OpenWindows ユーザーズガイド (上級編)

プリンタの状態を確認する

LP プリントサービスの状態を調べるには、lpstat コマンドを使います。lpstat を使って、印刷待ち行列内のジョブ状態の検査、利用可能なプリンタの確認、ジョブを取り消すためのリクエスト ID の確認などを行うことができます。

印刷要求の状態を確認する

スプールされた印刷要求の状態を調べるには、次のコマンドを入力します。

$ lpstat

印刷要求を実行したファイルのリストが表示されます。

次の例では、fred というユーザがシステム pine 上のプリンタ pinecone で印刷するファイルが 1 つ待ち行列に登録されています。

$ lpstat
pinecone-10              fred            1261   Mar 12 17:34 on pine
$

lpstat コマンドは、印刷ジョブごとに 1 行ずつ要求 ID、その要求をスプールしたユーザ、バイト単位の出力サイズ、印刷要求を実行したシステムと日付と時刻に関する情報を表示します。

利用可能なプリンタを確認する

システムに接続されているプリンタを確認するには、次のように入力します。

$ lpstat -s

最初にスケジューラの状態が表示され、その後にデフォルトの宛先プリンタ、利用可能なシステムとプリンタのリストが表示されます。

次の例はスケジューラが実行中であり、デフォルトプリンタは pinecone、ネットワークプリンタは pinecone および acorn という 2 つのプリンタが利用できることを示しています。

$ lpstat -s
scheduler is running
system default destination: pinecone
system for pinecone: pine
system for acorn: oak
$

状態情報をすべて表示する

lpstat コマンドに -t オプションをつけると、LP プリントサービスの全状態を要約したリストが表示できます。

このリストを表示するには、次のように入力します。

$ lpstat -t

利用可能な状態情報がすべて出力されます。

次の例では、印刷待ち行列内にジョブが存在しません。ファイルが印刷のためにスプールされると、それらの印刷要求の状態も表示されます。

$ lpstat -t
scheduler is running
system default destination: pinecone
system for acorn: oak
pinecone accepting requests since Wed Jan 2 18:20:10 PST 1991
acorn accepting requests since Mon Mar 4 15:53:47 PST 1991
printer pinecone is idle. enabled since Wed Jan 2 18:20:22 PST
1991. available.
                                                                         
    
printer acorn is idle. enabled since Mon Mar 4 15:53:44 PST 1991.
available.
$

プリンタの状態を表示する

lpstat コマンドに -p オプションをつけると、個々のプリンタに関する状態情報が表示できます。このオプションは、プリンタの活動状況 (アクティブまたはアイドル)、使用可能または不可能になった時間、印刷要求の受付の可否などを表示します。

システム上の全プリンタに関する状態情報を表示するには、次のように入力します。

$ lpstat -p

次の例は、2 つのプリンタがアイドル状態、使用可能、印刷要求受付可能であることを示しています。これらのプリンタの印刷待ち行列にジョブが存在すれば、そのジョブ情報も表示されます。

$ lpstat -p
printer pinecone is idle. enabled since Wed Jan 2 18:20:22 PST
1991. available.
printer acorn is idle. enabled since Mon Mar 4 15:53:44 PST 1991.
available.
$

個々のプリンタに関する状態情報を表示するには、次のようにプリンタ名を指定します。

$ lpstat -p printername

printername は指定するプリンタ名です。

プリンタの特性を表示する

接続しているプリンタのすべての特性を参照する場合は、lpstat コマンドに -p オプションと -l (「long」を表す) オプションをつけます。このコマンドは、プリンタの型 (Printer type) とファイルの種類 (Content type) を調べる際に特に便利です。

システム上のすべてのプリンタの特性を表示するには、次のように入力します。

$ lpstat -p -l

各プリンタについて LP プリントサービスで使われる全構成情報が表示されます。

次の例では、プリンタ pinecone に関するフィールドのうち、プリンタの型とファイルの種類以外はすべて空白になっています。

$ lpstat -p pinecone -l
printer pinecone is idle. enabled since Wed Jan 2 18:20:22 PST
1991. available.
        Content types: PS
        Printer types: PS
        Description:
        Users allowed:
                (all)
        Forms allowed:
                (none)
        Banner not required
        Character sets:
                (none)
        Default pitch:
        Default page size:
$

lpstat コマンドのオプション

lpstat コマンドを使うと、プリンタの状態に関するさまざまな情報を表示できます。lpstat コマンドで頻繁に使われるオプションを表 8-2 にまとめてあります。これらのオプションは、コマンド行で 1 つだけ指定しても、任意の順序で組み合わせて指定してもかまいません。複数のオプションを組み合わせる場合は、各オプションの前にハイフン (-) を付け、各オプション間はスペースで区切って指定します。

たとえば、個々のプリンタの状態に関する詳細なリストを表示する場合は、次のように入力します。

$ lpstat -p printername -l

printername は、状態を調べるプリンタ名です。

表 8-2 頻繁に使われる lpstat オプション

オプション 

説明 

-a

受付状況。印刷宛先プリンタの要求受付状況を表示する 

-c

クラス。プリンタクラスとそのメンバを表示する 

-d

宛先。デフォルトの印刷宛先プリンタを表示する 

-f

書式。印刷書式を表示する 

-o

出力。出力状態を表示する 

-p [list][-D][-l]

プリンタ指定・説明・詳細リスト。プリンタの状態を表示する 

-r

要求。要求スケジューラの状態を表示する 

-R

印刷待ち行列内のジョブの位置を表示する 

-s

状態情報。要約した状態情報を表示する 

-S

文字セット。文字セットを表示する 

-u [username]

ユーザ。要求の状態をユーザごとに表示する 

-v

プリンタのデバイス名を表示する 

lpstat コマンドオプションの詳細なリストについては、『SunOS リファレンスマニュアル (1): ユーザーコマンド』を参照してください。