OpenWindows アプリケーションで表示されるフォントの書体や大きさは、必要に応じてカスタマイズできます。以下の節では、フォントのカスタマイズ方法について説明します。
ウィンドウ用のデフォルトフォントは、12 ポイント (medium) の Lucida Sans です。また、ウィンドウヘッダ用のデフォルトフォントは、Lucida Sans Bold です。必要に応じて、ウィンドウとウィンドウヘッダのフォントには、別の書体やポイントサイズを指定できます。あるウィンドウのフォントだけを一時的に変更したり、ワークスペースのプロパティウィンドウを使って、すべてのアプリケーションのフォントを変更し常時有効にすることができます。次項以降ではこれらの各方法について説明します。
一般的にフォントには、固定幅およびプロポーショナルという 2 つの種類があります。固定幅フォントの各文字は、すべて同じスペースを使います。それに対して、プロポーショナルフォントの各文字は、個々の文字幅に応じてさまざまなスペースが必要です。プロポーショナルフォントの方が見た目はよいですが、アプリケーションの中には固定幅フォントを使ったほうが適切なものもあります (例: コマンドツール、シェルツール、よく使われている端末エミュレータアプリケーションの xterm など)。
コマンドツールとシェルツールで表示されるデフォルトフォントは、プロポーショナルフォントです。このフォントは見た目にはよく感じられますが、端末ウィンドウでプロポーショナルフォントを使うと (スペースとタブを扱うときに) 文字の桁合わせの上で問題が発生することがあります。スペースやタブによる文字の桁合わせに問題がある場合には、これらのウィンドウには固定幅フォントを使うことをお薦めします。以下の例では、端末ウィンドウでは固定幅フォントだけを使い、その他のウィンドウとヘッダではプロポーショナルフォントを使っています。
この節では、フォントの書体とポイントサイズを変更して単一のアプリケーションをオープンする方法について説明します。すでに開いているウィンドウのフォントは変更できないことに注意してください。新しいフォントを表示するには、アプリケーションを再起動する必要があります。アプリケーションを再起動するには、コマンド行にアプリケーション名を入力します。
下記に示す基本的なコマンド形式では、単一のアプリケーション名 application 、-fn (font name、フォント名) オプション、フォントの書体 fontstyle と大きさ pointsize を指定しています。コマンドの最後にアンパサンド (&) を付けると、コマンドを入力した後でウィンドウにシステムプロンプトが戻されます。これにより、そのアプリケーションを起動したウィンドウを引き続き使用できます。
$ application -fn fontstyle-pointsize & |
次の例は、フォントの書体と大きさを指定して単一のアプリケーションを起動する方法を示しています。
下記の例は、プロポーショナルフォントの Lucida Sans Typewriter Bold を使ってコマンドツールを再び起動します。
ポイントサイズが指定されていないため、デフォルトの 12 ポイントが使われます。
$ cmdtool -fn lucidasans-typewriter-bold & |
下の例は、Lucida Sans Typewriter Bold を使ってシェルツールを再起動し、フォントの大きさを 12 ポイントから 14 ポイントに拡大しています。
フォントの大きさを変更すると、ウィンドウの大きさも変更されることに注意してください。
$ shelltool -fn lucidasans-typewriter-bold-14 & |
-fn オプションは、任意のアプリケーションでフォントの書体と大きさの指定に利用できます。「利用可能なフォントのリスト」では、OpenWindows アプリケーションで利用できる全フォントを一覧表示する方法について説明しています。
カスタマイズしたフォントを継続的に使ってアプリケーションを実行するような場合は、ワークスペースメニューにカスタマイズ内容を追加できます。この設定には、ワークスペースのプロパティウィンドウのプログラムメニューカテゴリを使います。これにより、コマンド行オプションを毎回入力する手間が省けます。 たとえば、大きいポイントサイズでテキストエディタを実行する場合は、次のコマンド行をプログラムメニューに追加します。
textedit -fn lucidasans-typewriter-14 |
同じアプリケーションを異なる大きさのフォントで実行する場合は、プログラムメニューに複数のコマンド行を追加できます。さまざまなポイントサイズでアプリケーションを実行するときには、この方法が便利です。たとえば、12、14、または 18 ポイントのフォントを使ってテキストエディタを実行できるようにするには、プログラムメニューに次のコマンド行を追加します。
textedit -fn lucidasans-typewriter-12 textedit -fn lucidasans-typewriter-14 textedit -fn lucidasans-typewriter-18 |
上に示したように、ワークスペースのプロパティウィンドウを使ってプログラムメニューをカスタマイズすれば、プログラムメニューから適切なメニュー項目を選択するだけで、3 種類のポイントサイズから必要な大きさを選んでテキストエディタを起動できます。
プログラムメニューに追加するコマンド行の後には、アンパサンド (&) を付けてはいけません。
前の例で紹介したフォントより多くのフォントを参照する場合や、それらのフォントを OpenWindows アプリケーションで使う場合は、まず最初に、利用できるフォントをすべて一覧表示して、その中から任意のフォントを選択します。
利用可能な全フォントのリストは、端末エミュレータウィンドウ内のプロンプトに対して xlsfonts と入力すると参照できます。このリストは 1 画面におさまらないことが多いため、コマンドツールを使って表示するのが最適です。コマンドツールのスクロールバーを利用すれば、リスト全体を簡単に参照できます。
利用可能なフォントは 400 以上あるため、xlsfonts で作成されるリストは非常に長くなります。画面上のリストに表示されるフォントの数が少ないと思われる場合は、システム管理者に問い合わせてください。利用可能な全フォントのうちサブセットだけがインストールされている可能性があります。
各フォントには短縮名の他にフルネームがあります。たとえば、lucidasans-typewriter のフルネームは次のようになります。
-b&h-lucida sans typewriter-medium-r-normal-sans-12-120-72-72-m- 0-iso8859-1 |
xlsfonts のリスト上のフォントでは、フルネームの後に短縮名が表示されます。この章の説明ではフォントの短縮名を使っています。
フォントを選択できたら、「フォントの書体とポイントサイズを指定する」の説明に従ってアプリケーションウィンドウのフォントをカスタマイズします。