点を十分に考慮してください。
デフォルトでは、すべてのディスプレイが olwm によって管理されます。
複数のディスプレイの間でウィンドウを移動することはできません。